草むしりしながら

読書・料理・野菜つくりなど日々の想いをしたためます

長岡弘樹「道具箱はささやく」

2024-02-06 11:19:32 | 読書記録

長岡弘樹「道具箱はささやく」

 一冊の本の中に、原稿用紙20枚でつづられるミステリーが18編おさめられている。 18のミステリーの中には18の職業が登場する。そしてその職業に応じた道具が18出てくる。

  第一の事件「声」には、容疑者を見張る二人の刑事とラジオから流れてくパーソナリティの声が登場する。このパーソナリティは、以前二人の所属する警察署で講演をしたことがあったが、最初から最後までマイクは使わなかった。よく通る声の持ち主だからマイクなど必要ないわけだ。

 今日の声もやけにクリアで、先日起こったひったくり事件の話をしている。

「それを目撃した僕はひったくりに向かって『泥棒っ』って叫んだんですよ。そうしたら犯人だけあっちを向いたままなんです」

 この事件は先週のことなので、たぶんこの放送は録音だろう。と刑事は推理した。ところがその途端、容疑者がアパートから出てきた。中肉中背の体に背広をまとい、どこにでもいるようなサラリーマンを装っている。そして同じような格好の群れの中に紛れ込んでしまった。

 さて二人の刑事はどうやって容疑者を見つけるのか。この時例のパーソナリティの声はどんな役割を果たすか……。それは読んでのお楽しみだ。

 

 最後の落ちがいいですね。ふん、ふん、ふん。と読み進んでいって、なるほどそうなのかと納得したとたんに、最後にコロっとひっくり返る。そんな書き方大好きです。

ショートショート。楽しいですね。星新一の「ボッコちゃん」を再読してみたくなりました。 


田口ランディ「キュア」

2024-02-02 06:57:13 | 読書記録

田口ランディ 「キュア」cure

 若き外科医斐川(ひかわ)竜介は、医療現場で日々癌と戦っている。彼は人の精神回路にアクセスすることができる能力を隠しもっており、メス通じてがん細胞がどこにあるのかわかるのだ。それゆえ人は彼を「ゴット・ハンド」と呼ぶ。

 だが大学病院での彼の身分は院生なので、給料も出ない。五時間を超える手術が週三度はあり、その上夜間のバイトのかけ持ちをしている。体力だけは自信があったのだが、この頃なんだかおかしい。

 やがて彼は自分が肝臓がんで余命一年であることを知った。

 指導教授の井沢は、頭は切れるがオペは下手だ。人間の臓器を触る感性のようなものがない。

 今切れば5年は延命できると言われるが、かたくなに手術を拒否する患者

 体中に癌が転移し余命宣告されても、まだ手術を望む若き実業家。

 斐川を支えるリストカットの少女キョウコ。

「先生も私と同じ人間だから」と言いて斐川に接近してきた看護師白井

 同じ研修医の増田は「待っています」と言って、次の配属先である内科の癌病棟に去った。

 その他にもスピリチュアルのカリスマ。新生児室のアイちゃん。斐川の祖母ちゃん。そして彼にすがる多くのがん患者たち……。

 彼らとの出会いを通して、斐川は自分の治療方法を模索していく。

 

 田口ランディは好きな作家で、過去にも何冊か読んだことがある。強く惹かれて一気に読んでしまった記憶があるのだが。はて、どんな内容だったか?

 図書館の本棚にはまだたくさんの田口作品がある。ハマってしまいそうだ。しかし読んだ端から忘れて行っては困る。今後はしっかりと読書記録を残していきたい。

 

 明日は節分だ。これから豆と魔よけ飾りを買いに行く。すでに年の数だけの豆は食べきれない年齢になって久しいが、一個十年の勘定で食べれば何とか行けそうだ。

 明日は恵方巻を食べるので、今日は鰯を焼こうか。さて昔の魔よけ飾りは、柊に焼いた鰯の頭をさして豆がらと一緒に小さな束になっていたが、先日見たの飾りには鰯の頭はついてなかった。やはり生ものはやめた方がいいだろう。

 今日からまた寒くなった。風邪ををひかないように暖かくして早寝しよう。


お茶の木

2024-02-01 09:42:31 | スローライフは忙しい

茶の木

 昨日は本当に暖かかったですね。散歩がてら歩いて買い物にきました。途中にあるマンションでは、敷地内の大木の枝打ち作業をしていました。

 とても大きな木で高さはマンションの3階か4階くらいまでありそうです。木の天辺近くまで人が登り、枝の先端を鋸で切り落としていました。しかし上手いものですね。切った枝を木の真下に狙いを定めて落としています。

 東京の公園や街路樹は大木が多いいですが、どれもきれいに枝打ちされていますね。こういった凄腕の専門の業者さんも、たくさんいるのでしょうね。

 それにしても高い木でした。公園や街路樹は別ですが、私などからしたらあんなに大きくなるまで放っておかないで、小さいうちに切ってしまえばよかったのに。などと思ってしまいます。

 マンションの敷地内の木が何の木か知りませんが、木は大きくなるのが早いですね。その内その内と思っている間に、気がつくと大木になってしまったということが多々あります。こうなるともう素人が手出しできなくなってしまいますね。

 我が家では昨年クヌギの木を全部切ってしまった場所があります。ところが日当たりが良くなったせいか、人間の背丈よりも高い草がびっしりと生えてしまい、草刈りに苦慮しました。

 将来的には何か木を植えて、草がなるたけ生えないようにしたいのですが、木はすぐに大きくなってしまいます。そこで大きくならない木はないものか。無論お金がかからず手もかからないものです。無い知恵を絞って考えた結果、お茶の木という答えが出てきました。

 お茶の木なら間違っても大木にはならないし、家の周りのあちこちに自生しています。

 昔はお茶も自給自足していたので、まだその名残の木が残っているのです。長い間世話もしなかったのですが絶えないどころか、新たに芽まで出しています。

 敷地が広いのですぐには植えきれないと思いますが、毎年少し少しずつ増やしていきたいものです。それまで年齢と体力が持つかの話ではありますが……。