まったく興味がないのだけど おかんがちょいと岸恵子に似てるので借りてみた。安かったのでamazonのカートに入れていたのだが当然図書館検索したらあったので カートは削除して借りてきた。まああんまり期待して無かったのだけど。私の人生ア・ラ・カルト 岸恵子著 講談社刊 2005年初版である。まあ女優岸恵子が好き・・というわけではないのだが 国際派女優の先駆者でもある人は 何を考えどう生きたのか?とちょっと興味があったわけ。2000年に講談社の編集者が書いたもの見せてくれませんか?というところから この本の企画が決まったらしく10代の終わりから書き溜めたもの まあエッセイでもあり自伝でもありを本にしたもの。まあ まず気に入らないのが 完璧に上から目線の話になってるところだ。誰でも知ってる男優や女優が 隣のおばさんみたいな感覚で煩雑に出てくるので 自慢のようにも思える。まあ 日本を代表する大女優だからそういうのもあるのだろうけど なんか話を盛ってる感じがして真実味がない。全体的に政治的に発言してる部分なんかは ゴーストライターが書いたとは思わんけど手は入れたな 前後関係のフォローはしただろうな・・と思わせるところが気になる。まあ でもスクリーンからうかがえるナチュラルな岸恵子も今や63だ。最近はとんと見ないけど 一世を風靡した実力のある世界に通用する女優なのは認めるところ。ただ よほど稼いだのか 世界中を飛び回ってるから よく金が続くな・・というのが正直なところである。女優の書いた本てまあ大体同じような感じなんだが 本書は振れ幅が大きい 言い換えれば波乱万丈それもいい方ばかりの・なので ますます信ぴょう性が無くなる。岸恵子?誰?っていう人は本書読んでも面白くもなんともないだろう。国際的大女優だ・・と思ってるあたしが読んでも面白くないのだからw 日本では著名な作品で有名だが 海外でどれだけ活躍したのかはあまり知らない。女優というよりも社会派としての印象しか無いからである。まあお好きな人はどうぞ。一度読んだが図書館だけで十分でこれは返してくることにしよう。さて 残りは4冊 13億人のトイレ アイヌと神々の物語 藩とは何か そしてあれだけつまんない・・と言ってた井上章一の関西人の正体・・である。関西人のあたしからすれば 東京人の正体に興味があるわけで 関西人てナチュラルに生きてんだよ!と言いたいところだが 東京から見れば京都のイケズも中に入ってしまえばなるほどなぁ・・と納得するから やっぱりあたしが知りたいのは関東人の正体だろうと思うw
井上章一である。氏のパンツが見える・・を読んで結構面白かったんで 前作の話題になった京都ぎらい 朝日新聞出版 2015年初版を読んだのだが 京都の人なのに京都になんか恨みでもあるのか?というような内容であんまり面白くなかった。京大出身の作家やエッセイストでは 森見登美彦氏や鷲田清一氏 万城目学氏なんかいてそれぞれに京都愛が伝わってくるのだが どうも井上氏は2歩くらいさがって醒めた目で京都を見てるような気がする。で 本は 京都まみれ 朝日新聞出版の新書 2020年4月初版だ。あたしも関西人だし 奈良や京都が長かったわけで 学生時代の多感な時期を京都で過ごし 仕事は京友禅の仕事がしたかったので京都には特段の思い入れがあって 大病していつ死ぬかわからない身となっては 早く京都に帰らなければ そして京都の土にならなきゃ・・と思うので どうも井上氏の京都批判はひっかかるものがある。京都ぎらいで相当ひっかかって なんじゃこりゃ?と思っていたのだが 新刊が出るとやっぱり読んでみたくなる。でも前作があれだったんで 図書館にあるだろうとたかをくくってたら無いのだ。今月になってやっと検索にひっかかるようになあったので借りた。前作で呆れられたのかすぐに準備中になったのは言うまでもない。井上氏って嵯峨で生まれて伏見で育って今は宇治在住らしいのだが なんか洛中に恨みでもあるのか あとがきに生まれは嵯峨と書いたがとりあげられたのは中京の産院・・て書いてる時点で そんなんどーでもええやん?と思う。あたしは生まれは三重だが多感な時期を奈良京都にいたので どちらも好き 特に京都は人生を左右するようないろんなことがあった土地なので特別だ。さて本書一度読んだのだが 京都と東京の歴史的考察がメインで あー買わなくて良かったな うちの本棚にはいらない本だと思う。810円の新書だからたいした値段でも場所を取るわけでもないのだけれどねぇ。というわけで 本書は全体が洛中を批判することに終始してるので あたしとしてはなんだこいつ・・なのだ。一度読んだけどもう一度読んで返してこようと思う。大体自分が生まれた土地の重箱の隅をつついて批判するようなのは 愛が足りないと思うし 洛外の人からみた洛中に対するひがみみたいなものを感じて不快だ。生活する京都が好きなあたしにとっては 井上章一つまんない人だな・・という感想でっしかない。
かと言えば ちょっとしたメルヘンでもある。ねこに未来はない 長田弘著 晶文社刊 1971年12月刊 昭和期の猫エッセイ。猫嫌いの僕が猫好きの奥さんと結婚して猫を飼い 行方不明になったり猫の喧嘩で死なせたり・・などのエッセイ。本業は詩人らしい。第1章『ねこに未来はない』第2章『ねこ踏んじゃった』第3章『わが友マーマレード・ジム』(三章はアラン・シリトー氏(1928-2010)の童話『The City Adventures of Marmalade Jim (1967)』を長田弘氏が翻訳したもの)猫好きにはちょっとしたファンタジーなのだけれど薄味である。あたしも猫は嫌いではない。犬は飼っていたことはあるが親戚を見回しても猫を飼っていた家が無いので 余計にそうなんだろうが 大人になって貧乏旅行が多くなるとペットってどうしても難しくなる。お金があれば預かってくれるところも多々あるのだろうが 仕事は夫婦そろって忙しいし旅は貧乏旅行やバイクなので連れていけないとなると あーペット好きは制約が多いのだな・・と思う。まあうちには人狼ならぬ人猫(元同僚w)がいるので 猫を飼うことはないのだが。猫好きからみればほのぼぼとしたエッセイで まあ目を通すのもいいかな・・と思う。個人的には人生が旅だと思ってるあたし まあ腰が据わらんと言ってしまえばそれまでだが 違う世界の話なので あんまり面白くなかったのは事実。猫好きの人なら違うだろうけど。
薦められる本ではない。社会の暗部を描いた本。家族遺棄社会 孤立、無縁、放置の果てに。 菅野 久美子著 角川新書刊 2020年8月初版。子供を捨てる親、親と関わりをもちたくない子供。セルフネグレクトの末の孤独死。放置される遺骨…。孤立・孤独者1000万人の時代。リストラや病気など、ふとしたことでだれもが孤立へと追いやられる可能性がある。この問題を追い続けてきた第一人者が、ふつうの人が突然陥る「家族遺棄社会」の現実をリアルに取材。そんな日本社会に懸命に向き合う人々の実態にも迫る衝撃のノンフィクション!・・て本だ。著者も引きこもりを経験した人なので この手の社会の暗部についての本を何冊か出している。『超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる』(毎日新聞出版)『孤独死大国 予備軍1000万人時代のリアル』(双葉社)『大島てるが案内人 事故物件めぐりをしてきました』(彩図社)とか(amazonから拾ってきた 許せw)まあ 面白いという表現では語れない本だ。実際あたしみたいなメンタル持ちだと ああこういう現実もあるのか?と納得しながら読んだのだけど 著者も言う通り 人生はコインの表側だけではない。表があれば必ず裏があるわけで そういうルポ本。NHKのクローズアップ現代の内容をえぐくして裏の部分を見せてくれたような本である。基本ルポルタージュなので経験の無い人達は理解・・・あれ これ先に記載したっけ?と思いだしたが 気になったんでもう一度借りてきて読んだわけ。決して文芸大作でもなければすっきりする話でもないが こういう現実もあるのだよ・・という意味では良書であろう。買うまでもないが 図書館か友人が所持しているのならぜひ一読されたい。コインに裏表があるように人生に裏表があるのがわかる。まあ表しか見えないで人生を終えられるのであればそれに越したことはないのだが。
寒暖の差が激しいからか メンタルの調子がすこぶる悪い。6日は母の49日で坊主呼んで自宅で法要の予定だったので5日の晩のバスは取っていたのだけれど 毎日大阪の感染者数は増えるばかりで バスを決済する期限の3日には400人に近づこうという有様だ。まあ大阪行けば必ず感染するわけではないのだけれど 弟も止めといた方がいいんじゃない?と言い出すし あたしは基礎疾患持ちなんで感染したら間違いなく重症化するわけで。ECMOは大動脈乖離の時に使ってるんで またあれかい?と思うとあんまり気持ちのいいものではない。通夜にも告別式にも出たし骨上げもしたから 母も無理に来いとは言わんだろう。嫁はんもあんまり丈夫では無いので感染したら大事になるのは目に見えている。というわけで泣く泣く今回はキャンセルした。弟夫婦と甥・姪でやってもらって コロナが一段落したら行くか・・というところ。しかし今年は年初から振り回された一年だった。京都の部屋探しもこんな状態では無理で 正月はおとなしく東京にいることになる。嫁はんの年末年始の休みも短いことだし仕方ないか。