小さな公園で6月ごろからずっと咲いているのが「ノゲイトウ」。
下から徐々に咲き始め、上部はピンクになって、火をつけたローソクのようになっている。
毎年夏になると咲き始め、秋まで次から次へと咲いている。
ニワトリの赤いトサカのような花を咲かせるケイトウ(鶏頭)の仲間らしいが、こっちの方が原種で、日本には奈良時代の後期に中国から入ってきたらしい。
その時代には『韓藍(からあい)』という名で呼ばれていて、万葉集には四種の歌が残っている。
その中の一首。
『秋さらば 移しもせむと我が蒔(ま)きし 韓藍の花を 誰れか摘みけむ』
---- 秋になったら染め物に使おうと思っていた花を誰が摘んでしまったのだろう(好きだった人は誰のものになってしまったのだろう)----
歌にもあるように、当時、韓藍は染色に使っていたようだ。
ちなみに、藍(あい)には赤い花のものもある。
韓は単に外来のと言う意味らしい。
今では野生化して、野原などでもよく見ることがある。
この花は乾燥に強く、花自体にもあまり水分がなくカサカサしているので、簡単にドライフラワーを作ることができる。
学名:Celosia argentea
英名:Silver cock's comb
別名:セロシア
科名・ 属名:ヒユ科 ケイトウ属(セロシア属)
原産国:アジア、アフリカ、アメリカの熱帯から亜熱帯