2013年11月21日
午前8時起床。よく寝た。弘前での現実逃避生活も今日が最終日。
かすかに虹。
岩木山や温泉など、弘前は本当にいいところ。
ぜひまた来たいけど、「あけぼの」が本当に廃止されてしまったら、果たして来る気になるかどうか。
朝風呂に入り午前10時30分、「ホテルドーミーイン弘前」をチェックアウト。
弘前のドーミーインも実に快適だった。弘前駅から離れているけど、無料送迎があるので鉄道でもラクラク。
無料送迎はこちらから。
今日の最初の行き先は大館。目的は大館名物きりたんぽ鍋。
きりたんぽ鍋と言えば「昔のきりたんぽや」さん。店主が療養されていたとのことでしばらく休業だったけど、
このほど営業を再開されたとのこと。久々にあのきりたんぽ鍋が食べられる。
普通秋田行きに乗車し大館を目指す。奥羽本線は紅葉の矢立峠を越えていく。
しかし今さらながら、このきれいな風景の中を走る奥羽線がなぜロングシートなのか？
「普通列車は通勤・通学専用」とでも言わんばかり。
「ブルトレ全廃」の新聞報道といい、鉄道をただの移動手段に成り下がらせようとしている。
701系ロングシートの普通列車は大館に到着。大館の街に来るのも本当に久々。
「田沢湖・十和田湖ゾーン」の周遊きっぷや「秋田・大館フリーきっぷ」があった頃はよく来てたな～。
今やこのエリアのフリーきっぷは完全に切り捨てられた。もうあの時代には戻らないのだろうか。
大館駅から徒歩約20分。「昔のきりたんぽや」さんに到着。
店内も変わっていない。昔のまま。さっそくきりたんぽ鍋と、人目も気にせずビールを注文。
ビールの無いきりたんぽ鍋は有り得ない。まずは「いぶりがっこ・とんぶり・酢の物」の前菜。
これがまた美味い。
続いてきりたんぽ鍋登場！
昔と変わらない。
味も変わらない。相変わらずの美味さ。
香ばしくてもちもちしたきりたんぽに比内地鶏、そしてきのこに野菜。
どれをとっても本当に美味い。食べて無くなっていくのが惜しく感じる。
一心不乱に食べ終えて、汁まで飲み干し大満足。またこの味に辿り着けて感無量。
現在は月曜定休ながらも急遽休みとなる日があるそうで、なるべく予約して行った方が無難とのこと。
満腹で大館駅に戻り、今度は浪岡を目指す。
「つがる3号」で弘前へ向かう。
乗車すると、大館駅発車メロディの「きりたんぽ物語」が聞こえてきた。これを聞くのも久々。
大館に来た実感が湧く。ちょっともの寂しい調子だけど、実にいいメロディ。
弘前で普通列車に乗換え。
初めて来た浪岡。ここから徒歩5分程の所に温泉がある。
虹が出現。
今回はよく虹を見かけるな～。雨だったり急に晴れたりと不安定な天気の副産物。
虹を見ながら5分程歩いて温泉に到着。
浪岡駅前温泉。
普通の銭湯の外観ながら、中は源泉掛け流し黒湯の本格的温泉。
昔ながらの番頭で料金を支払い、浴室へ。本当に黒湯だ。泉質は低張性ながら「ナトリウム－塩化物泉」。
いい匂いがする。塩素臭まったくなし。本物の掛け流し温泉。
こんな温泉が駅前にあるとは、浪岡町民がうらやましい。
外気が入らないのであまり長湯はできなかったけど、それでも無理矢理1時間入って満喫。
ちょっとのぼせ気味。
＜浪岡駅前温泉＞★★★★☆
泉質：A 眺め：C 癒し：B コスパ：A 銭湯設備ながら本物の良質な温泉。
入浴料何と300円。おまけに「貸タオル無料」と書いてあった。シャンプー・石鹸備え付け無し。
温泉を出て夕暮れの中を浪岡駅に向かう。これから「あけぼの」に乗って帰路へ。
やっぱり3日間だとあっと言う間だな～。しかし11月の平日は人が少なくて良かった。
18時過ぎに弘前到着。食料・ビールの買い出しを済ませ「あけぼの」を待つ。
そして「ピーッ」という汽笛と共にEF81「あけぼの」が登場。
4分遅れで到着（写真は失敗）。
6号車ソロ乗車と同時に発車。とにかく運行されて良かった。
今回も海側上段進行方向向きというベストポジション。
やっぱり上り「あけぼの」は日本海と湯檜曽ループが眺められるソロ海側に限る。
しかし、もしかしたら最後になってしまうかもしれない「あけぼの」の夜景。考える度にブルーになってくる。
検札が終わりトイレに行くと、この時点ではまだ乗客はまばら。
これはいつものことで、秋田を出るといつの間にか満席になってる事が多いけど、閑散期の今日は果たして？
部屋の照明を消して夜景を眺めていると、いつもは停まらない下川沿に突然停車。
何事だ？まさか悪天候による抑止？
仕方ないのでベッドに仰向けになっていると、ソロ上段の窓からは満点の星空が。
息を呑む美しさ。これがあるからソロ上段はやめられない。吸い込まれそう。
頼むからこの夜景を奪わないでほしい。「あけぼの」のことを考えながらひたすらボーッと眺める。
しばらくすると、下り線を貨物列車が通過。遅れていたので交換場所が変わっただけっぽい。
交換後すぐに発車。一安心して、弘前駅で購入した弁当＆ビールタイム。
いかづくし海苔弁当。
夜景を眺めながら弁当とビール。これができるのも個室寝台の醍醐味。
列車は秋田に到着。雨がひどい。土砂降り。羽越線での抑止が心配になる。
秋田を出たところでトイレに行くと、やはり6号車は満室に。閑散期なのに。惜別の駆け込み乗車か。
羽後本荘を出ると雨は弱くなって一安心。そしてここからは、いよいよ夜の日本海。
「あけぼの」と「トワイライトEXP」からしか見れない夜の日本海。新聞報道では「トワイライトEXP」も廃止予定だとか。
本当に、鉄道を新幹線とロングシートの普通・快速列車のみにしようとしてるのか？
「ななつ星in九州」のようなクルージングトレインを東日本も運行させるらしいけど、まったく興味無し。
目的地に想いを馳せながら、その道中の風景・風土を感じるのが旅の醍醐味。
出発地・到着地いっしょでは旅ではなく遊園地といっしょ。トンネルだらけの新幹線も同様。
今回も夜の日本海を堪能し、列車は酒田に到着。
「あけぼの」のきれいな夜の日本海も、今までで一番寂しい風景に映る。
悶々としながらも、明日の湯檜曽ループに備えてブラインドを閉めて就寝。zzz…。
