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お気入俳人の俳句鑑賞します。
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透次第11句集「半夜」50句

2010-07-11 00:00:08 | 透次句集

第1句集「眼光」50句  →第2句集「潟風」50句 →第3句集「起伏」50句 →第4句集「雷光」50句 →第5句集「残光」50句 →第6句集「剥離」50句   →第7句集「接岸」50句   →第8句集「浮游」50句 →第9句集「蒼穹」50句 →第10句集「道界」50句 →第11句集「半夜」50句 →第12句「虚空」50句 →第13句集「暁闇」50句 →第14句集「月命」50句 →第15句集「遠景」50句

〇年を経るにつれて昼よりも夜に目覚めている。真夜中という半夜に。透次第11句集「半夜」。句集名は最終句「半夜には空へと揚がる木下闇」より。その他「一時雨それが時雨となりにけり」「語彙すべて放して死ぬや青嵐」など。

 

〇透次第11句集「半夜」(絵空事出帆社20210620感光)

 

透次第11句集「半夜」50句

 

501肝油缶鳴らして帰る青田道(青田道・晩夏)2020/7/18

502まだ蟬の鳴かざる空の明けにけり(蟬・晩夏)2020/7/25

503あいみょんにしてやられたり紅黄草(紅黄草・晩夏)2020/8/1

504硝子越の竿燈に音なかりけり(竿燈・初秋)2020/8/5

505山の日の山に日沈む日のをはり(山の日・初秋)2020/8/10

506網ほほづき赤橙の身を透かす(網ほほづき・初秋)2020/8/22

507元号の三つを生きて花桔梗(花桔梗・初秋)2020/8/29(2015/8/29の改作)

508黒鍵の音階で鳴く夕かなかな(夕かなかな・初秋)2020/9/5

509二十世紀梨ナイフより齧りとる(梨・三秋)2020/9/12

510三日月へ靴の空箱高く積む(三日月・仲秋)2020/9/19

511秋彼岸茶碗の水位やや古ぶ(秋彼岸・仲秋)2020/9/22

512小望月阿蘭陀積の赤煉瓦(小望月・仲秋)2020/9/30

513寒露飴に亀裂の走る舌の先(寒露・晩秋)2020/10/8

514鰯雲半ドンといふ自由な午後(鰯雲・三秋)2020/10/17

515テナガザル手を鉤にしてブラサガル(無季)2020/10/24

516書の中に他人の栞そぞろ寒(そぞろ寒・晩秋)2020/10/31

517鬼門なる微分積分文化の日(文化の日・晩秋)2020/11/3

518歌声喫茶木枯の新宿に(木枯・初冬)2020/11/14

519検温銃で眉間を撃たれ神の留守(神の留守・初冬)2020/11/21

520一時雨それが時雨となりにけり(時雨・初冬)2020/11/24

521足踏オルガン凩を漕ぎ出して(凩・初冬)2020/12/5

522電柱は金具を纏ひ寒北斗(寒北斗・三冬)2020/12/12

523小さき駅小さき聖樹に充ちたれり(聖樹・仲冬)2020/12/19

524呼びかけず呼びかけられず数ふる日(数へ日・暮)2020/12/26

525横浜の鯨の背中にて待てり(鯨・三冬)2020/12/30

526スキー脱ぎ山裾に差す日暮かな(スキー・晩冬)2021/1/9

527木理にも本流ありて細雪(細雪・晩冬)2021/1/16

528大寒の団地の管を巡る水(大寒・晩冬)2021/1/20

529春隣もう汀まで歩く距離(春隣・晩冬)2021/1/30

530梅林の真中に破れドラム缶(梅林・初春)2021/2/6

531薹のかたちにあちこちの蕗の薹(蕗の薹・初春)2021/2/13

532軍国の模型を萌の色に塗る(萌・初春)2021/2/20

533春漣海のやうなる湖に(春漣・三春)2021/2/27

534下駄箱に下駄一足も無く長閑(長閑・三春)2021/3/6

535卒業の筒の空洞隠し持つ(卒業・仲春)2021/3/13

536草餅に雨城楊枝の添へてある(草餅・仲春)2021/3/20

537迷箸宙に遊んで春の風(春の風・三春)2021/3/27

538残存湖といふ湖も温みたる(水温む・三春)2021/4/3

539打鍵音響かせてゐる花の夜(花の夜・晩春)2021/4/10

540躑躅燃ゆる真下に髑髏埋るらむ(躑躅・晩春)2021/4/17

541夕昏れて菜の花灯り極まれり(菜の花・晩春)2021/4/24

542白詰草の花冠を野に還す(白詰草・晩春)2021/4/29

543葉桜の下加速度の強まりぬ(葉桜・初夏)2021/5/8

544語彙すべて放して死ぬや青嵐(青嵐・三夏)2021/5/15

545小満や針直角に午後三時(小満・初夏)2021/5/21

546金魚群れゐて東南の隅に寄る(金魚・三夏)2021/5/29

547手の甲に雨脚の立つ芒種かな(芒種・仲夏)2021/6/5

548夏雲や水兵believe僕らの船(夏雲・三夏)2021/6/12

549白墨の一本立つや夏燈台(夏燈台・三夏)2021/6/14

550半夜には空へと揚がる木下闇(木下闇・三夏)2021/6/20

(透次第11句集「半夜」50句)


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