今日の1句

春風を背なに怒涛の足音かな　　つゆ草

今日は東京マラソンの日なので、毎年撮りに行っているのでどうしようかなと思ったのですが、やはり行ってきました。撮る場所を変えてみると、去年とは違った写真が撮れまずまずでした。今朝は少し寒い曇り空ですが、多分走る人達にとっては走りやすい事と思ったりしながら声援を送りました。特に最初に走って来る車いすの走者には、周りから大きな声援と拍手が起き、胸が熱くなります。何かしら志を持っての各走者の顔は皆明るく、見ている我々に元気と勇気をもたらしてくれるもので、其れまで練習しただろう努力に敬意を払うばかりです。

その後家に帰宅後、テレビを見ていると、それぞれにどうしても完走したい理由があって頑張っている人の何人かを放映していて、これはこれで感動しましたので、又1句です。
　　　　
　　　　　春マラソンゴール待つ子の笑顔かな　　　つゆ草

今日の1句

声変わりせし子の伏目草青む　　　つゆ草

連日オリンピックの映像が流れていますが、女子スケートフィギュアの戦いには度肝抜かれました。15歳のロシアの選手の圧巻の演技は、神業の如くで、本当に素晴らしいものでした。２位の子も１７歳とか、日本の選手も二人とも１０代で、驚くばかりです。年々凄い若者が頑張っている姿に、応援と取り残されていく我が年齢を、現実として受け入れなくてはいけない気持ちをひしひしと感じている昨今です。我が孫も中学生になり、背も抜かれ声変わりもし、もうすぐ２年生です。今日の様に暖かい日はきっと一段と背が伸びることでしょう。

今日の1句

金銀の選手の涙山笑ふ　　　つゆ草

オリンピックのスケートに釘付けでした。羽生君と宇野君の素晴らしい演技に国中が涙した昨日でした。二人とも、実に謙虚で、ひたすら練習を積み重ねた結果が、金、銀でした。あの涙の美しさ、氷上の美しさに、夢と元気と勇気をいただき、只々嬉しい限りです。若い二人に乾杯。

今日の1句

かまくらに揺らぐ親子の影3つ　　つゆ草

横手の冬の風物詩としてのかまくらは有名です。確かにこれほどの雪が降るなら大きなかまくらも出来るのが納得です。一般の人も中に入る事が出来、楽しそうでした。中には祭壇が設けられていて、やはり此処でも神様が登場なのです。この様に豪雪地帯には、耐え忍んで春を待ついろいろな行事があり、たまに行く旅行者は感動と共に良い経験が出来ますが、地元の運転手さんに聞くともう雪はうんざり・・との返事が返ってきました。この後奥州藤原氏ゆかりの名刹、平泉中尊寺を訪ね、一関から新幹線で無事帰宅となった次第です。体中覆っての旅でしたが、東北はまだまだ冬真っ盛りで、春は遠く感じました。今日等は東京は昼間暖かくなるそうで、有難い事です。

今日の1句

なまはげの吠へて漲る祈りかな　　つゆ草

昨日一昨日と、秋田方面の伝統行事を撮る旅に行って来ました。、予想通りというか、超えてというか、物凄い豪雪に驚き、バスが男鹿に近づくにつれ少し不安もあったのですが、無事たどり着き、先ずは会場でのなまはげの踊りと太鼓と、夜に見る「なまはげ柴灯祭り」の解説などを聞きました。初めて見る本物のなまはげの姿とその「ウォー」という恐ろしい声は迫力満点で、又その太鼓の音にも圧倒されましたが、それらはすべて平和や恵みを祈る行事である事を知り、又深い雪の中で耐え忍ぶ人々が春を待つ姿を痛感した次第です。実際の雪の中でのお祭りには赤々と火が燃えたぎる音と万人の人と、10人位のなまはげ達の舞と太鼓と凄まじい光景に見とれましたが、その寒さに耐えられず、思わず地酒を２杯飲んで体を温めたりしました。最初になまはげとなる為の生魂の儀があり、神々しいものを感じ伝統行事の厳かさを目の当たりにしました。本当はこの日は仲間の吟行と句会があり、こちらを選んでしまった後ろめたさもあったのですが、行った甲斐はあったものでした。