切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

『ディア・ドクター』 西川美和 監督

2010-05-02 23:59:59 | アメリカの夜(映画日記)
遅ればせながら観ました。簡単に感想っ。

簡単にいえば、田舎の偽医者の話だけど、キャスティングがよかったんじゃないのかな?ありふれたストーリーなのに、映画はとてもよかったです。

笑福亭鶴瓶、瑛太、余貴美子、井川遥、香川照之、そして八千草薫。

特に凄いのは八千草薫で、鶴瓶演じる偽医者との別れのシーン。望遠レンズのワンカットの芝居に、わたし痺れました!

あいかわらず巧すぎる余貴美子に、鶴瓶は独特の人間臭さ。瑛太と井川遥はこの三人に巧く乗せられて、だいぶ得したような気がします。

ところで、わたしが気になったのは、映画の冒頭。瑛太が自転車で夜道を駆け下りて、白衣を拾うロングショット。

ここの白衣が暗いのに妙に白く映っていたので、蛍光塗料でも塗ってるのかな~なんてあたりが、とても気になってしまったなあ~。

かつて、ヒッチコックが映画『断崖』のなかで、夜、ミルクを妻に運ぶケーリー・グラントの怪しさを出すのに、ミルクのコップに電球を仕込んで白く見せたという伝説がありますよね~。

画面のなかで白く見せるという演出って、たんに白いものを持ってくればよいわけではないわけで、映像感覚が試されるでしょ? どういう仕掛けだったのか、わたしはどうも気になったんだな~。(もっとも、カメラマンのアイデアかもしれないけど。)

因みに、同じ監督の前作『ゆれる』より、断然この作品のほうがわたしは好きです。最後がちょっと救いのあるところもよいし・・・。

それと、この監督って、音楽の好みがちょっと渋いんじゃないかって気も。(映画のはじめで、瑛太が聴いているファンク系?の曲とか。)

というわけで、オススメ。

PS:八千草薫が落語のテープを聴くところが出てくるんだけど、八代目可楽に十代目馬生って、渋い!これは誰の趣味なんだ?

<過去の関連記事>
・『ゆれる』 西川美和 監督
・本日、南足柄で鶴瓶の落語を聴いてました!

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