今日の1句

ひと片の名残の雪の唇に

また雪です。でも今朝の雪はおとなしく、見あげればふわっとした感じでいかにも春の雪といった風情です。もう明日から3月というのに本当の春はどこに行ってしまったのでしょう。三寒四温とは日本独特の今のこの時期を如実に表したすばらしい日本語だと感心するばかりです。耐えることに慣れている日本人はこうして様々な事に耐えながら、一筋の希望の光に出会うまで待ち続けるのでしょう・・。今日の雪を、寒かった2月のお別れ名残雪とみて、明日への希望としましょう。

今日の1句

春の夜の近くて遠き人のこと

お逢いしていろいろ話したいことが沢山ある人がいます。でも遠くてなかなかお逢いできません。切ない春です。26日は東京マラソンを撮りに行ってその足でドームの蘭展にも行って来ました。最終日とあり混んではいたのですが、初日の混雑と比べたらそうでもありませんでした。何よりも蘭の花そのものが人の眼に晒されて疲れたように見え、やはり花は新鮮な内に見に行ったほうが良いという感想です。それでもやはり花の女王、どの蘭も妖しい光を放ち、特にエビネという種類の小さな蘭が人気で、可愛いと誉められていました。今年の大賞の花より余程愛らしいエビネ達でした。蘭だけだと歳時記には9月の花となり、今の時期に詠むなら、春の蘭とすれば良いのでしょうか・・？

　　　　ライト浴び自信過剰の春の蘭

今日の1句

嬉々として迷ひなど無し春マラソン

昨日は東京マラソンを撮りに新宿に行って来ました。都庁まで間に合わず、途中の交差点の所でかろうじて撮れたのですが、どの顔も皆ニコニコと笑顔と目的に向かって意気揚々とした表情で感動しました。何年か前にも見たことがあるのですが、最初に車椅子の人達がまず来て、沿道から一斉にガンバレーと声援があがり、其のあと白バイに先導されたランナー達が続々とやって来て、やがて道路一杯に溢れて、様々な衣装の人等もいて、本当に皆笑顔で走れる喜びに満ちていたのが印象的でした。スタート地点ではまだ大勢のランナーを一度に見られる利点があり楽しいのです。なんでも3万5千人程のランナーとか・・、抽選に漏れた人などもいれて、なんとマラソンをしている人達が多いことに驚かされます。副知事の猪瀬さんは6時間もかかって完走とか・・、副知事が走った事は評価したい等と思った次第です。

今日の1句

春蘭の葉先四方におおらかに

以前水墨画を習った事があり、まず始めに練習するのは春蘭でした。春蘭の葉というのは細く乱れるようにアチコチと自由に伸びているので線を画く練習に良いとのことでした。何度も練習をして最後にはそれなりの形が描けるようになったことを覚えています。昨日は岩本素白の本を一気に読み、心が満たされ充実した一日でした。人は我を捨てて、伸び伸びとおおらかに生きてくかなければ・・、またその様に生きてゆきたいと思った次第です。

今日は東京マラソンがあり、またドームの蘭展も今日で終わってしまうしで、どちらの撮影に行こうかと迷っています。

今日の1句

別な道歩む子の春うららなれ

今日は雨ですが、昨日は暖かく3月下旬の季候とか、ホッとする一日でした。私の娘も事情があり別な道を選択した一人なのですが、ある方のお子さんもまたこの春新たな1っ歩と聞いております。自分で選び決断した人の信念は尊いものがあると思っています。多分力強く自分を信じて前進してくれることでしょう。優柔不断な私からしてみれば只応援するのみです。

今ひょんなことから岩本素白という人を知り、図書館で取り寄せ読んでいるのですが、評判どおりその随筆集の鋭敏な感性と細やかな美意識にすっかり心を奪われています。自らの麻布の奥に潜む家を「独我書屋」と称し自由気儘に昔良き時代の東京をはじめ各地の鄙びた所に遊び、その心地良さ美しさを書き綴ったもので、その文章から現れてくる人間像がまたなんとも魅力的なのです。私の好きな歌人、窪田空穂と40年来の交友があるというのも心魅かれる要因かもしれませんが、もう亡くなってしまわれた方のようで、生きていらしたら是非ご講義の一つも聴きたいと思うくらいです。今日は幸いにして雨なので終日素白先生の文に浸りたいと思っています。