0284_神々の合議(009)裕也の冒険-地獄の業②-
--地獄の業②--
あちらこちらで鬼火が宙に浮き照らしている。
炎が巻き起こっている。
洞窟である。
呻き声が聞こえる。
「ギャァアー」
奥へ奥へ進む。
大きな朱色の台座の前に来た。
王冠を被り、それには、大王の印。
伸びた鼻髭を生やし、顎髭(あごひげ)も黒々としている。
襟が金の赤い衣を着て、青の袈裟をかけている。
閻魔大王が座っていた。
台座の机の上には、巻物が置かれている。
閻魔大王は、裕也の挨拶した。
「よく来た。裕也。
もう一度、確認するが、
本当に地獄の業を受けるのか?
これは、並みの行では、無いよ。」
「受けます」
裕也は、躊躇(ためら)わない。
大王は、巻物をチラッと見る。
それには、業が記されている。
「裕也は、嘘をついたことはあるか?」
暫くして
「あるかもしれません」
「厳ししものになるぞ」
「かまいません」
裕也は、答えた。
大王は、地獄の業の説明をする。
「舌抜き地獄。
骨折り地獄。
引き裂き地獄。
冷風に地獄。
虫地獄。
土埋め地獄。
針地獄。
血の池地獄
灼熱(しゃくねつ)地獄。
九つの地獄がある。
それは、裕也。お前の業に受ける罪と知れ」
魔を間を開け、息を吸う大王。
「では、行う。
口を開け、舌をだせ。
私が行う業だ」
裕也は、口を開けた。
メモ:業と行が混ざるのは、行は「修行の行」であり、業は「宿業」の意味である。
つづく。 次回(地獄の業③-舌抜き地獄-)
#裕也の冒険 #自作小説 #神々の合議 #裕也 #地獄の業 #地獄の種類