9/12(火) 公開中の映画『三度目の殺人』を観てきました。
ちょうど会員ポイントが60Pたまっていたので無料クーポンで鑑賞です
福山主演なので行きましたが、う~ん、私には判りにくい映画でした。
ネタバレOKな方だけ以下どうぞ。
「法廷裁判」を描いた映画です。主なキャストは殺人容疑の被告人が三隅(役所広司)、彼を弁護する弁護士が重盛(福山雅治)、殺された被害者の娘が咲江(広瀬すず)。
映画の中で殺人事件は2度しかおきません。
1度目は30年ほど前、北海道留萌で三隅が起こした殺人事件。このため三隅は30年服役してました。
2度目が三隅が解雇された工場の社長(咲江の父)が殺された事件。三隅が当初自供したため、三隅による犯行として裁判が始まります。
過去にも人を殺しており、今度こそは死刑確定だろうという裁判の流れの中で、どうにかして無期懲役にもって行こうと敏腕弁護士である重盛が呼ばれます。重盛は優秀ですがドライ、裁判に勝てるなら真実はどうでもいいし、交通費を請求出来ないなら留萌まで調査に行かなくてもかまわないと言い切るような弁護士です。
ですが裁判が進むに連れて次々と新しい事実が出てきて、三隅も本当は自分は無実だと自供をくつがえし、事件の真相はどうだったのか何が真実か、全く判らなくなってきます。
映画の中の時間の流れとは違う、夢の中を描いたようなシーンが3回出てきます。
1つは三隅が工場長を殺害するシーン、2つめは咲江が工場長を殺害するシーン、3つめは三隅と重盛と咲江が雪景色の中で雪遊びをして戯れるシーンです。三隅と重盛はガラスを隔てての面会か法廷の場でしか会っていませんし、咲江は足が悪くて雪の中を跳び回るなんて出来ませんから3つ目のシーンは明らかに真実ではない、有り得ないシーンです・・・となると三隅の殺害シーンも咲江の殺害シーンも有り得ないのか、だとしたら真犯人は誰なのか。観てる私自身がどんどんわからなくなってくるし、重盛もどんどんわからなくなってきて咲江が重盛に父親から性的暴行を受けていた事実を伝えたあたりから、裁判の勝ち負けは抜きに事件の真相に近づきたくなってきます。
映画の終盤、ドライでスマートだった重盛が「教えてくれよ、何が真実なんだ」って大声をあげて三隅の胸ぐらを掴むような勢いで熱く問い詰めます。この重盛の変わり様はよくわかったんだけれど。。。
結局「疑わしきは罰せず」のはずだろうに、事件の真相ははっきりしないまま、被告人三隅は無罪を主張したまま、裁判官が『死刑』の判決をくだします。映画のラストまで真実は明らかにされません。咲江が真犯人かも・・・と思わせる描写もあるし、三隅が咲江をかばっているのでは・・・とも思わせます。真実が明らかにされないままにくだされた『死刑判決』が三隅に対する『殺人』で、カウントすると『三度目』ということなんでしょう。
重盛が十字路で何かを深く考えてたたずんでるのがラストシーンでした。十字路は十字架のように見えました。裁きと懺悔?
十字架はラストシーンの他に2回、象徴的に出てきました。1度目は工場長が殺害されて焼かれた遺体の跡が十字架の形になっていて、2度目は三隅が逮捕されることを知って飼っていた鳥かごの中の小鳥を始末するんですが、その小鳥たちを埋めたところが十字架の形になってました。ラストの"裁きと懺悔"とはまた違うような気がして、十字架の象徴の意味はよくわかりませんでした。。。
とにかくいろんなことがはっきりしなくてモヤモヤとスッキリしない感じ。
勝つか負けるか、守れるか守れないか、結ばれるか別れるか----そんなハッキリして判り易い映画の方が好みです。
終わってから「はなまるうどん」でかき揚げつきのおうどんを食べて帰りました。
こちらはわかりやすく美味しかったです。