(写真は奈良・葛城地区南部。
メモリーカードの不手際でカメラは使えず、携帯電話で撮す)
葛城市歴史博物館
久しく 博物館を訪れる。
葛城市歴史博物館は数こそ多くは無いが、私にとって興味深い文様や 初めて見る『鉄滓(てっさい)』などがあった。
『鉄滓』とは鉄・青銅器を作る際にでる鉄くずのこと。
古墳の中から見つかったと記され、驚く。
古墳には鉄など、当時貴重な品として古墳におさめられたことは有名だが、鉄くずまで入れられているとは知らなかった。
私は古墳のことを全く知らない。
寺口忍海古墳を連れていただいた際、葛城市歴史博物館学芸員の神庭先生にこんな話しを聞かせていただいた。
要約を記しておこう。
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寺口忍海古墳では鉄くずが出土。
鉄・青銅器を作る オシミン族の親方の当時の力を示した古墳
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神庭先生には 博物館であらかじめ興味を持っていた『鉄滓』のことを、古墳を前にして ご説明いただいた。
感慨深く、また、感謝の念は深まる。
文様で興味深かったのは、
八弁素弁連華紋軒丸瓦
復弁素弁連華紋軒丸瓦
唐草紋軒平瓦
葡萄唐草紋軒平瓦
など。
これらはいずれもペルシャ文様。
イランの複数遺跡や複数博物館でも 度々見ることができる。
瓦としては他に、鬼瓦などもあった。
当麻寺の漆器は信仰の場にも使用されていたという。
当麻寺といえば、『中将姫一代記』もあった。
これも興味深い。
楕円形埴輪、鰭付円筒埴輪は新庄寺口古墳群から出土したもの。
これらは後には「棺」に転用されたという。
当麻寺の漆器の信仰使用や楕円形埴輪、鰭付円筒埴輪の棺転用など、民俗学の立場から考え遊んでも 誠に興味深い。
焼けこげた置音寺仏頭(ちおんじぶっとう)は、頭部が心なしか長めなのが特徴。
長持形石棺材は兵庫県でとれる「流紋石」だという。
鳥ノ山古墳群から出土された『四獣鏡』はわずか4㎝~5㎝。
小さいながらも美しい。
私は聖獣が好きだが、『四獣鏡』の場合は 中には判断が難しいものもある 動物と認められる柄が、四方に位置する。
『四獣鏡』は今までにも見たが、何度見ても楽しいものだ。
竹内街道接待所の勧進帳を目にしたときには、心が高鳴る。
そういうと四月は歌舞伎チャンネルで松本幸四郎丈の東大寺一〇〇〇回記念の『勧進帳』は早々と放映される。
『勧進帳』とあらば、妄想は尽きない。
竹内街道接待所の勧進帳の展示ケースにも興味深いものが多かったが、時間が足りない。
私は美術館や博物館にいると、心落ち着く。
最後になりましたが、今回『葛城市歴史博物館』に連れて下さった関係者の皆さま、貴重な経験をさせていただきまして、感謝申し上げます。
葛城市歴史博物館学芸員の神庭先生、いろいろと教えていただきました諸先輩方、楽しい時間をともに過ごさせていただきました皆様方に、心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。
葛城市歴史博物館
〒639-2123 奈良県葛城市忍海250番地1
電話 0745-64-1414
FAX 0745-62-1661