VIVIEN住生活総研

住生活ジャーナリストVivienこと藤井繁子が、公私を交えて住まいや暮らしの情報をお届けします!

JHF理事長に聞くサブプライム問題

2008年03月24日 | 住宅業界
住宅金融支援機構(JHF,旧公庫)と日本不動産ジャーナリスト会議との意見交換会に
島田理事長はじめ三井副理事長、金森理事などが揃ってご出席。 山崎広報グループ長が司会進行(右)。

独立行政法人となって1年、構造改革など合理化を進めるなかサブプライム問題で不透明な事業環境にあるが
その市況の見立てについて島田理事長から「アメリカの住宅金融市場とサブプライム問題」と題してレクチャーを頂く。
島田理事長、欧米の要人と交わした情報なども。
サブプライム問題の構造を各種データと共に解説された島田理事長の見解では、
住宅価格などの市場環境悪化は3-4年続くが、金融システムの問題は今年中に目途が着くと。

サブプライム変動型の延滞率が最悪でも20%、その半分は住宅担保でカバーできるなどの数値から
バブルロスのダメージは米国のGDPからすれば、バブル崩壊当時の日本の1/10くらいのものと。
とは言うものの、2007年に続き2012年にもリセットのタイミングで破産者が増加する可能性もあり信用不安、市場心理は暗い。
公的資金投下の判断に大統領選も絡んで、期待と不安にしばらくは上下するのだろうか。

独法となった公的機関の中で「これだけビジネスモデル自体が変わった法人も無い」と島田理事長がおっしゃるように
直接融資を廃止し証券化支援が事業の柱になった、その事業状況も山崎広報グループ長から報告。

改めて驚いたのは「フラット35」証券化支援事業の全住宅ローン市場におけるシェアは、4%にまで減少している。
民間銀行への市場開放は達成したが民間は短期・変動ローンが多く、この数字を見て先の金利上昇が不安になった。
一方で、証券化支援業務は累積18.7万戸強と(年間5万戸台)その程度の規模で事業採算が合うのかと疑問も・・・
しかし住宅ローン債券(MBS)発行額は累積約8兆円、投資家からの支持は根強いということであった。

買取申請戸数では日本住宅ローンなどのモーゲージバンク24機関が、戸数全体の50.6%と半数を越えたということ。
課題としては、戸建住宅と地方エリアに弱い点。今後、エンドユーザーへの認知、指名を高めるためにもプロモーションも強化している。

後半は懇親会に場を変えて、JHF職員の皆さんも参加して情報交換をさせて頂いた。