VIVIEN住生活総研

住生活ジャーナリストVivienこと藤井繁子が、公私を交えて住まいや暮らしの情報をお届けします!

住文協、事例研究①

2006年07月27日 | 住宅業界
住文化研究協議会の研究部会、今年は「私が考える‘上がり’への道」というテーマで
アクティブシニアの住み替えについて、ケース別に事例を見聞きしながら研究活動を行う。

その第一回目は、【郊外戸建から都心マンションへの住み替え】ケースを
実際に行動されたご主人をお迎えして、その経緯や思いをお話頂いた。

実はそのご主人様とは、この住文協のメンバーである鎌田女史のお父上。
かつ、建設省ご出身で現在は(社)日本建築士連合会の専務理事、業界の人でもあり
私も(社)日本ツーバイフォー建築協会にいらした頃から良く存じ上げている方。
               (写真左:親子で撮影させて頂いた!)

前住居と現在のお住まいについて、過去の写真や図面などパワーポイントでご用意頂き
論点も事前まとめて下さっていたので、非常に分かりやすくお話を伺えて
私は、意義ある気づきをいくつか頂けた。

例えば、
●住まいの場所(郊外→都心)や形(戸建→マンション)が変わっても
       ライフスタイル=何をしたいか、は変わらず同じスタイルを愉しんでいる
       ※鎌田家の場合、友人を招いての賑やかな食事や、お庭(バルコニー)でゆっくりお茶をする事。
        ‘何をしたいか’が無いと、住み替えも成功しないのかも。

●「住まいの豊かさ」には実際に住んでいる家だけでなく、
       田舎にある里の家(=心の住まい、と表現された)なども含めた、感じ方がある
       ※日本人は“里帰り=マルチハビテーション”の文化だったんだ!   
        今後、自分の田舎・里が無くなる世代では、
        敢えて別邸等を持つことで、豊かさを担保する欧米型になるのかも。

鎌田氏からは、住文協へ期待する調査活動やメッセージも頂き
また、今年のテーマを考えるのに参考になる文献のご紹介も頂いた。(写真中)


研究部会の後半では、(株)東急住生活研究所が実施した「50代の住意識・男と女」調査結果のご報告を
住文協メンバーでもある、望月所長から発表頂いた。(写真右)

この中に興味深い結果があった・・・

【男性の自然志向】【女性の都会志向】はこの調査でも出ていたが
きっと、50代は専業主婦だった女性が多いので
社会に疲れた男性と、これからエキサイティングに生きたい女性との
ギャップが生まれる世代なのだと思う。

男女雇用機会均等法以降の40歳以下になると、
女性も疲れて男性同様、自然志向になる人も増えるのではなかろうか?
実際、この私は50代男性の回答に近く、早くから自然志向である・・・

またこの調査で、「住みたい憧れの地域」という問いに
男女共【鎌倉・逗子・葉山】エリアが【吉祥寺】【自由が丘】などを突き放し
第一位の人気を集めていたのには驚いた。

この静かな町に、「団塊の世代」が不動産開発者と共に押し寄せるのだけは避けたい気がした・・・