2020年2月16日<2>
子浦港での釣りを終え、今回のプチ旅は早くも帰路へ。時間の経つのが早過ぎて困る。雨の中、子浦のバス停で11時36分発の下田駅行きを待つ。
しかし伊浜と言い子浦と言い、南伊豆のこのエリアは人が少なく景色がきれいで本当にいい所。こんな場所で暮らせたら、と真面目に思ってしまう。
11時36分発の東海バス到着。この時点で乗客は自分一人。下田駅に向けて絶景路線を進む。
あいにくの雨ながら、沿道の河津桜はそれでもきれい。今まであまり河津桜を意識してなかったけど、こんなきれいな景色を見せられては河津桜のポテンシャルを感じずにはいられず。河津あたりの東伊豆は花見客で人だらけなので、河津桜をゆっくり楽しむには南伊豆がいいかも。
下賀茂付近で青野川を渡る。川沿いは河津桜並木。ここの河津桜が本当にきれい。晴れていればよりいっそうの絶景だったろうけど、晴れを望めば高確率で雨が降る雨男の本領発揮。
河津桜のあとは日野(ひんの)の菜の花。鮮やかな黄色が車窓に広がる。昨日のバスは窓が汚れてて写真撮るのが難しかったけど、今日は雨の水滴に難儀。
12時26分、終点伊豆急下田駅に到着。子浦から50分、絶景路線バスの旅終了。南伊豆フリー乗車券なのでこの区間の運賃はかからず。
駅前の東急ストアでビールとつまみを購入し駅へ。これから乗るのは「踊り子108号」東京行き。
来る3月ダイヤ改正でE257系に置き換えられると予想された185系。しかしふたを開けてみると、どうやら置き換えられるのは「スーパービュー踊り子」の251系で、185系については存続する模様。まだしばらく国鉄型特急の走りを堪能できそうでこれはこれで嬉しいけど、「E257系を順次投入」と発表されているので、2021年のダイヤ改正を待たず2020年度中に置き換えが進むかもしれない。
留置線に251系の姿が見えたので、乗車前にちょっと寄り道。伊豆急下田の留置線に並ぶ185系と251系。学生時代から当たり前のように眺めてきたこの光景もいよいよ見納めか。
1番線に戻り、今度は185系を鑑賞。やっぱりこの大きなヘッドマークが付いたかっこいい「顔」がたまらない。今の車両には無い味わい。
国鉄書体の幕式方向幕も絶滅寸前。昭和世代の自分にはLEDよりもこちらの方がしっくりくる。
発車時刻が迫り、自分は指定席の3号車に乗車。車内は国鉄車特有の匂い、うーん、たまらん。
定刻13時3分、伊豆急下田を発車。車内は空いていてのどか。この先はじゃんじゃん乗ってくるんだろうけど。
さっそくビールタイム。きれいな車窓を眺めながら飲むビールは格別。
高架駅の蓮台寺に到着。山の麓に咲く河津桜がまたきれい。それにしても、山の中腹を切り開いたかのような場所に佇む一軒家が気になる。
伊豆急の主力、8000系普通列車と交換。単線ながら結構な運転本数の伊豆急行は列車行き違いが頻繁。
今回使用のきっぷ。南伊豆フリー乗車券は自分的にはすごく重宝するも、このきっぷの発売期間は2021年3月29日までとなっていてあと約1年。その後はどうなるのか?今後も発売してくれるよう、帰宅後にアンケートでお願いしておいた。
長いトンネルを抜け、列車は河津に到着。河津川の河津桜が今日もきれい。雨だというのに結構な人出。昨日の河津駅は人の数がすごかったから今日はどうなるかと思ったものの、昨日程ではなかった。とは言えかなりの人数が乗車。
下り「踊り子109号」と交換。長らく見てきたから、やはり伊豆路には185系が似合うと思ってしまう。先行投入されるE257系に3本ストライプが継承されないかと密かに期待してたけど、残念ながら3本ストライプではなく横に長く青いラインの構成。しかしこれはこれで伊豆の海に似合いそう。
伊豆稲取からはオーシャンビュー。しかし、やはりこの雨で海は映えず。伊豆諸島の姿も無し。
まあしかし、たまにはこういう雨の海という車窓もいいのではないか、と自分に言い聞かせる。雨男だし。
片瀬白田で再び8000系普通列車と交換。思えばこの車両も元東急で、登場当初は伊豆急の景色に馴染むんだろうか?なんて思っていたけど、今は全く。E257系も最初は違和感あるかもしれないけど、慣れの問題か。
13時43分、伊豆高原到着。下り「踊り子111号」と交換。8000系に続き185系の先頭ドアップ。狙った訳ではないけど、行き合い列車鑑賞にはなかなかいい席だった。
伊豆高原車両区に並ぶロイヤルエクスプレスとキンメ電車。ロイヤルエクスプレスはいよいよ今夏ツアーで北海道を走ることが決定。寝台列車ではないので夜は走らず乗客はホテル泊まりとのこと。まあ自分には無縁だけど、今後の発展が楽しみな企画。
14時03分、伊東に到着。乗客が一気に増えてほぼ満席に。向かいに停まっているのは試運転中と思われる「サフィール踊り子」のE261系。いよいよ3月ダイヤ改正でデビュー。全車グリーン車(一部プレミアムグリーン)ながらクルトレとは違って、一庶民の自分でもたまには乗れそうな値段。何と言っても昔の食堂車やビュッフェを思わせるカフェテリア連結が魅力。ジョッキではないけどビールも飲めるようだし。
列車は伊東線へ。来宮では251系「スーパービュー踊り子7号」と交換。「スーパービュー」は列車名も無くなってしまうから、ラストランは結構な賑わいになるかも。毎度おなじみの悪いニュースとして出るような事態にならないといいけど。
14時27分、熱海到着。黒船電車と共に映る向かいのJR東海211系は浜松行きのロングラン。しかし車内はロングシート。在来線で東海道を行く場合の試練となる静岡エリアロングシート苦行。これが嫌なので自分は熱海以西の静岡県内東海道本線に乗ることは無く「サンライズ」で通るくらい。仕事でたまに乗る時も「つまらないな~」と寝て過ごしている。
列車は東海道本線に入り、小田原を出るとモーター音を唸らせて爆走開始。あ~いい音。
ふと窓の下を見ると、昔懐かしい窓ロック。昔は私鉄を含め多くの列車に付いていたこの窓ロック、これも今では絶滅寸前。非冷房車では窓を開けないと暑くて耐えられなかった。トンネルに出入りする度に開けたり閉めたりしていたのも良い思い出。
列車は東海道をひた走り、早くも高輪ゲートウェイ駅となる辺りを通過。現実復帰感が増幅してきた。
終着放送が終わると、東京駅が見えてきた。伊豆急下田から2時間46分、いつも思うけどあっと言う間。そして休日が終わるのもあっと言う間。本当にこの休日の時間の速さはどうにかならないのだろうか。
定刻15時49分、終点東京到着。E259系&185系で行く伊豆のプチ旅終了。あっと言う間だったけど楽しかった。河津桜と菜の花と美味しい海の幸が忘れられない。
今年どの程度E257系への置き換えが進むかはわからないけど、まだしばらくは走ってくれそうとわかった185系。国鉄車のモーター音を堪能できるのも残りそう長くはなさそう。また乗りに来れることを願って東京駅をあとにする。
また明日から会社か…。