『椿三十郎』リメイクは是か非か？

ちょっとタイミングがずれたけど、黒澤明の『椿三十郎』が森田芳光監督、織田裕二主演でリメイクというニュースを聞いて、「どうかな？」って思ったのはわたしだけか？『犬神家』に続いて、微妙だな～って思えて。

黒澤明映画　織田裕二主演でリメーク - goo 映画

角川春樹事務所が黒澤プロから、『用心棒』と『椿三十郎』のリメイク化権を三億円で買ったという話だけど（どこまでホントなんでしょう？この金額！）、『リング』のハリウッドリメイク化権が100万ドルだったことを思えば、たいした数字なわけで、さすが「黒澤ブランド」って感じ。でも、黒澤明の映画術を離れたところで「黒澤ブランド」ってものが成り立つのかどうか？（もっとも、監督が同じでも「犬神家」みたいなケースもあるな？！）

わたしは『椿三十郎』って好きな映画ではあるんだけど、映画の冒頭の若侍が謀議しているところに三船敏郎が入ってくるときのはっとした呼吸の演出や画面全体にピントのあったパンフォーカスの絵柄、団令子と入江たか子の親子なんかが好きなので、リメイクにこのよさが受け継がれるかは定かではない。（でも、入江たか子の役を、中村玉緒はありだと思う。）

まあ、現存の監督の中では、一流のテクニシャンではある森田芳光がどう演出するのか、お手並み拝見って感じではありますね。

椿三十郎 東宝 このアイテムの詳細を見る

ＰＳ：どっちかっていうと、以下の本のほうがかなり面白く読めました。海外との契約に関する本としても興味深い。気が向いたら感想書きます。

黒澤明vs.ハリウッド―『トラ・トラ・トラ!』その謎のすべて 文藝春秋 このアイテムの詳細を見る