Blog of 俺 by 俺 for 俺

自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

知られざる兵士たちの生活を描いた『彼らは生きていた』

2020年02月01日 23時45分01秒 | 映画


鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:4/20
衝撃😫:★★★★☆
惨さ😣:★★★★☆
辛み😣:★★★★☆
悲哀😢:★★★★☆

これは、、、すごい。。。
圧倒的にすごすぎる。。。
ドキュメンタリーなので、他の映画との比較はしづらいけど、
もうね、製作背景を知ると開いた口が塞がらないわ。。。

そして、とても社会的意義のある映画だと思った。
辛く悲しく、そして衝撃的ではあるけど、これは人生で一度は観ておいた方がいい。
面白いか面白くないかではなく、人としてこの事実は知っておきたい。

第一次世界大戦の終結から100周年を記念して作られたこの映画は、
とにかく映像の復元にとてつもない手間がかかっている。
なんてったって、元の資料が2200時間以上にも及ぶ白黒のサイレント映像なのだから。

そこから、ごみやノイズを取り除いて綺麗にするだけでなく、
秒間コマ数も現代のものに統一させ、足りない部分は前後のコマに合わせて新たに作成。

モノクロ映像で色がないため、膨大なリサーチのもと、正確な着色処理を実施。
音声記録もないから、イギリスBBCが保存していた
600時間もの退役軍人のインタビュー音源をナレーションの形で挿入。

また、足音や爆撃音などの効果音も加え、
読唇術のプロの協力を仰ぎ、兵士たちが何を話しているかを分析した上で、
その兵士と同じ出身地の役者を起用し、訛りも踏まえて声を当てているのだ。

そして、語られる第一次世界大戦における兵士たちのリアルな日常。
兵士として志願したのは19歳未満の若者が多かったそう。
募集要項は19歳~35歳となっているのに、
日本でいう中学・高校生たちが応募してるんだよね。

辛い訓練を終えると、交代制で第一線に駆り出される。
1クール4日間。
塹壕を進み、命がけで戦う。
仲間と話していたら、相手の顔が吹っ飛んだなんてことはめずらしいことではなかったそう。。。

人によっては手足はなくなり、腸や肺がむき出しなんてことも。
死体は放置で、どんどん腐食していく。
そこにたかるウジ虫やネズミたち。。。

冬になるとブーツを履いた足が凍り付いてブーツが脱げなくなるんだとか。
凍傷で足を切断するなんてこともザラ。

上記の様子が生々しく写真や映像で映し出されている。
そして、そんな目に遭っている人の多くが、まだ未成年の子供たちという事実。

もはや、そのときの状況は我々には想像することしかできない。
いや、想像してもしきれないな。。。
インタビューの声にもあったけど、
「いくら想像しても、いつ命がなくなるかわからない緊張感だけは、絶対に理解できないだろう」と。

意外だったのが、戦闘行為が行われていないときの様子。
そんなの戦争映画ではほとんど映されていないけど、
実際は平穏なときもちょくちょくあったようで、
そんなときはみんな男子校ノリでふざけ合って笑っていたんだ。
「キャンプに来たみたいだ」っていう当事者の声もあって、確かに楽しそうに見えた。

そして、捕虜の扱いにも驚き。
この映画はイギリス側の視点で話が進んでいくんだけど、
ドイツ兵を捕まえたとき、さぞ辛い拷問にかけるんだろなと思いきや、
そんなことはまったくなかった。

むしろ、「ドイツ人は友好的でしっかりしていた」という声しかなく、
イギリス兵と仲良く談話している映像も残されていた。
まるで、スポーツの試合が終わった後のように。
そこで、お互いに「こんな戦争無意味だよね」って言っていたそう。

ああ、、、これは辛い。。。
じゃあ、なんでみんな戦っていたのか。
「そう命令されたから」、ただそれだけなんだ。
みんな軍服を着ているけど、脱げば販売員や理容師など、ごく普通の人たち。
誰も、、、少なくとも現場の兵士たちは、お互いに憎み合ってなんかいなかった。
いつだって、しわ寄せは現場に行く、そんなことをふと思った。
ギャーギャー言ってるのは上だけってね。

でも、一番辛いのは戦争が終結した後の話なんだよね。。。
帰還した後、就職先がなかったんだと。
あれだけ国のために命がけで戦ったのに、誰からも感謝されず、
「元兵隊お断り」っていうところも多かったそうで。。。

「事実は小説よりも奇なり」なんて言葉があるけれど、
普通の戦争映画じゃわからないことがここにはたくさんあった。

今さら感×現実感=『AI崩壊』

2020年02月01日 00時27分25秒 | 映画


鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:19/19
スリル😱:★★★☆☆
 興奮🤩:★★☆☆☆
 驚き😳:★★☆☆☆

うーん。。。
AIという言葉が広まりつつある
このタイミングだからこその映画だとは思うんだけど、、、
だいぶ今さら感。。。
それに加えて、現実感が強すぎて夢がない。。。
途中から、ただの刑事モノになってたし(笑)

話としては、もうタイトルそのまんまなんだけど、
桐生浩介(大沢たかお)が開発した医療AI“のぞみ”が突如暴走を始め、
国中が大混乱に陥り、さらに、その容疑が桐生本人にかけられてしまって
逃走劇が始まるというもの。

AIが暴走したら、、、って設定はすでに1984年に『ターミネーター』で観ていたし、
逃走する桐生はネットにつながるあらゆるデバイスから探知可能というのも、
2008年に『イーグル・アイ』で同じようなシチュエーションを観ていたから、
設定はその2つを足して2で割り、さらにスケールをだいぶ小さくしたかなという印象。

昔だったら、その設定だけでSF感あったけど、
今となっては割と実現しそうな感じもあるから、
もはやSF映画で味わうようなドキドキ感は一切なく、
「まあ、そうだよね」っていう淡々とした感想しか持てない。。。
(ただ、誰もが想像するであろうことをうまく形にできたという点ではよかったのかも?)

むしろ、現実感が持てるからこそ邦画で実現できた気もする。
それってつまり、邦画ではこういうアクション性や近未来感のある
シリアスなSF映画は作りづらい気がしていて、
現実に起こりそうなことをいかにドラマチックにしていくかってことに寄ってる気がするから。

もちろん市場の大きさもあるんだろうけど、
アメリカみたいにいろんな人種、言語、文化がある国は、
とにかく「画で魅せる」ことが大事だと思ってて、
それはまさに百聞は一見にしかずというか、
言葉や文化が違っても派手で煌びやかな映像なら
みんなわかるだろうってのがあると思うんだよね。

一方、単一民族の日本はそんな派手な映像にこだわらなくてもみんなに伝わるから、
他の例えば“間”とかセリフの言い方とか、
別のところにこだわりがあるのではないかと思ってる。
だから、派手な映像が好ましい夢のある設定の映画は少なく、
現実路線になったのではないかと。
実写映画はね。アニメや特撮は昔から夢がある内容だけど。

まあ、あくまでもイメージから生まれた持論なので、
文化人類学的にはまったく違うかもしれない(笑)

そんな感じで、この映画はAIってのを最近知りましたっていう人にはいいかもしれないけど、
昔からハリウッドのSFやファンタジー映画に慣れ親しんだ人からしたら、
だいぶ物足りない映画かなと思います。
これを観ると『アイアンマン』のジャーヴィスがいかに優れているかがわかる。。。

なお、主題歌がAI(えーあい)だけに、AI(あい)なのはちょっと笑ったw

ゲロがリアルな『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』

2020年02月01日 00時03分32秒 | 映画


鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:10/18
スリル😱:★★★☆☆
 笑い😂:★★☆☆☆
 ゲロ🤮:★★★★☆

ジェームズ・ボンド、キャプテン・アメリカ、ヨーダが夢の共演。
さらに、クリストファー・プラマーも出てる。
(この人が『サウンド・オブ・ミュージック』の
 トラップ大佐だと気づいたのはついこの前だけど)

昨日観た『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』と同ジャンルなものの、
こっちの方がちょっと笑えるのとキャストが豪華なので好き。
しかも、続編も決まってる模様。

話としては、偉大な小説家で莫大な財産を築いたハーラン・スロンビー(クリストファー・プラマー)が、
自身の85歳のバースデーパーティーの翌朝に遺体で発見されるから、
探偵のダニエル・クレイグが真犯人を見つけようってもの。

誰が探偵に調査を依頼したのかがわからないまま、
保身のためにウソをつく遺族たちと、
着実に事実をかき集める探偵の攻防が滑稽です。

探偵が調査を進めるという点で、オーソドックスなミステリー映画ではあるんだけど、
本作が面白いのは、やっぱり被害者の死に至る真相が
悲しさとやるせなさに満ちてるところかなーと思います。
物語の性質上、それしか言えないけど、グッときました。

そして、ゲロがリアルwww
最近気づいたけど、洋画ってけっこうしっかり吐くんだよね。
邦画だとフリで終わることが多いけど、洋画はちゃんとゲロしてる。
液状なものと固形なものが混じってて。
いけど、そういうリアルなところ、嫌いじゃない(笑)

あと、この映画はキャストにまつわる小ネタも個人的には刺さる。
まず、クリス・エヴァンス。
キャプテン・アメリカのイメージが強いけど、
今回まったく違う役どころだから新鮮。

次に、キャサリン・ラングフォード。
彼女、本当はアベンジャーズ/エンドゲーム』で
成長したトニー・スタークの娘役で出る予定で、
撮影も済んでいたそうだけど、
ストーリーをよりよくするためにそこはカットされてしまったそう。
だから、この映画には‪アベンジャーズ‬に
ゆかりのある人が2人も出ていることになる。

そして、アナ・デ・アルマス。
彼女は『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』にも出るそうなので、
ダニエル・クレイグとまたいっしょってことだね!

昨日と立て続けに「全員容疑者」的なミステリー映画観たけど、
どちらもそれぞれのよさがあって面白かった。

公式サイト