中ノ沢温泉は古くから湯治場として利用されてきた静かな温泉地で、道路沿いには数件の宿があり、西村屋は母成グリーンラインを行くと一番手前の宿だった。
歴史のある宿なので決して新しい立派な宿ではないが、手入れはきちんとされており、全く問題はなかった。
食事は地元の食材を使用して、工夫されていた。
その時に出された”唐辛子味噌”がおいしかったので、作り方を聞いたら、経営者のお母さんが作っているようで、お土産にと少し持たせてくれた。
このように家族的な、フレンドリーな宿だった。
ここの温泉は強酸性の硫黄泉。
源泉は安達太良山山中から湧いている豊富な温泉で、単一の湧出口での温泉湧出量としては日本一を誇るらしい。
そのため温泉街だけでは消費しきれず、川に大量の温泉を流し続けているほどだとか。
何とももったいない話だと思う。
源泉から中ノ沢温泉までは6~7キロあり、その間にガスが抜かれてちょうど良い温泉となっているらしい。
硫黄臭があり白濁していて、少しピリピリしていたが、湯上がりはさっぱりとしていた。
露天風呂は一度外に出てから入るようになっていた。
源泉掛け流しで、湯口からお湯がドバドバと出ていた。
内風呂の岩風呂
岩風呂と檜風呂があり、男女入れ替え制になっていた。
強酸性は管理が難しいようだ。
金属の配管では1年と持たない。
木製枠で木の管を手作りしてあるが、耐久性のこととか、濃厚な温泉成分のためすぐに管がつまってしまうといった問題があって、特にここは長い距離を引いてきているので、こまめの掃除がかかせないらしい。
良い温泉を維持するためにはそれなりに苦労があるのだなぁと思った。