紀元前4世紀の中国の荘子によるそうだが、こんな言葉があるんですね。
管を用いて天をうかがい、錐を用いて地を指すなり。
これは、細い管からどれだけ天を眺めても大空の大きさはわからないし、錐を地面に突きさしても大地の深さは測れないということで、
どれだけ知識を蓄えた気になっていても、世の中の森羅万象全てに通ずることはできないという意味のようだ。
井の中の蛙に似たような意味合いなのかな。
◆どぶの中で遊んでいたい
そんな荘子は、有能さが知られ、国王から財宝を与えられて臣下となることを求められたそうだ。
だが彼は、郊外のいけにえになる牛は、長年美食で養われて錦繍で飾られるが、挙句の果てには祭壇に引かれていく。
その時になって、ああそんな牛であるよりも、野放しの豚でありたいと思っても手遅れだ。
私は自由を縛られるよりも、どぶの中で遊んでいたい、と述べて固辞したという。
→自身がまだ世に出る前だと思っている人も、スポットライトの当たる場から遠ざけられた人も、
こんな負け惜しみを言ってみるのも精神安定上いいかもしれませんね。