憂生’s/白蛇

あれやこれやと・・・

笑う女・・12

2022-08-19 20:55:23 | 笑う女

俺の胸の中で、この時は確かに
『ココを辞める』
そう決めていたはずだった。

此処は7月に賞与が支給される。
それをもらったら、
俺は此処を辞めよう。
そう決めて・・・
何事も無かったように職場に入った。
さいわいなことに、俺はメインで笑子の世話を
する立場じゃない。
江崎が公休の時の代打になるわけだが、
それも、徳山と分割される。
だが・・・・。
やはり、順番というものは回ってきて・・・
俺の宿直当番と
江崎の公休が重なった。
笑子の父親は笑子を施設に放り込んだまま、
マトモに面会にも来ないうしろめたさを
拭うためか、
笑子に個室を与えるように支持して来ていた。
それが、結局
江崎の恣意を容易にこなす手伝いになるともしらず・・・。
そして、また・・・。
俺の意志に逆らう逆賊的なフェロモンに誘淫されることを
許す環境でもあった。
笑子の個室のドアをあけると
笑子は笑ったままの顔で俺を見つけ
手を持ち上げ始めた。
あげた手はすとんと力なく落ちるが
笑子は俺を見ながら再び手を上げる。
空中遊泳の手が何度も落ちてゆく。
黙って見つめていた笑子は
突然・・・
鼻にかかった咆哮をあげる。
催促だ・・・。
笑子の催促だ。
抱いてくれと笑子は俺を誘っていた。
俺は・・・
此処をやめる・・・。
江崎も・・・
徳山も
笑子への悪戯が露見すれば、
此処に居られなくなる・・・。
そうなったら?
甘い唸り声で俺を誘う笑子は・・・
どうなる?
俺は俺の頭の中に沸き起こった理解と
笑子の媚態を見比べる。
江崎がボランテイアだといった
その気持ちが突然、俺を包んだといっていい。
笑子は唯一の楽しみをなくす危険性を知らず
必死で咆哮をあげる。
抱いてくれ。
抱いてくれ。
と、無邪気に要求する。
あまりに邪気がなさすぎて・・・。
ゆえにいっそう、
そんなものを欲しがる笑子が憐れに成る。
俺が居なくなったら・・・。
笑子は自分を抱いてくれる存在をひとつなくす。
『ちょっと・・だけだぞ・・』
笑子の尿パッドを外し
陰部を清拭して、俺の指が
笑子の中にはいってゆく。
願いが聞き届けられはじめた笑子の満足そうな唸り声を
聞きながら
俺のこの思いは
確かに、
江崎のいうとおり
確かに
ボランテイアだと・・・思った。
だが・・・。
笑子の身体は俺の指一つに
奉仕作業と呼ぶにふさわしくない反応を見せてゆく。
そっと、動かさずに笑子の膣内に差し込んだ指は
俺のうしろめたさだろう。
その指をうごかしてやって、
始めて笑子へのボランテイアになりえるのだが、
俺は動かしてゆくにためらう思いを払拭する何かを
探していた。
だが、その何かは笑子から授けられてきた。
俺の指をすするように
笑子の膣内が蠢き
俺の指を笑子の肉がしゃぶる。
与えられる以上に求めようとする
貪欲な欲求が
笑子の内部を蠢かせていた。
『笑子・・・?』
俺は・・・
もう、笑子に答えてやっているためか
自分がやりたいがためにやっているのか・・・・?
そんなことなんかもう、どうでもよくなる
衝動にひきずられ、
俺の下着をひきずりおろして、
ベッドの端に笑子の下半身をひっぱると、
ただの男と女・・・
欲情の雌雄が繰り広げる痴態にのめりこんで行った。

 



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