あまり感傷的になることもなく、大学時代の友人と3年前の幕張ライブの時と同様に酒を飲んだ。
3年前に乃木坂推しということが判明した彼だ。
押しのメンバーとっくにいないはずなのだが、奥さんからドルオタと呼ばれながらも未だに乃木坂を追っているらしい。
軍事マニアらしく「残った兵力で戦っていくしかない」みたいなことといっていたが、たしかに初期のメンバーの方がよかったような気がする。
3年前に勧めておいたBABYMETALのロンドンライブ映像FORUM&ブリングストンの感想が今頃聞けた。
車好きでもある彼は、SU-METALの声をHONDAのVTECに例えていた(もちろんポジティブな意味で)。
いやいや、SU-METALの声はフェラーリの12気筒、いや違うな、広島出身だからマツダの4ローターの方がしっくりくる。
そんな話をしながら、桜木町駅近くの店で飲んでいたが、周りにはメイトさん多かった。
今回もまたちょっと飲み過ぎて、次の日はなかなか起きられず、予定よりも遅い時間の新幹線で地元に戻った。
2日目の情報はもちろんチェック。
やはりCLEAR NIGHTは新生BABYMETALのお祭りだったようだ。
衣装が変わり、MOMOMETALにはついにマイクが付き、髪型も変わった。
セットリストでは「いいね」を演ったは意外だった。生で見たかったな。
予想通りオリジナルの「BABYMETAL DEATH」を披露したが、これも生で聴きたかった。
PITのメイトは狂乱状態だったようだが、これはデロ、映像化待ちだな。
そう、新しいメンバーが入ったことで、封印されていた曲も聴けるようになった。
ただ、何ともいえない寂しさと切なさが残る。
YUIMETALが復帰するはずはないなんてことは理解しているつもりだった。
ただ、「古いBABYMETALは死んだ」と言われ、大好きだったあの完璧なトライアングルが文字どおりの「伝説」となってしまった事実は、なかなか受け入れがたい。
BLACK NIGHTの1曲目「THE LEGEND」の歌詞を改めて読み返してみる。
遠く遠く どこまでも
遠く遠く 続く旅路で
歩き始めた 夢
ずっと泣いて ずっと笑ってた
あの頃の 夢は
変わらない 今でも
奇跡輝き 宇宙を 照らして
It's timeless and spaceless
Beyond the stars
We are THE LEGEND
この曲はYUIMETALがいた頃の古いBABYMETALへのレクイエム。
もう歌われることはないのではないだろうか。
こんな風に思ってしまう原因ははっきりしている。
未だに「水野由結」がアミューズに在籍していることだ。
これが復帰、復活の期待を持たせてしまっていた。
突然表舞台から消えて、グループから脱退して以来全く活動がない状態が5年も続いている。
もう芸能界は引退していると考えるのが自然なのに、なぜか。
おろそらくは大人の事情。
活動はしていなくとも、個人として事務所に所属していることが必要なのだろう。
これがいつまで続くかはわからないBABYMETALが継続する限りなのか、それとも新生BABYMETALが誕生して終わってしまうのか。
個人として活動してくれれば、YMYも成仏できるのに、もはやそれも望めないのだろう。
BLACK NIGHT&CLEAR NIGHTという「死と再生の儀式」を経て、2+1ではない3人の新生BABYMETALが戻ってきた。
正式に3人体制が復活するまで5年以上かかった。
コロナ禍で失われた時間を取り戻すかのように、次々と海外でのライブの予定も発表され、BABYMETALらしい活動が戻ってきた。
ダークサイトを経て、横浜アリーナで「3人」のBABYMETALを見たときのあの高揚感と「BABYMETALは3人でなくてはならない」という確信を思い起こす。
3人となった「新生BABYMETAL」はMETALVERSEのどこを目指すのだろう。