ヒヨドリ姉妹
庭に咲く満開の椿もいいのだが、山の中にひっそりと咲く藪椿の花には風情がある。
子どもの頃、藪椿の赤い花を口にくわえて蜜を吸っている私と姉を見て、父は「頭の黒いヒヨドリたち」と呼んだ。
まったく子煩悩な人であった。
さてヒヨドリたちも大きくなり歳を取ってしまった。今では椿の蜜は吸わなくなったが、ヒヨドリ根性そのままに野菜をよく食べる。
ほうれん草はとっくに食べつくし、小松菜や水菜や白菜はとうが立ってしまった。食べられる野菜はないかと畑の中を捜しまわり、ヒヨドリみたいだと苦笑いする。椿の蜜を吸う可愛いヒヨドリは、同時に野菜や果物を食い荒らす困りものだ。
さてこの時期、ヒヨドリ姉妹の食卓に頻繁に登場するのは、畑の隅に植わっている「のらぼう菜」である。おもに東京都の西多摩地方や埼玉県飯能市周辺で栽培されており、アブラナ科アブラナ属の野菜である。
ブログの相互フォローをしている「たけじいの気まぐれグログ」にも、時々登場する。
茎の部分が甘くておいしくい。さっと湯がいて細かく切り、そのまま何もつけずに食べるのが、ヒヨドリ姉妹の食べ方である。