ただより高いものはなし
太陽の光でお湯を沸かす太陽熱温水器。晴れた日には火傷するくらいのお湯が沸き、お風呂に炊事にと重宝している。とりわけ光熱費高騰の昨今では、その恩恵にあやかり、毎日湯船に肩まで浸かる贅沢をしていた。
ところがその温水器が壊れてしまった。屋根の上の温水器の修理して、給湯器の交換をするとけっこうな額になる。どうしようかと迷ったが、けっきょく修理と交換をすることにした。
「ただより高いものはなし」
考えたら最初に施工したときは、もっとかかったのだろう。母親が取り付けたものだし、自分の懐が痛むわけでもないから、そんなこと考えもしなかった。こんなものいらないのになんて迷惑がっていた……。
それから十八年になる。よくもったものだ。
「母さんありがとう。重宝しました」合掌