(一部脚色しています)
おいらの友人の一人に、柴田クンがいる。
若いころは、柴田恭兵似でずいぶんとモテたものだ。
それでも、実際に付き合ったのはK子ちゃんとM子ちゃんだけだと思う。
そして、最終的にM子ちゃんと結婚し、K子ちゃんは失意のまま地元の九州に帰ったのだった。
それはもう、40数年も前の話だ。
そんな柴田クンは昨年暮れに奥さんであるM子ちゃんと死に別れてしまった。
そこで起こったこととは。
◆なんと柴田クンはすでに女性と同居しているという
K子ちゃんは、こちらに住む友人を通して40数年間ずっと柴田クンの情報を得ていたそうだ。
離婚しそうではないかとか、子供は生まれたのかとか、どんな生活をしているかなどだ。
そして、奥さんであるM子ちゃんが亡くなったことを知り、柴田クンの前に姿を現わしたのだ。
柴田クンは、それらを瞬時に察した。
と同時に、自分の残り人生をかけて守るべく存在だと思ったのだ。
ボクは、今でもM子を愛してる、でもM子はもう死んじゃったんだ。
周囲からは、批判されるかもしれない。
K子ちゃんが良ければ、これから一緒に住まないか。
そして仏壇のM子に一緒に線香を手向けて手を合わせてほしい。
K子ちゃんは、即答したという。
うんそれでいいよ、だって死んじゃった人に嫉妬してもしょうがないから。
私は、柴田クンと暮らせるだけで幸せだから。
どちらかが先に死ねば、またM子ちゃんにお返しするからね。
男性側には身の回りの世話のメリットはたしかにあるし、女性側も経済的安定が得られる。
でもそうではなく、柴田クンはその生涯にわたって、二人の女性を愛しぬくことを決心したのだと思う。