今日の１句

燃へ尽きし蝋燭ひとつ朝寒し　　つゆ草

解体していた隣家がほぼ無くなり、家一つが消えゆきました。秋の長雨の中いっそう寂しさを感じます。何でもこの後細長い家が３軒建つとか・・。この夏も近くの解体地に細長い同じ様な家が３軒建ち、一軒１億円で売り出したところ、既に１軒売れたとの事です。１億も出してこんな狭そうな家、交通の便が良くても買う人の気持ちが分かりません。しかし今の建築家は上手に設計するものだと、ただ感心するばかりです。今朝階下の仏間にお線香をあげに行った時、もう小さくなった蝋燭に火を灯すと、驚く程奇麗な光を放ち感動しました。消えゆくものの物の哀れを感じたものですので、今日の1句です。明日の秋晴れが恋しいです。

今日の１句

名月や父の笑顔と母の声　　　つゆ草

昨日は中秋の名月で、心配されたお天気も晴れ何とかお月様が見られました。我が家のベランダで撮ったお月様なので、周囲の景が無く写真としてはつまらないのですが、美しかったです。くしくも昨日はお彼岸の墓参に田舎まで行き、感慨深い思いをしてきたので、お月様が尚更清く美しく懐かしささえ感じたものでした。たまたま乗ったタクシーの運転手さんが私の生まれ故郷大田原の歴史に詳しく、城下町として江戸と何かと交流があった事等いろいろ話してくれたのです。いずれ墓じまいをしたらもうこちらには来なくなるだろう・・等、でもやはり父母と過ごした子供の頃は今でも昨日の様に思いだすのです。良い中秋の名月でした。

今日の１句

自由席心は既に秋の空　　　つゆ草

秋の長雨が続き折角良い季節となったのにモヤモヤしていましたが、やっと晴れました。小雨降る中、隣家の解体作業は着々と進み、「秋雨や解体家より金属音　　つゆ草」という感じで、あっという間に諸々は解体され、冷たい金属音のみ零れ響いていました。さて明日は中秋の名月が見られるのでしょうか？　　去年体調が悪くて行けなかったお彼岸のお墓詣りに、明日姉と行って来ます。那須山の麓にある生地の天気予報は曇りに雨と出ていますが、久しぶりなので楽しみです。私は東京駅から姉は上野から新幹線に乗るので自由席を確保しています。子供のいない姉にお墓の墓じまいの心配等もあるのですが、来年7回忌を済ませてから具体的に考えるとの事です。夫は山へ行って留守、今日の晴れ間を楽しみたい今朝の空です。

今日の１句

秋嵐隣家の灯り消へしまま　　　　つゆ草

昨日一昨日と夜間の雨は酷いものでした。特に一昨日の我が町の駅前は洪水になり、ニュースに出た位でした。周辺は坂ばかりで、確かに坂を下った所に駅があり映像に出ていたケーキ屋さんは駅の正面で、線路を渡った先にある東急ストアー等もっと低い位置にありどうしたものかと気になりました。くしくも我が家の後ろ隣の立派なお宅が、ご両親が亡くなり娘さん一人となり湘南の方に越したとかで、、豪雨が止んだ今日から解体工事が始まり、騒音に直撃しているのです。そのお宅は元慶應大学の教授とかで、お嬢さんは天に響くようなソプラノの持ち主で、何かと素敵なお家でした。築７０年の我が家と違い、壊すのが勿体ない程の家故に何か哀れを感じます。豪雨の後の工事の音と、すぐ後ろの家は庭木の伐採とかで、今朝は朝から賑やかな事・・・。暑さもやっと過ぎゆき、これからは初秋の風が嬉しい時候となりそうですが、暫くは騒音との闘いです。

今日の１句

身に入むや短歌(うた)に添ひたるへ短調　　つゆ草

昨日のNHkの短歌の番組を見ていて、ある作曲家が出ていてそれぞれの短歌にキーボードで即席の曲を付けていました。それが私の楽しんでいるフォト俳句のコラボレーションにちょっと似ていて、とっても興味を得ました。キラキラした短歌には明るい長調の曲を、寂しい短歌にはヘ短調と言う具合に、一つのドラマが生まれる如くでした。

又、昨日私の大好きな樹木希林さんが亡くなりました。飄々としたその生き様は個性豊かで、魅力あるものでした。とっても残念でなりません。まだ未公開の映画があるというので、是非観に行きたいと思います。この出来事も身にしむ事でした。