読んでいる小説は、生誕100年で話題の松本清張の『火の路』。
昭和48(1973)年6月から翌年10月まで朝日新聞朝刊に連載された作品で、連載時の原題は『火の回路』。
飛鳥、奈良時代の日本に古代ペルシア文明がかなり影響を与えたと見る歴史研究家の女主人公が、イランを訪ねる物語。
奈良県飛鳥地方には酒船石(さかふねいし)はじめ猿石、益田岩船(ますだのいわふね)といった謎の石造物がある。
清張は飛鳥時代に渡来したペルシア人が遺したものと考え、『火の路』の構想を得たらしい。清張も執筆前イラン取材 を行ったというから、女主人公・高須通子の見解と感想は全て清張が言おうとしたことなのだろう。
先日、私が訪ねた飛鳥の「石神遺跡」は、飛鳥寺と水落遺跡の北に接している。
『火の路』にも登場する「須弥山石」・「石人像」 が、ここから明治時代に掘り出されたことで有名である。
このあたりは飛鳥浄御原宮の候補地となっており、1981年からの調査で、7世紀中頃から8世紀初めの建物跡や溝などがみつかり、隣に時計台がそびえていた斉明天皇の時代には、整然と並ぶ長い建物群、石敷をもつ立派な井戸、石敷広場などがあり、饗宴の施設と考えられているという。
私はこの本を読んで、日本書紀の斉明天皇の条に出てくる「両槻宮」の場所が知りたくなった。
そしてもう一度「益田岩船」を見たいと思った。
大きな謎が1つ残った。
それは、清張はこの小説に(明日香村の隣りの)高取町にある「人頭石」のことを書かなかったのだろうか?
「人頭石」を一目見れば、この石の顔が「ペルシア人」だと思うのに・・・
「写真;飛鳥・石神遺跡」
昭和48(1973)年6月から翌年10月まで朝日新聞朝刊に連載された作品で、連載時の原題は『火の回路』。
飛鳥、奈良時代の日本に古代ペルシア文明がかなり影響を与えたと見る歴史研究家の女主人公が、イランを訪ねる物語。
奈良県飛鳥地方には酒船石(さかふねいし)はじめ猿石、益田岩船(ますだのいわふね)といった謎の石造物がある。
清張は飛鳥時代に渡来したペルシア人が遺したものと考え、『火の路』の構想を得たらしい。清張も執筆前イラン取材 を行ったというから、女主人公・高須通子の見解と感想は全て清張が言おうとしたことなのだろう。
先日、私が訪ねた飛鳥の「石神遺跡」は、飛鳥寺と水落遺跡の北に接している。
『火の路』にも登場する「須弥山石」・「石人像」 が、ここから明治時代に掘り出されたことで有名である。
このあたりは飛鳥浄御原宮の候補地となっており、1981年からの調査で、7世紀中頃から8世紀初めの建物跡や溝などがみつかり、隣に時計台がそびえていた斉明天皇の時代には、整然と並ぶ長い建物群、石敷をもつ立派な井戸、石敷広場などがあり、饗宴の施設と考えられているという。
私はこの本を読んで、日本書紀の斉明天皇の条に出てくる「両槻宮」の場所が知りたくなった。
そしてもう一度「益田岩船」を見たいと思った。
大きな謎が1つ残った。
それは、清張はこの小説に(明日香村の隣りの)高取町にある「人頭石」のことを書かなかったのだろうか?
「人頭石」を一目見れば、この石の顔が「ペルシア人」だと思うのに・・・
「写真;飛鳥・石神遺跡」
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