VIVIEN住生活総研

住生活ジャーナリストVivienこと藤井繁子が、公私を交えて住まいや暮らしの情報をお届けします!

住団連フォーラム

2006年07月10日 | 住宅業界
社団法人住宅生産団体連合会(住団連)主催の住宅フォーラムが霞ヶ関ビルで行われた。
「日本の住宅事情と住生活基本法」と題し、国交省 住宅局の依田住宅政策課長がご講演。

配られた資料には、日本および各国の住宅事情の数値が、新しい年次のものになっていて重宝。
特に配布頂いた、〔ぎょうせい〕発行の書籍(写真右)
はQ&Aで構成されたデータ集で、分かりやすいhandbookになっている。

住生活基本法の施行を受けて、現在は
計画案についてのパブリックコメントが8/1まで募集されているが
その目標値の中に、従来同様‘面積’はあっても‘天井高(空間の容積)’には触れられていない。
私は以前より、日本の居住空間の貧しさは天井高にあると痛感しており
それが、検討の過程にはあったのかどうか質問してみた。

依田課長のお答えは「先生方からも出なかった訳では無いが、現状の数値が無く
また部屋によって高さが違って、測り難いので目標値化出来ない。」と言う内容であった。
数値設定の方法論はあると思うのだが、欧米と比べて格差があり過ぎ達成できっこないからだろうか。

欧米のアパートメントが古くてもゴージャスなのは、3メートル以上の天井高が作りだす空間の豊さ故。
米国の高級戸建ての天井高は最低12フィート(約3.6メートル)である。

日本のインテリア市場やデザインが育たない理由も、ここに一因がある。
畳座の文化から椅子座の文化に視点が上がっても、家具のサイズが変わっても
天井は低いままの中途半端な和洋折衷の空間に
果たして、住生活基本法が掲げる「豊かな住生活の実現」はやってくるのだろうか?