憂生’s/白蛇

あれやこれやと・・・

竈の神・・・4

2022-11-12 19:15:57 | 竈の神  白蛇抄第18話

誰の、てはずか、

ひのえが、表の気配に、でてみれば

そこに居たのは法祥だった。

白銅の手招きに応じて

ずいっと、中に入ってくる。

どうやら、

伝え事が有ると、見えた。

「息災か」

白銅に問われ、頭を下げると、

いきなり、話し始めた。

都で、その日暮らしのもの達をあつめ

働き手を求める者に、口を利く。

いわゆる口入屋と、いって良いのだが

口入れの利鞘を多くとらない代わりに

働き手の駄賃をはずめ。と、いう。

口伝えに、噂が広がると

口入屋に斡旋をたのむ両方が、押し寄せ

あっと、いうまに、口入屋は

ひと財産作り上げてしまった。

その口入屋を、かいま見た法祥だった。

「あれは・・・犬神のようなものが、憑いています」

犬神のようなものとしか、判らないくらいの

法祥の法力では、どうにもならない、と、判る。

仮に犬神であったとして

口入屋から、犬神をしりぞけたところで

一族に憑く、と、聞いたことが有る。

口入屋から、その兄弟 その血筋に

憑く相手がかわるだけである。

「今は、富ませるだけ、富ませて・・」

己の才覚と思わせておいて、

そこをひっくり返す。

まっさかさまに、貧の貧におちこませる。

窮地に祟り目、弱り目が、並び来る。

知らぬうちに、犬神に寄りかかる事になる。

なんとかならぬか・・・

と、知らぬうちに、神頼みの心根になる。

犬神は、その心の隙に入り込む。

口入屋は、己のあずかり知らぬところで

犬神と口入屋の絆が出来上がってしまう。

「その後は・・」

法祥の言葉を、白銅とひのえが遮った。

「あ・・・」

言霊になる。

それを、とめられたと、法祥もすぐに察した。

「親身に思うほど、言霊は、発動します」

ひのえのいさめは、優しく、厳しい。

親身に思うからこそ、先読みをいってしまう。

言ってしまえば、誠がのっているため、いっそう

それが、発動する。

言葉を発するに、感情のままは、危うい。

法祥は頭を垂れた。

「どうしてやれば、良いか、わかりません」

法祥の思いは

また、白銅とひのえの思いそのままでもあった。



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