鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:21/33
狂気🤯:★★★★★
汚い🤮:★★★★☆
グロ🤮:★★★★☆
あー、これ、アカンやつですな。。。
孤独と哀愁を漂わせながら、
歪んだ性癖と狂気に満ちた世界への誘い。。。
実在したドイツの殺人鬼フリッツ・ホンカの映画です。
フリッツ(ヨナス・ダスラー)は夜な夜なバーに出向いて女を漁るも、
不細工すぎてほとんど相手にされず。
それでもなんとか捕まえた娼婦を持ち帰り、
犯し、殺し、バラバラに切断するというマジでやべえ内容。
これが実話というのだから信じられないのだけど、
この映画で印象的なのは「画のグロさ」と「フリッツの孤独」です。
彼の訪れるバーが謎でさ、ジジイとババアしかいないのさ。
んで、見た目的には50代かな、それぐらいの飲んだくれの肉の塊のような
高齢の娼婦たちを口説いて持ち帰って犯すのだけど、
言うことを聞かないと、すぐ殴ったり、ビンで顔面砕いたり、
ハサミで切り刻んだりするから、血も絶えないんだよね。。。
汚い言葉を使ってしまうけど、
ブ男とデブババアがヤリまくるスプラッター映画なので、
本当に画がグロい、汚い(笑)
「人のセックスを笑うな」とは言うけど、
これは笑うどころか目を背けたくなるね。。。
ただ、それをモザイクなしでなんの惜しげもなくみんな裸体を晒すから、
ものすごくリアリティはあるんだよ
(『ミッドサマー』もそうだったけど、最近モザイクかけないの流行りなのかな。。)
ある意味、人間らしいと思うし、むしろ感情が一定ラインを超え、
本能に忠実に従ったら、本来人間とは汚いものなのかもしれないとさえ思う。
で、本編では語られないのだけど、
なんでこんな高齢の娼婦ばかり狙うのかというと、
彼の性癖が理由らしいんだよね。
フリッツ自身はセックスよりもフェラを好んでいたようなんだけど、
下手をすれば性器を噛まれるという恐怖もあった。
さらに、彼は自分より背の低い女性が好みだったようで、
自身の165cmより低い人で歯のない女性だと、
50歳以上の娼婦しかいなかったのだそうだ
(なお、1970年代当時のドイツ人女性の平均身長は168cm)。
彼がこんな狂気に満ちた形になってしまったのは、
幼い頃の家庭環境や自身の離婚が要因になっていると言われているけど、
自分ではどうしようもないことのせいで人格が歪んでしまい、
結果殺人を犯してしまうのだから、
ある意味彼も被害者というか、
常に孤独や寂しさとの戦いだったのかもなーと考えると、
少し可哀想にも思える。
そんなフリッツを演じたのはヨナス・ダスラーという俳優で、
23歳のイケメンが特殊メイクで醜い40代のおっさんに変身しているのがすごい。
(『テセウスの船』の老け顔メイクは見習うべき(笑))
さらに、監督は36歳にして世界三大映画祭すべてで賞を獲得した
ファティ・アキンという才能の塊のような方です。
個人的には、リアリティある画の汚さや
フリッツ・ホンカの狂気に満ちた人格が魅力だとは思うものの、
かなりホラーやスプラッターな感じなので、
相当好き嫌いは分かれるかなー(笑)