啓翁桜の栽培をするのには山形県の気候が一番合っているということで、今では日本一の産地となっている。
「啓翁桜」は、ミザクラ(サクランボ)を台木にヒガンザクラを接いで作り出した桜。
「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」といって桜の枝は剪定せずにそのままの方が良いとされているが、啓翁桜は枝を切っても弱らず切枝用に適している。
そして冬にも満開の桜が楽しめるようにと促成栽培をしている。
どのようにしているかというと、
① 桜は秋になって気温が下がると休眠に入る
② 一定期間冬の低温期を経験した後、気温が上がれば開花できる状態になる
③ その枝を温室に入れると桜は春になったと勘違いして開花する
米沢の駅に飾られていた「啓翁桜」
真冬に山形県に行くとあちこちで啓翁桜を見ることができる。
細い枝にたくさんの小さめの花をつけた桜は、殺風景な北国の冬の風景に華やかさを与えてくれて、何となくホッとした気持ちにさせてくれる。