当選してしまったものの行けるかどうかわからなかったFOX DAYのライブであるが、なんとか行ける状態となった。
日帰りもできたが、一応宿も押さえた。
日が日なので、とにかく宿がいっぱい。横浜周辺ではホテルを押さえることできず、遠くの古びたホテルを押さえるのがやっとだった。
物販さえなければ地元をゆっくり出てもよかったのだが、超SEAT(超PITも)だと早い時間に物販の入場整理券を予約できることを知り、初めての会場の下見を兼ねて、幕張の時には行けなかった開場前の物販に行ってみることにした。
東京に着いてから電車に揺られることしばし、桜木町駅に到着。
下調べどおりに歩いて行くと、10分ほどでPIAアリーナMMに到着した。
ランドマークタワーが目の前、実はなかなかのオフィス街の中にあるので、休日ではあるが黒ずくめのメイトさんたちは目立つ。
会場のコインロッカーはまだまだ余裕があったので、とりあえず大を押さえておく。
あとは物販の列に並べばいいのだが、例によって人だかりで案内が見えず、どこに並べばいい変わらない。
聞き取りづらい拡声器の案内を聞き取り、かなり長い列の後方に並んだ。
予約しているのにこの列かと思ったが、それほど待つことなく物販会場に入ることができた。
早い時間に会場に行く必要はあるが、並ぶ時間が短くてすむのはありがたい。
特にこれといったものはなかったが、とりあえずTシャツとアクリルマグネットを買ってみた。
例のギミチョコ缶はまだあったが、さすがにあの値段では手は出ない。
この雰囲気、やっぱりこれだよね。
その後、遠くのホテルにチェックインを済ませ、買ったばかりのTシャツに着替え、身軽になって、再び会場へ赴く。
今回はSEATなので遅い時間に行ったが、会場周辺はメイトさんたちで大渋滞。
完全に並ぶ場所がわからなくなっているが、とりあえず列に並んでみたが、開演予定時刻まで1時間を切っているのに、この長い列では開演時刻はかなり押しそうだ。
しかし、列の長さの割には比較的早く会場内に入ることができた。
割り当てられた席は2階のステージ正面やや右側の最前列(超SEATなので)。
このPIAアリーナの最前列席には着座での鑑賞(!)が求められており、ジャンプをするなんてもってのほか。
座った状態でノる「父兄さん」状態になることが必要だ。
会場のPIAアリーナMMは2階以上のの傾斜が大きくかなり見やすい。
広すぎない適度な大きさのアリーナなので、通常のエンドステージだったが、極端にステージが遠いという感じは受けなかった。
見やすいのはいいが、シート席の傾斜が大きい箱の音は期待できない。
ここも低音がぐるぐる回って音抜けが悪いだろうな。
噂通りシートの幅はかなり狭い。映画館のシートには優に及ばす、電車のベンチシート並みの狭さだ。
超SEATの客の年齢層はかなり高めなのは普通のことだが、自分の隣に座った男性はオッサンというより完全に「おじいちゃん」だった。
ここまで年齢の高いメイトさんは見たことがない。
「おじいちゃん」であるが故に、心の声が「音」となって口から漏れ出てしまっている。
言葉にならない言葉が隣から聞こえてくるので、自分はそうならないよう気をつけよう。
思ったよりも早く15分遅れで開演となった。
いつものように思わせぶりな紙芝居から始まった。
1曲目は「THE LEGEND」だった。
前回の幕張公演「BABYMETAL RETURNS」のラストがこの曲だったから、そこからのつながりだろうかと思っていたが、この曲で始まったこの「BLACK NIGHT」と銘打たれた公演の意味することを後で思い知ることになる。
神バンドは予想どおり西の神。
3年前の幕張公演はDAY1のみ参加だったので、西の神のライブは初めてだ。
アンソニー・バロンのドラムが楽しみ。
何事もなかったかのように3人目はMOMOKO。
衣装も前回の幕張と変わらず、当然マイクは付いていない。
今回のライブ、1日目はBLACK NIGHT、2日目はCLEAR NIGHTというサブタイトルがついている。
これまでBLACK NIGHTという名前がついたライブは2回あり、最初の武道館の2日目と東京ドームの2日目。どちらも1日目はRED NIGHTだった。
今回は1日目がBLACK NIGHTとなっており、2日目は初めてCLEAR NIGHTと名付けられている。この時点で1日目と2日目のセットリストが大幅に異なることは予想された。
本来ならば2日間とも参加すべきパターンだが、そもそも参加できるかどうかわからなかったので1日目のみチケットを押さえた。
BLACK NIGHTとCLEAR NIGHTという名前で、その内容がある程度想像はできたが、これまでのBLACK NIGHTと同様、ハードめの曲多かった。
ただ、ニューアルバムのライブ未公開曲をすべて演奏するとは思わなかった。
後から考えれば、旧体制のBABYMETAL最後のライブであったので、旧体制最後のアルバムの曲は全てこの日までに演奏しておく必要があったのではないか。
新曲はかっこはいいのだが、正直のりにくい。
ライブの定番曲と並べるとその差が際立ってしまう。
アンソニーのドラムは噂どおりのパワードラム。
曲中はずっとバスドラのボディーブローを受け続けている状態で、体調が悪かったら気分が悪くなってしまうレベル。
豪快でいいのだが、やはり少々荒っぽい感じがする。
BABYMETALの御本尊SU-METALは前回の幕張よりはいいものの、やや不安定な印象を受けた。
新曲が多く、バックが久々の西の神ということもあるのかもしれない。
そして、前回だけかと思いきや、またしてもチビメタル登場。今回はKARATE。
向かって右にチビメタル、左に本家BABYMETALという並びだ。
今回は顔がはっきり見える。ボーカルは戸高美湖で間違いない。
アミューズ期待の彼女だけあって、ライブであれだけ歌えれば今の時点では十分だとおもうが、続いて歌った本家BABYMETALのSU-METALはその最初の一声で格の違いを見せつける。
まさに別格。ああ、すっかりこれが当たり前になって普段は気がつかないが、SU-METALと比較されるのは少々かわいそう。
ソニスフィアのMVで聴いたこの声に心打ちぬかれて、今に至るということをこのFOX DAYに改めて思い知る。
ここでも過去を振り返る過去の映像が流れていた。
10yearsのときも過去の映像は使われていたが、今回はYUIMETALの映像が多いような気がする。
意外と淡々とライブは進み、最後の紙芝居。
「全てが終わり、全てが始まる。」
映像で流れた東京ドームのアンコールの場面。3人がお互いに体を互いに抱き寄せて歩くバックショット。
これが本当に大好きだった。
ただ、今ここで見るこの映像には胸が締め付けられる。
今までのBABYMETALは終わり、新しいBABYMETALが誕生するとのアナウンス。
新しいメンバー加入のタイミングは1日目のラストだと思っていたのが、まさか全員総入れ替えと思わせるようなアナウンス。
さすがにそれはないだろうと思ったが、少々緊張して「新生BABYMETAL」のメンバーのコールを待つ。
「VOCAL&DANCE… SU-METAL」
そのアナウンスを聞いてほっとしている自分がいた。
SU-METALのいないBABYMETALはもはやBABYMETALではない。
BABYMETALのCOREなのだから。
続いて「SCREAM&DANCE… MOAMETAL」
会場は歓声と大きな拍手。
BABYMETALのもうひとつのCORE。
BABYMETALの菩薩。メイトもBABYMETAL自身をも救った菩薩なんだ。
そしていよいよ3人目。
「SCREAM&DANCE… MOMOMETAL」
悲鳴のような歓声。その歓声にはメイトたちのいろいろな思いがこもっていた。
予想どおり。これでよかったのだ。
自分が望んでいた新旧METALの引き継ぎの儀式はなかった。
このBLACK NIGHTは今までのBABYMETALの見納め。
明日のCLEAR NIGHTは「新生BABYMETAL」の初ライブとなる。