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ふつう

2020-06-16 14:15:48 | メンタルヘルス
amazonのカートに入ってるものって欲しいな・・けど考えて・・という状態だと思う。普通欲しい本というのは 好きな作家やエッセイストのものだったり 新聞や雑誌の書評で評判がいいものが入るのだが 本書初版が2008年なので 書評から・・というのも考えられない。日本語が亡びるとき 英語の世紀の中で 水村美苗著 筑摩書房刊 2008年初版が今回の本。 まあカートにあるから なんらかの理由で入ったんだと思うのだが 水村美苗氏・・って誰?というレベルである。仕方ないのでネット検索して調べたら 1951年生まれだから今年69歳の日本の小説家、評論家。夫は東京大学経済学部名誉教授の岩井克人。 経歴が結構すごいのだが 父親の仕事の関係で12歳の時に渡米。ボストン美術学校(en)、イェール大学フランス文学専攻、イェール大学大学院仏文科博士課程に在籍、ポール・ド・マンの教えを受ける。プリンストン大学講師、ミシガン大学客員助教授、スタンフォード大学客員教授として、日本近代文学を教える。プリンストン大学で教鞭を執る傍ら日本語で小説を書き始める。夏目漱石の未完に終わった『明暗』の続きを書いた『續明暗』で、1990年芸術選奨新人賞 欧文が部分的に混在する横書きの『私小説 from left to right』で、1995年野間文芸新人賞 エミリー・ブロンテの『嵐が丘』を戦後日本を舞台に書き換えた『本格小説』で、2003年読売文学賞 本作は2009年の小林秀雄賞(恥ずかしながらどういう省かよく知らんw)。同賞を夫婦でものにしたことになるそうで その時点ですべての著書が賞をとっている。2012年、『新聞小説 母の遺産』で大佛次郎賞を受賞・・・と おっそろしいほどの才女である。webで写真が出てたが いくつの時の写真かはわからんが 知的な美女である。天は二物を与えず・・とよく言うけど 水村氏の場合は当てはまらないようだ。さて内容だが これはもうあたしがあーだこーだ言うべきレベルのものではない。これだけ硬いタイトルの本にもかかわらず amazonのレビューは現時点で81  高評価のものはamazonレビューにあるまじき長文である。対して低評価のものは 短いものばかり。あたしも こんなタイトルの本をなぜカートにいれたのか悩んだのだが 図書館で検索したらあったのでとりま借りてきて一気に読んで納得した。まあ最初の印象は大学のテキストに使われそうな(レビューを見ると実際使われたらしい)硬い本なのだが とにかく最後まで密度が濃いまま進む 最後の方で現代と未来に対する考察で少しは平易な内容にはなるのだけれど とにかくみっちり内容が詰まってる。読者の思うところを知りたいのであればamazonのレビューを見ることをお薦めするが あたしの感想としては今 英語と言う普遍語の前で日本語はどうあるべきか?を問うた読むべき本であるというのが感想である。水村氏は近代日本文学を教えてるようだが 本書は言語学や歴史的変遷をも含んだすさまじく濃厚なスープと思って読んでいただければいいと思う。もちろん読後に即amazonでポチったのは言うまでもない。久々に味わいのある本を読んだ‥と言う感じだ。是非読んでいただきたい良書である。


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