やまろぐ☆つあれぽ

海外登山&トレッキングツア専門の
添乗員の自由日記と
家事育児の日常♪

鍋倉山の森太郎

2021-04-18 15:57:25 | 山旅(国内)
400年前、日本は
江戸時代になり、鎖国も始まった。
そのころに信越の堺にある関田山脈のいくつもの峠は
すでに人々の往来でにぎわっていた。越後からは塩や海産物、
信濃からは和紙や菜種油が運ばれていた。
その頃、この山脈のその峠道からは外れた、
人の往来のない深い谷の中、
ブナの森太郎は土に根付き、
芽を出し、誰に邪魔されることもなく成長してきた。

今、令和、この界隈では長老になり、誰も森太郎より
長くこの世を見てきた者はいない。

鍋倉山の
春から秋には生命があふれ、森太郎もその中でひっそりと
美しい恵を享受している。
冬には、
雪の中でひときわ力強く、貫禄ある姿で
周囲を見渡してる。

もう幾度となくこの四季の移りを見てきた。

なんてね

*

関田山脈、信越トレイルの中の最も美しいブナの森が広がる
鍋倉山1288mに先月、わたしのツアで登ってきた。(3月27日)
信越スノーシューのツアの最大の目的だった。
森太郎には雪のときにしか近づくことができない。その森太郎に
会いに。

麓の温井の集落に向かうところから見た鍋倉山。


標高約570mの集落から出発。
田茂木池のあたりの広いところ。




細い急な尾根も慎重に登る。




巨木の谷にはいくつか、大きなブナの大木もあった。

それだけでも、じゅうぶんりっぱ。

熊の爪痕




先に姫に会ったけど、残念ながら姫は力尽きていた。

(姫はみんなが見ているほう。後ろには次の姫にふさわしいような大木も・・・)



白兎のことを前の日記で書いたけど出会ったのもこのあたり。

森太郎の標高は約1030m
近づいていくところ


まだ、大きさ、写真ではわかりにくいと思う。


ブナの幹で、こんなの見たことある?

わたしはなかった。





お客さんたちも感激していらっしゃったよ。
ごつごつの幹には威厳が漂っていた。





長い年月の風雨を受けてこんな姿になったのね。


わしももう長くはない・・・
とか聞こえてきそう。そしていろいろと言いたいこともあるのか、
それとも、何も特にいうことはないのか。
自然の掟とか知り尽くしてる彼には、今の世界は
どんなふうに見えているのだろ。

森太郎にお別れして、さらに雪の斜面を登っていった。
鍋倉山の山頂からは、これも雪のときにしか見れない360度の展望が広がっていた。

関田山脈の稜線(信越トレイルで歩いていくルート)




妙高や越後の白い山々のほう、日本海に米山なども見えていた。





下りは遊びながら。






この日は、1週間のスノーシュー歩きの5日目だったのだけど、
最高だった。妙高の麓を歩き、斑尾山に登り、鍋倉に登り、
このあとは野沢温泉村を満喫した。
毎日おいしい食べ物と、雪遊びと、のんびりした日々で
帰りの新幹線から見えた町の桜の景色に心がついていけなかったの。

雪国に春がくることを、久しぶりに日本で感じた。(わたしにとっては)







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