切られお富!

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<訃報> 女優 中川梨絵(2016.06.14)

2016-06-15 23:59:59 | アメリカの夜(映画日記)
「にっかつロマンポルノを代表する一本は?」と問われれば、たぶん多くの人があげるであろう『恋人たちは濡れた』。この作品の主演女優が中川梨絵でした。あの媚びない強烈な存在感…。ご冥福をお祈りいたします。

わたしが初めて観たロマンポルノ4本立て(!)の1本が『恋人たちは濡れた』で、ラストの自転車のシーンの強烈なイメージを引きずりながら、家路についたことを覚えています。

映画ファンの中でも、邦画ファン、とりわけロマンポルノも観ている人って、わたしの学生時代ですら少数派で、まあ、話題にするのを敬遠されたものなんですけど、心の中では「映画ファンを気取ってて、宮下順子、絵沢萌子、伊佐山ひろ子、中川梨絵、芹明香、白川和子に出会ってないなんて、お気の毒!」と思っていましたよ。

なにしろ、ポルノという先入観と違って、初期の女優陣の特徴は男に媚びず、個性的で曲があって、強そうなイメージ。なかでも、絶対媚びそうにないのは、伊佐山ひろ子、中川梨絵、芹明香の三強女優って感じでしたから!

さて、本題の中川梨絵ですが、ロマンポルノ出演期間は短いものの、名匠たちの代表作にばかり出ているというのが凄いですね。前述の神代辰巳監督の代表作『恋人たちは濡れた』はもちろん、田中登監督の『(秘)女郎責め地獄』、加藤彰監督の『OL日記メス猫の情事』、藤田敏八監督の『エロスの誘惑』などなど…。

で、彼女の特徴というと、あのギョロッとした目かな~。睨まれたら怖いような…。伊佐山ひろ子だと理性的でおっかなく、中川梨絵だと野性味がある感じというか…。

というわけで、この訃報がきっかけで、スクリーンのなかの彼女が再注目されるといいなあ~と思います。

ちなみに、橋本愛がロマンポルノ好きだって話はちょっと嬉しかったナ。でも、そのせいで離れた男性ファンもいるというんで、そういう男は去って正解だと思います(そういえば、アイドルを滅多刺しにした男って、元は橋本愛のファンだったんだけど、彼女がロマンポルノ好きと聞いてドン引きして、被害者になったアイドルに乗り換えたんだそうです。映画の分からない男は人間もダメなんですね、きっと。)。

なお、中川梨絵が一般作で太地喜和子と共演した『喜劇 女の泣きどころ』(瀬川昌治監督!)がDVDになってないんで、お願いしますよ、松竹さん!

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