今日の1句

虫の音の三種聞き分け夜半かな　　つゆ草

最後の残暑でしょうか、今朝も暑いです。もうすぐ９月になるというのに、中々秋の気配を感じられません。でも夜中には静寂の闇にまだ虫の声が聞こえほっとします。

比較的涼しかった昨日、毎年行っている藤城清治氏の影絵展を見て来ました。97歳の筆のタッチとは思えない繊細さに本当に感動させられますが、銀座の教文館での画廊は今年限りで終わりと聞き、残念です。素晴らしい作品の数々を撮影許可というのも珍しく、私は沢山撮らせて頂き伸ばして部屋に飾ったりしています。連日のパラリンピックの選手達もそうですが、このエネルギーはどこから来るのでしょう・・と、宇宙人の様な人達の生き様に、只々心動かされるばかりです。皆さまもどうぞお出掛けになられてご覧になって下さい。９月26日迄開催しています。心が癒されますよ。

今日の1句

ひそやかにしたたかに生き蛍草　　　つゆ草

つゆ草は蛍草とも言われます。己のメンタルの弱さを自覚しながらも、結構この歳まで何とか生きながらえてきたのは、もしかしたら芯は強いのかも知れない等思うこの頃です。残暑が続き身体はかなりダメージを受けて、体重も少し落ちました。でも時々昨日の様に好きな映画を観てひと時を過ごすと、心身が蘇るのです。

「キネマの神様」を観て来ました。館内半分の人がゆったり感があり、良かったです。何よりも、以前から山田洋治監督作品には情が溢れていて好きなのですが、この内容も涙が出て、亡くなった志村けんさんが浮かび映像が終わっても暫く席を立つ人がいない位でした。沢田研二はそれなりに良い駄目爺さんの役をこなし、作品を盛り上げていましたが、ちらちら見える監督の仕掛けは素晴らしく、我々の年代にはジンと来るものがありました。日本の監督の中で小津監督と山田監督はより優れた監督と私は信じています。

今日の1句

朝シャワー爪の先まで処暑の風　　つゆ草

今朝は処暑だそうです。まだまだ残暑が厳しく、目覚めたら汗で気持ち悪かったので、珍しく朝シャワーを浴びさっぱりしました。思えば去年の夏は連日の様に朝シャワーをしていた記憶があります。もう８月半ばで猛暑はもうあまりないのではと思うと、季節が少しづつズレてきているように感じます。夏の盆踊りも花火大会も季節の行事がないまま初秋に入り、何か忘れ物をした様な昨今です。

今日の1句

身の程を知れば知る程千草かな　　つゆ草

昨日から24時間テレビに釘付けです。感動感動で、涙腺が止まりません。頑張っている人々の姿に我が身を返り見れば、何と恥ずかしい生き方をしているのだろうと、反省するばかりです。若いスタッフのエネルギーに、最後まで応援の旗を振ろうと思います。

又昨日は六本木の国立新美術館に読売書道展の作品を見に行ってきました。入賞の我が作品の下手さに、つくづくと今日の俳句の様な、気持ちを抱きました。井の中の蛙大海を知らずとは、正にこの事で、素晴らしい書に圧倒され我が身の小ささを痛感した次第です。世の中には限界を超えて頑張っている人の、何と多いことか・・です。

今日の1句

今日も空蝉を拾らうだけの朝か　　　志らく　　

昨日のプレバトの番組での志らくさんの句で、自由律という事でした。添削の言葉が面白く的確なので、毎週見ています。今の私の日常に似ているので共感しました。自由律という作り方や無季俳句といった俳句は私は作った事がありませんが、ある日山頭火の俳句を見てから、何となく興味を持っています。でも基本が出来ていないととても難しい俳句なので、私にはとても無理難題です。コロナ禍で、毎日悲しくなる位、ぐだぐだと生活をしていて、情けないと思っているうえに、パソコンが動かなくなる事が増え息子に度々お世話になって何とか開いています。歳のせいにしてはいけませんが、どんどん置いて行かれる人生が本当に蝉の抜け殻なのです。

でも嬉しい事が一つ。天井が新しくなりました。木の匂いがたまらなく良いのです。ささやかな喜びです。