ウイ 「えっ、そんな簡単に養子にしてくれるのッ」
モエ 「いや伯爵様は屋敷の従者として雇うつもりだったらしいんだけど、奥様に気に入られちゃって…」
ヒロ 「いや違う、俺たちが驚いてんのは、誰でも養子になれる、っていう、そっち…」
勿論、誰でも伯爵様の養子になれるわけではありません
貴族である、ということが大前提です
なので、伯爵様は自分の親族の内でも下っ端の方、
金額次第で言うことを聞いてくれそうな誰かに話を持ちかけて、
モエギをその家の落胤ということにする、という強引な手段をとっています
市井で生まれたけど父親に認知されて貴族の血筋に入った、という形さえ整えば、
晴れてモエギはその家から伯爵様の家に養子入りできる、という寸法ですよ
まわりくどいですね
ですが
手っ取り早く伯爵様自身の落胤、ということにしないのは、やはり外聞があるためです
本妻以外のところで子供を作った、ということになるわけですから、それは避けたい
「君には不名誉なことだけどさー、領地をこれだけ譲ってあげるから引き受けてくれない?」
てな感じの裏取引があって、宿関係からここまで色々とモエギには相当の金額がかかってます
それでも、なんの縁もないただの子供を養子にしてしまうくらいに伯爵様は変人、
ということになりますね
…て事で、ヒロの幼馴染モエギの『成り上がり物語』は本筋と関係ない所で
幕を開けてたわけですが!
他の細かい所がお分かりいただけたかどうかが不安なので、さらに補足しときます
(気になる方だけどうぞw)
宿で騒ぎを起こしたのは、伯爵様の領地を管理している人です(成金呼ばわりはそのため)
一応、「部下の不始末」という名目で、伯爵様が乗り出してきていますが
これは建前で、本音は平民の人気取りのようなもの
なので、宿に対して、不名誉な噂が立って迷惑をかけたという「慰謝料」を払うのも
信頼回復まで支援するよ、というのも、「伯爵様太っ腹!!」という
平民の声が大きくなればなるほど、しめたもの、なので多少の出費は営業の範囲内です
むしろ好感情が高まるほど、後々伯爵様の利益になりますのでね
お金とは別のところにある、「財産」です
モエギに対しても、「泥棒」というのはこの場合まったくの濡れ衣ではあっても、
人の噂や中傷が宿屋の信頼を損ねることは明らかなので、宿の主人もモエギを解雇したいのです
しかしあからさまに解雇すれば、逆に疑いが深まる、という葛藤があるのを見越した伯爵様が、
先手を打って、モエギをスカウトしにきているのです
これも、「慈悲深い伯爵様」と彼らに思わせるための、人気取りの一環です
それを嫌ったモエギの反骨精神のようなものを、青臭い、と思いつつ
伯爵様は許容したような感じですかね
そういうわけで、伯爵様にとってモエギはただの手駒でしかなかったので
自分の領地内にある適当な屋敷で働かせておけばいいだろう、程度だったのですが
実際会って見れば、意外とモエギの根性は根暗な方向にガッツがあったので
じゃあ退屈しのぎに、手元でこき使ってみよう、と自分の屋敷につれて帰ったら
伯爵さまの奥さんがモエギを気に入ってしまって、自分の子供のように甘やかすので
もういっそ養子にしてしまおう!と、上記に述べた強引な手段をとってます
金をかけた以上に、伯爵家にとって利益になるよう働いてもらうぞ、という暗黙の
雇用関係なのです
けして、慈悲や情といった美しい関係では有りません
と
今や、ただの通りすがりの1キャラであるモエギにこれだけ設定が出来上がっているのは
(本編にはまったく登場していないのに、婚約者とのラブロマンスまで考えていたほどだ)
昔は主役級のキャラだったからです
そうです、当初はこの流れで、『じゃあパーティ組んで旅立とうよ!』と、ドラクエ9を始める予定…
だったんですが(本来ならルイーダの酒場でミオが紹介される前あたりの話)
ネタがネタだけに、ものすごくギスギスするので、モエギには旅の仲間からご退場願ったのでした
まあ退場したとはいえ、肝心のミカとの絡み、貴族社会関連では欠かせない人物なので、
この後、何度か出てきますが(と思いますが)
さほどギャグ要員ではないので
あまり楽しくはならないかと…
ていうような、どうでもいい話をここまでお付き合いくださいましてありがとうございました!
さてさて、次からまた「城下町にて」の続きを再開します!!
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