今年は何度か懲りずに霧の話題をお届けしましたが、それだけ私にとって霧は飽きない魅力の持ち主です。もし、霧ケ峰の魅力を一つ上げなさいと言われたら「霧」と答えてしまうかもしれません。
それは、一つに、霧というよりは気象そのもの、地球環境における気象という現象自体が本質的に興味深い存在であるからだと思います。そして、気象を具現化してくれるのが雲であり、その雲の中にいる時、それは霧になるのです。だから、なにも霧ケ峰が特別なわけじゃない。けれど、街から車で三十分、こんな手軽に気象の動きとか違いというものを肌で感じることができる場所ってそう多くないと思うのです・・・。
例えば今朝、目が覚めると街はうっすらとした霧に包まれていました。もっと早起きすればもっと濃い霧だったのかもしれません。出勤のころになるとそれは靄のようになって明るい光を帯び始めます(写真左)。そして、霧ケ峰に続く道を登りだした途端、車はまるで海底から浮上した潜水艦のように、突然青空の下にさらけ出されたのです。
右の写真はその30分後に霧ケ峰から見た茅野市街方面です。低地全体にうっすらと靄がかかり上空は抜けるような青空でした。ちょうど、八島湿原に霧がたまるように、今朝は諏訪盆地に霧がたまっていたのでしょう。早起きすればきっと素晴らしい雲海が見られたはずです。
慣れてくると、朝起きて空を見上げれば、「今日は霧ケ峰から雲海がきれいかも」とだんだん気がつくようになってきます。そうした予感は、子どものように心をわくわくさせてくれますし、予感が的中したときにはなんともうれしくなります。雲の外と中を行き来している自分を感じるだけでも、それは何倍も楽しくなるのです。
そして、霧ケ峰の中でも天気は実にダイナミックで変化に富み、私たちを驚かせ、楽しませてくれます。この続きは、ぜひ、あなた自身で体験してみてください。
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