八島ビジターセンター

長野県のほぼ中央、霧ヶ峰高原の八島湿原を中心とした地域の最新情報をビジターセンターからお届けします

今日のひとコマ

2007年09月30日 | Weblog
しとしとしとしと。

今朝から降り続ける雨が一日中ビジターセンターの屋根をたたいています。130台分の駐車場も最大で5台ほどしか入らず静かな一日でした。

晩秋をむかえた霧ケ峰。昨日の平均気温は8.7℃。山も街も急に寒くなりましたね。ビジターセンターの中でも冬のセーターがかかせません。

お出かけの際には、しっかりとした防寒具の用意を忘れないようにお願い致します。


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■ホームページhttp://park2.wakwak.com/~vc527000/
■八島湿原の最新情報を発信しています
■インタープリター(自然解説員)によるガイドウォークが好評です!!
■八島湿原にお越しの際は是非お立ち寄りください
■開館 午前9:30~午後4:30分
■TEL 0266-52-7000 (お気軽にお問い合わせください)
■AED設置施設
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ライブカメラで草紅葉をチェック

2007年09月27日 | Weblog
草紅葉について補足情報です。

進行途中の草紅葉は、その日の天候や見る場所によっても多少色づきやその濃さが違って見えます。あまり晴れた日の湿原は全体が白っぽく緑が目立ちますが、曇り空の下ではより個々の色づきが際立つように思います。

また、御射山付近のビーナスラインを走りながら遠くから見る湿原は、今でもおっと思うような赤茶けた感じを発見することがあります。おそらく、遠くから、より水平に湿原を望むため、分散している多種多様な色がまとまって濃くなるのでしょう。

そんなふうに、湿原が完全に染まる前の微妙な日々の変化を楽しむのもまた一興ですよ。八島ビジターセンターのホームページからのリンクで八島湿原のライブカメラの映像をご覧になることができます。八島湿原の草紅葉の進行状況の目安にもなるはずです。

ぜひ、活用してください。


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小さい秋 -- シシウドの種子

2007年09月27日 | Weblog
ひまわりの種をたくさんぶら下げたようなシシウドの種。なかなかきれいです。

今年は、シシウドの魅力を再発見した年でした。花にしても種にしても接写して切りとるとなんか魅力的な絵になるのですよね。以前は図体ばかり大きくて好きではなかったのですが個々の花の繊細さはダントツかもしれません。

さて、秋は春や夏に負けずと五感を使うのが楽しい季節でもあります。春は鳥やカエルの声に耳を傾け、夏は花の香りを楽しむとしたら、秋は様々な自然の実りを触覚を使って確かめてみましょう。

多くの植物の実や種がそれぞれの形や固さで私たちを楽しませてくれます。シシウドの種も上部の平坦な面に手のひらを当てたり顔をうずめてみたり・・・。お試しあれ。


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「草紅葉」情報

2007年09月25日 | Weblog
八島の秋といえば「草紅葉」。湿原では草花がじわじわと茶色く色づいてきました。これから10月が草紅葉の本番です。湿原に生育するミズゴケから周囲の草原の草花まで、それぞれがさまざまな色に染まって湿原を彩ります。

ちなみに、こないだまで八島ヶ池の島では他の紅葉に先駆けて、シツゲンヤマウルシが真っ赤に染まっていました。そのピークは過ぎてしまいましたが、一時は訪れた人が島の上にある赤い花は何ですかと訊ねてしまうほどよく目立っていましたよ。

美しい紅葉の条件の一つは、昼と夜の気温の差が大きいことだそうです。最近は、晴れた日やぱっとしない天気がころころと変わる日々が続いていますが、今年の草紅葉、上手く染まるのでしょうか。


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秋分の日に思うこと

2007年09月23日 | Weblog
霧ケ峰の秋は長い。最近私が実感を伴って感じていることです。春~夏~秋と季節の移り変わりを見てきて、思いのほか「秋」というものの存在感が大きいのに驚いています。

私が松本に住んでいたころは、夏が終わったと思うと急激に寒くなって秋が無いような気がしていたので、これは結構新鮮な感覚です。たぶん平地では残暑が続いたり、10月ころから急に寒くなるせいでしょうね。それに対して霧ケ峰の秋は早く始まって今もゆっくりと流れています。

こういう感覚はやはりひとつの場所に長くいることの特典だなーと思います。「あれくらいの頃から秋を感じ始めて今もまだ秋だ」という感じ――。一度訪れただけでは秋の霧ケ峰へ行ってきた、そしてそれはこんなだった、としか残りません。その場合の秋のイメージはひとつですね。けど、霧ケ峰の秋は実に多様に表情を変えながら深まっていくのです。

そして、その中には、「小さな秋」もたくさん見つかるもの。次回から、そんな秋の断片を少しだけ紹介していきたいと思います。


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ササ

2007年09月20日 | Weblog
今日はササの話。

八島湿原では木道の両脇をササが埋め尽くしている場所があります。このササ、昔に比べてその範囲が拡大しているとか・・・。

ササの群落は枝葉が密集して光を遮ってしまう上に、根でどんどん増えて地下部の空間も独占してしまうので他の植物が育てない環境となってしまいます。お隣の美ヶ原ではその繁殖が大きな問題となっていて、毎年春と秋に大規模な刈り取りを行っています。

しかし、その効果は年によってばらつきがある感じ。

実験では、ある年に効果のあった刈取りが翌年は同じ方法でも効果が上がらずなんてことがあり、ササの生長はその年の気候に左右されるところも大きいようです。

もしササの繁殖を抑えたい場合、現時点では刈取りなどの管理を地道に継続していくことが不可欠で、それもある程度広範囲でやっていかないとすぐ元に戻ってしまうかもしれません。

草刈の経済的な価値が失われてしまっている今日、継続的な草原の維持は決して容易ではない事案です。


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続 自然の力

2007年09月16日 | Weblog
明治神宮の森はほとんどが畑だった場所に植林され、約50年でほぼ自然の状態といえる立派な森林に育ったそうです。

霧ケ峰での50年。そんなことは可能でしょうか。霧ケ峰で草刈りが行われていたのは昭和30年代ころまでと言われています。草刈りをやめてから約50年たった今、霧ケ峰では森林化が問題となってきているものの、まだまだ草原景観が広がっていますよね。もちろん、霧ケ峰と東京では本来の植生も全然違いますし、植林の有無、樹種の違いもあります。しかし、自然に放置された状態でこれだけの長い間草原が維持されているというのはやはり驚きと言えるのではないでしょうか。

明治神宮の森と霧ケ峰の草原。両者の対照的な50年間の履歴は、暖温帯と亜高山帯の気候の違いを明確に示しています。そして、霧ケ峰の草原景観の持続性にとって非常に大切であり基本の一つとなっているのが、この亜高山帯の冷涼な気候なのです。

霧ケ峰の車山山頂で観測された年平均気温は2.5℃。この冷涼な気候の上、強風の影響もあって霧ケ峰では樹木の生長が遅かったり妨げられたりしています。火入れや採草といった過去の歴史だけでなく、それを持続させるだけの気候的条件も加わって現在に続く草原景観があるわけです。霧ケ峰の中でも標高が低く風衝の少ない池のくるみや沢渡などでは森林化の傾向が顕著なのも興味深いもの。もっといえば、本来の自然植生も亜高山帯の針葉樹林に覆われていただけでなく、落葉広葉樹の低木林や疎林、そして(おそらく高標高地では)風衝草地のような閑散とした景観が元々から広がっていたのかもしれません。

・・・ブログなのに話がだらだらと長くなってすみません。簡潔明瞭さが必要ですね(笑)。とにかく、私は明治神宮に行って普段見ている霧ケ峰の自然では考えられないような姿とその歴史にすっかり感心してしまったのです。環境の潜在的な力というのはその気候によって大きく違います。明治神宮の森が100年足らずであれだけ立派に育ったのは暖温帯の気候なくしては考えられません。

そして、世界には熱帯雨林からツンドラまで多種多様な自然環境が存在します。日本の多様な自然を垣間見ると、さらに未知に富む世界の自然はどんなものなのか、なんだかたくさん旅をしたくなる今日この頃です。


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自然の力

2007年09月15日 | Weblog
今日はササのお話をするつもりでしたが、それはちょっとまたの機会にします。

というのも、昨日私は休みだったのでちょっと足を延ばして東京は代々木公園と明治神宮に行ってきました。大学時代、造園の授業で日本庭園や都市公園などのことを少し学び一度見に行きたいと思っていたからなのですが・・・いやはや素晴らしかったです。

何といっても森のスケール。とても人が作ったものとは思えないほど立派な森です。言葉では伝えきれないので行ったことのない方は是非行くことをお勧めします。その見事な完成ぶりに100年前の人々の知恵と自然の潜在能力の高さを強く思い知らされました。

え、霧ケ峰と関係ないって?・・・そんなことはありません。話はこれからです。

その前に、明治神宮の森はどんなものかというと・・・
      ↓    ↓
~明治神宮の林苑。自然の森を目指し、植生遷移まで視野に入れて計画的に造成された照葉樹を主体とした森林。大正9年の鎮座祭から50年後の1970年の調査では、わずか半世紀で自然の状態となっているとして世界的に注目を浴びた。(明治神宮公式ホームページ 他)~

さて、霧ケ峰の遷移と比べてみても、これってすごいことなんです。

続きは明日。よければ見てくださいね。


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サラシナショウマ

2007年09月13日 | Weblog
いったい普段はどこに潜んでいるのか。あるときはヨツバヒヨドリが咲き、あるときはススキの穂が揺れているのとほぼ同じ場所に今月はサラシナショウマの穂がたくさん出ていました。もちろん、他の植物が花を咲かせているときもサラシナショウマはちゃんとそこに生育しているわけですから、なんとも窮屈な世界を想像してしまいますね。

でも、それが半自然草原のいいところ・・・。

限られた空間の中で、草本植物というのは時期や場所を少しずつずらしてうまく住み分けています。霧が峰で植物の地上部現存量の変化を調べた調査によると、6~7月にはニッコウキスゲ・スズラン・チゴユリなどのユリ科植物が最も多いのですが、次第にアキノキリンソウやノコンギクなどのキク科植物が増加し、最後はススキ・ノガリヤスなどのイネ科植物にとって変わる、とされています(学研ハイベスト教科辞典―植物の世界より。)

草原のベースとなる植物はススキなどのイネ科植物なのですが、これらのイネ科植物は成長の出足がおそく春にはまだ十分な葉を広げていないため、同じ場所にたくさんの他の植物が生育できるわけです。確かに、あんなに見事な大群落を形成するニッコウキスゲの草原だって9月にはちゃんとアキノキリンソウやら、ツリガネニンジンやらが見られるのですから不思議ですね。

でも、時には「譲り合いなんかごめんだ!」となかば強引に一年中広範囲を独占してしまう無法者もいるようです。美ヶ原や霧ケ峰の一部ではでは”ササ”がその身勝手な無法者というわけなのですが・・・

次回はそのことについてお話しましょう。


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イワショウブ

2007年09月10日 | Weblog
今年、八島湿原ではイワショウブが大豊作を迎えております。イワショウブは亜高山帯の湿原に生える多年草で、標高1630mの八島湿原はまさに生育適地。八島ヶ池から鬼ヶ泉水の間で、右側の湿原を望むと遠くのほうまでイワショウブが咲き続いているのが見られます。双眼鏡でのぞくと肉眼で見られるそのさらに向こうまで続いていますから、その数は半端ではありません。

今湿原は少しずつ茶色く色づいてきており、その赤茶けた地面にこの無数の白い花はなかなか似合います。おすすめは、曇り空や霧が軽く出ているような時。日差しが強い日は湿原全体の植物が反射してキラキラしているので、白くて小さいイワショウブは目立たないのです。完全な曇天ではなく、時折光が差し込むような薄い霧の時なんかとてもきれいです。

夏のような華やかさとは違いますが、湿原はこれからも十分楽しめます。是非、お出かけください。


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