切られお富!

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『マッチポイント』 ウディ・アレン 監督

2016-01-29 01:24:50 | アメリカの夜(映画日記)
不倫をめぐって妻のいる男が悪いのか、女が悪いのかって、今旬の話題みたいですが、この映画はまさにそれを運の問題にからませて語った傑作。ウディ・アレンがあんまり好きじゃないわたしでも大いに楽しめました。彼の作品にしては珍しくロンドンが舞台で、ロンドン観光の参考にしてもよいかもしれませんね~。それと、オペラファンにもよいサントラになっています。伝説のオペラ歌手エンリコ・カルーソーの古い音源を使うなんて、この監督らしいこだわりなんじゃないですかね。おすすめ。

テニスプレイヤーの男が引退して、コーチをしているうちに裕福な家庭の娘と付き合うようになるんだけど、娘の兄の色っぽいフィアンセに惹かれてしまう・・・。

というような話なんですが、兄のフィアンセ役のスカーレット・ヨハンソンがなんとも色っぽい魅力を発散しているんですよね。たぶん、このひとのいちばんよい演技かもしれない。ちなみに、最近の仲里依紗って、スカーレット・ヨハンソン意識してるのかなって思うときもありますね~。NHKで今やってる鎌田敏夫脚本の「逃げる女」の役なんか、まさにそんな感じ。

で、この映画の良さって、ウディ・アレンがよくやるおちゃらけっぽいところが少ない点。最後の方の警察がおちゃらけっぽいけど、あとは落ち着いた演出で、あんまり奇をてらっていないところがいい。みんな出てくるのは美男美女なんだけど、普通の人の日常っぽく描いているのがよいんじゃないですかね~。

なお、この映画、『モテキ』や『バクモン』の監督大根仁がツタヤのサイトでお勧め作品に挙げています。

また、オペラと映画という話題でいうなら、『フィッツカラルド』という映画で、主人公が南米ペルーにオペラハウスを建てたいと思うきっかけが、ブラジルで生で聴いたエンリコ・カルーソーの歌声だったということも、思い出してしまいますね。

ということで、個人的にはウディ・アレンの映画で一番くらいに好きかな。今までは、『ボギー、俺も男だ』という、彼が監督していない作品をあげたりしてファンから顰蹙を買っていましたが、演出に徹した作品ではコレですね。なお、彼本人もこの作品が自作で一番好きなんだとか。

ま、不倫問題かまびすしい昨今、おすすめの一本です。


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