今日は八島湿原の広場の整備として、法面の下の歩道にたまった土と植物を取り除いてきれいにしました。
もともとは石を積み上げただけの法面だったはずですが、長い年月の間に石と石の間には土がたまり、ススキなどのイネ科の植物がびっしりと根をおろしていました。草本類の根元を見ると、去年の枯草がたくさんたまっており、その下は半分くらい腐蝕されたような柔らかい土になっています。土がたくさんできたところにはオノエヤナギやウツギの仲間などの木本も定着しており、なんだか遷移の仕組みの見本のようだなー、と思いながら作業をしていました。石の上にもちゃんと土ができていくというのは当たり前ですがすごいことですね。
土といえば、昔の霧ケ峰ではちょっと事情が違いました。牛馬の飼料として採草が毎年行われていたので、夏の間に生産された植物現存量の多くが、秋に霧ケ峰の外へと運ばれていたのです。それは土の材料を取り除いてしまうことになります。その上、取り残された枯草も春に野焼をすることできれいに取り除かれていました。
それとは対照的に現在では毎年毎年大量の枯草がそのまま地面に堆積し、年々土を肥やしているはずです。土壌の構造や栄養状態が変化すれば植生も少しずつ変化するわけで、それを考えると火入れや採草のあるなしによる土壌環境の相違はどのくらいのものになるのか興味深いところです。また、今後の草原管理を考える上でも植物生産物の行方は一つの課題となるでしょう。
とと、話は長くなりましたが、ちょっとした法面なんかからも、自然を見る方法はいろいろとありそうです〈笑〉。ご自宅の近くでもちょっと足を止めて観察してみると楽しいかもしれませんね。
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