立花隆著 講談社文庫刊 1983年初版 借り出して来たのは1992年の12刷。著者に関しては説明するまでもない著名人だからいいとして ずっと気になってた本だ。amazonのプライムのクーポンが来たので 上下で1400円くらいなのが900円になるから買おうか・・と思ったが 1983年と言えばもう歴史の本だ。昭和58年の時点での話だからだ。で お決まりの図書館検索したら売れた本なので当然あった。古い本なんで誰も待ちはいないので即借りて読んだ。中核派って学生団体のセクトで 上部団体は「革命的共産主義者同盟全国委員会」といい中核派はつかない。この下部に学生組織として「マルクス主義学生同盟・中核派」がある。共産党と民青のような関係。これに対して核マル派は 上部団体を「革命的共産主義者同盟委員会・革命的マルクス主義派」といい学生組織は「マルクス主義学生同盟・革命的マルクス主義派」という(抜粋)まあ 民青が必ずしも共産党員でように マル学同中核派は必ずしも革共同の同盟員ではないそうだ。更にマル学同とは別に両派とも学生大衆団体として「全学連」を持つからややこしい。労働者組織としては両派ともまた別の団体があるから更にややこしい。本書は60年安保以前から73~75年ごろの内ゲバを中心にして詳細に書かれてる。 そもそもの始まりが56年頃というから 昭和31年か。当時どういう状況だったのかというのに興味があったのだが 中核も核マルも手段が違うだけで目標とするところは共産主義革命だ。あの当時はメディアは紙ぐらいしかなかったわけで 全体を俯瞰的に見る・・というのは無理な話で 結局重箱の隅をつつくような意味のない殺し合いに明け暮れたわけだ。マルクス・レーニン主義による共産主義革命を理想としていた当時の若者たちだが 今の中国やロシアを見てあれが理想の姿だ・・と思えるのだろうか・と今なら言えるが 当時はそんなこと考える人がいないほど 戦後の日本は貧しかったようである。70年代ってもう高度成長期に入ってたと思うのだが。さて本誌 内ゲバについての詳しいレポートが大半で立花氏の言いたいことは下巻の最後の方 ”勝利なき戦争”の終結を・・に凝縮されてる。今なら見えるが 当時は見えなかったというか そういう時代の記録。買うかどうか迷ってるが とりあえず保留。アマゾンプライムのクーポンはリラックマのぬいぐるみに化けるだろうw 60~70年前後に学生で活動家だった人たちももうご老人だ。そういう方たちにこそあの時代はなんだったのか再考する意味でも読んでいただきたい本だ。昭和の終わりから平成に生まれた人たちには いい意味で何の意味も無いし大体読んでもわからない。戦後76年 日本は平和だが菅のあと誰が総理になってもお先は真っ暗で明かりすら見えないのは悲しいことである。
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