○Diretta Target PCがやってきた
かくしてDiretta Target PC2は我が家にやってきた。
第一印象は「小さい」。
大きさは音楽CDのプラケースより一回り小さいくらい。
厚さはCDケース2枚分ほど。
こんな大きさでWindows10が走るのだから不思議な感じさえする。
Direttaの本体プログラムが入っているUSBメモリーはほとんどUSBコネクターの大きさの極小サイズで、USBポートに挿された状態ではほとんど出っ張りがない。
VESAアダプタープレートが付属していたので、モニターに背負わせようかと思っていたが、
この大きさなら十分デスクトップ(モニターの下)に置くことができる。
USB-LANアダプター バッファローのLUA4-U3-AGTEも届いているので、Direttaを試すことができる。
まずは、DirettaのASIOドライバーをメインPCカナリアにインストール。
オリオスペックのサイトからダウンロードしてインストールしたが、これはあっさり終了。
さて、いよいよメインPCとの接続であるが、以下の3つの接続方法で試してみる。
- メインPC(オンボードUSBポート)>USB-LANアダプター>(LAN)>Diretta Target PC2>(USB)>ADI-2 DAC
- メインPC(USB Card FEMTO)>USB-LANアダプター>(LAN)>Diretta Target PC2>(USB)>ADI-2 DAC
- メインPC(LANポート)>(LAN)>HUB(WG1200HS4)>(LAN)>Diretta Target PC2>(USB)>ADI-2 DAC
USBケーブルは今まで使っているアコースティックリバイブのR-AU1-PL、LANケーブルはとりあえず普通のLANケーブルである。
○ついにJPLAYでハイレゾ再生
まずは動作確認も含めて、USB Card FEMTOのUSBポートを使わず、PC本体のUSBポートを使って①の構成を試してみる。
PC本体のUSBポートはPC側面の前側にあるUSB3.0のポートを使った。
音が鳴るかなんともドキドキだが、まずはAudirvanaで音出し。
Audirvanaを開くと、ちゃんと「Diretta ASIO」と表示されて、USB-LANアダプター経由でもドライバーを認識しているようなので一安心。
音を出してみると、Direttaを使わない場合と比べて、さらに雑味が減り静かになっている。
Direttaの効果はこの状態でも確認できる。
しかし、ボーカルものを再生すると、ちょっとサ行がきつく感じられる。
この点に関しては、PCの電源をアナログ電源に変える前の状態に戻ってしまったような感触を受ける。
ハイレゾも難なく再生できている。
そして、いよいよJPLAY FEMTOにスイッチ。
まずはCD音源をチェック。
いつものようにBubble UPnPを開くと、レンダラー、サーバーともJPLAY FEMTOが認識されている。
CD音源は問題なく、クリア。
いよいよハイレゾ再生だが、これが拍子抜けするくらいあっさりと再生できた。
再生開始時にポップノイズのような音が出る以外ノイズらしいものは感じされない。
PCM384kHZ/32bit、DSD22.4MHzまで問題なく再生できる。
JPLAYとADI-2 DACの相性問題はDirettaによりあっさり解決してしまった。
JPLAYの設定の方は特に何もしなかったが、OLIOSPEC Diretta ASIOドライバーが自動で選択されていた。
あ、そういえばJPLAY FEMTOとDirettaのリソース競合問題は発生していない。
DirettaのASIOドライバー設定画面を開いてみると、ほとんどの設定項目でAutoになっている。
もしかすると競合が発生しないように自動的に調整されてしまったか、と思ったので「Connect Target」の項目を「Auto」から「High Fix」に変更してみたが、問題なく再生できる。
音の方も悪い変化はないみたいだ。
○USB Card FEMTOのUSBポートから出力してみる
続いて②の構成を試してみる。
これはDirettaを入れた場合でも、USB Card FEMTOの効果があるかどうかを見たかった。
こちらもAudirvanaでもJPLAYでもハイレゾまで問題なく再生できるのを確認した。
さて、その音だが、①に比べてその音はさらに静かに立体的になったと表現すればいいだろうか。
これ以上静かにならないだろうと思っていたが、さらベールが1枚はがれた感じになり、音の余韻に響き方の違いまで分かるようになった。
音圧の高いライブ音源でも、その音圧に埋もれていた観客の歓声が聞き取れるようになった。
音が立体的というのを具体的にいうと、各音源の奥行きの違いがはっきり分かるようになった。
今までは、音が重なってはっきりしなかった音が区別できるようになるところまでだったが、Direttaを入れると、区別できるようになったのは実は平面的に区別できるようになっただけだったというのが分かる。
Direttaを入れると、同じ方向から鳴っている音は、それぞれ奥行きが違うところで鳴っているのが分かるようになったというか、重なっている音の奥行きの違いが分かるようになってきた。
これは聞き慣れたCD音源の方が分かりやすく、新鮮に感じられる。
さきほどはきつく感じられたボーカル「サ行」もきつさが抑えられている。
USB-LANアダプターを介した変則的な構成であるが、Direttaのよい効果ははっきりと感じられる。
ただコストパフォーマンスという点では若干評価が難しいところはあるが、今までの環境がUSB Card FEMTO+iPowerという環境がかなり整っていたということか。
タスクマネージャーを覗いてみたが、メインのPCからはイーサネットアダプターが増設されたように認識されており、イーサネットが2つ表示されている。
Direttaで使っているイーサネット2はDSD11.2MHzを再生しているときこそ転送速度はかなり速いが、安定度ということになると、その波形はほぼフラットで安定している。
これがDirettaの狙っている効果か。
○普通のLAN出力はどうだ?
そうこうしているうちにLANポートが複数あるWi-FiルーターWG1200HS4が到着したので、今まで使っていたWG1200CRと交換して、③の構成を試してみた。
これは、はっきり②の構成よりは劣る。
CD音源で聞くと、ノイズ感というかざらつきを若干感じる。
Direttaを入れる前に戻ったような感じだ。
せっかくWi-FiルーターWG1200HS4を購入したが、結果としてはルーターの入れ替えは不要だった。
まあ、これまで使ってきたWG1200CRは5年目になるし、これで親機と子機が同じ機種になるので新しいWG1200HS4を使うことにしよう。
○Direttaはハブなし直結に限る?
接続構成を変えて試してみたが、結果として
① <= ③ < ② という感じになった。
その要因としては。
●ハブを介さず、メインPCとDiretta TargetPC2が直結になっている。
●USB Card FEMTO+iPowerの効果の高さ
というをことになるだろうか。
USB-LANアダプター自体はUSB部分のケーブルも短いし、iPowerから電源供給を受けているUSB Card FEMTOからバスパワーで電源を受けていることもいい要因になっているのだろう。
USB-LANアダプターを介してもこの出音なので、これを必要としないNET Card FEMTO+iPowerにしたらどうなってしまうのだろうというオーディオ的な興味は尽きないが、現状ではオーディオ用のLANカードが高すぎるので、円安がおさまるまでこの構成で行ってみようかなと思う。
ともかく、今までどうしようもなかったJPLAY+ADI-2 DACでのハイレゾが再生できるようになったし、Diretta効果で現状でも音楽を楽しんで聴くためには、十分な音質になっている。
ただ、メインPCに直接DACを接続しなくなったため、OSからサウンドシステムを認識しなくなり、システム音が鳴らなくなったし、You Tubeも当然音が出ない。
さて、どうしたものか?