今日の1句

寒玉子うく徹宵の油の掌　　　鈴木しづ子

今朝のNHkの俳句で、この句を知りました。幻の俳人と言われた鈴木しづ子の句です。心揺さぶられる1句でした。最後は岐阜で消息不明となったと聞いていますが、「夏みかんすっぱし今さら純潔など」を第二句集に詠み行方知れずとなった様です。俳句という文芸の深さをしみじみと思い知る今朝の事でした。

今日の1句

1本の大樹に宿る冬日差し　　　つゆ草

このところ朝歩きが出来る日が少なくなり今朝は久しぶりに歩きました。時間によって同じ風景でも様々なのが嬉しく楽しく、歩きながら色々考えられる時間も貴重なのです。又一人俳句の仲間が若い命を終えました。虚しくてたまりません。何だか今生きている自分がなんの為に生きているのだろう・・等考えてしまいます。今私は個人的な事でいろいろ問題を抱えていて、将来が不安だらけです。心の余裕がありません。俳句もまともな句が作れません。武家屋敷跡の庭に多分何年も経っているだろう思われる大樹があり、その木に当たる日差しがとても好きで、力をもらえるような気がします。

今日の1句

画面見てうなづく歳や冬うらら　　　つゆ草

このところ11月とは思えない暖かさの日が続いています。でもコロナ感染者は増え続け、恐ろしい人数になっていて、この数に多少麻痺してしまったのか、街には何もなかったかの様に人出が多いのです。経済の為いろいろなキャンペーンをする政府も、為す術が無いといった連日です。12月は又息子と孫の誕生日が来るし、クリスマスや年末の食事会はどうしたら良いのかと、迷う処です。我が家では毎年こういった家庭行事をやってきただけに、いつ辞めるかと思った時、今でしょう・・と言いたいのですが、なかなか言えません。近頃テレビを見ながらついつい映像と同じ様にうんうんと頷いている自分が可笑しくなる昨今です。

今日の1句

山茶花や夕日にとけ入る紅さかな　　　つゆ草

山茶花はあまり目立たない花ですが、女性は皆好きです。先日の昭和記念公園にも赤い山茶花が夕闇にとろけるように咲いていて年配のご婦人達に囲まれていました。茶の花も山茶花に似た花ですが、触っただけで皮膚に湿疹が出るとか・・、又椿もやはり湿疹が出るらしいです。トリカブトは濃い紫色で山野には目立つ美しさですが、毒があるとか・・。人間も花も外見では分からない内面がありますが、人間関係はせめて正直に生きたいものです。

今日の1句

しみじみとしみしわしらが枯芙蓉　　　つゆ草

夕べは今とっても綺麗と聞き、昭和記念公園のライトアップに撮りに行って来ました。日本庭園が本当に幻想的にライトアップされ、素敵でした。土曜日だったので人出も多く、暗闇の中で彼方此方から感動の声が響き、写真は何枚も撮りましたが三脚無しなのでブレ、スマートフォンの方が綺麗に映っていました。考えてみればもう来月は師走です。コロナコロナと騒いでいるうちに、今年も終わりに近い事を思い知る夜でした。