風の雑記帳

平凡でもかけがえのない毎日が過ぎていく。
風景や触れ合い、心の断片を切り貼りして綴ってみる。

福島県 8/47

2023年09月21日 | 18きっぷで行く『日本製』

18きっぷで会いに行く『日本製』第8弾は、福島県岩瀬郡天栄村。

JR東北本線鏡石駅より、福島交通天栄村役場バス停より徒歩19分。

 

米・食味分析鑑定コンクール国際大会で5回の金賞(最高賞)と特別優秀賞を

受賞された米農家内山さんのお米に会いに、「道の駅 季の里天栄」を訪ねた。

 

 

今回は現場を訪ねることは難しく、何処に行けばそのお米に出会えるかいろいろ考え

道の駅なら天栄村の特産物があるはずと思い、半ばダメ元で出かけた旅だった。

 

 

先の食味コンクール国際大会とは、1999年より開催されており新米の食味を

鑑定する世界一大きな大会で、韓国中国米国他6000件ぐらいの応募があるという。

 

「天栄米」とは、村内の米生産者で立ち上げた「天栄米栽培研究会」で、無農薬、無化学肥料に

拘って作られ、9年連続で金賞と「ゴールドプレミアムライスAAA」の称号も得たブランド米。

 

 

しかし内山さんは、手間がかかる上に生産量も少ない完全無農薬、有機肥料の米作りを続けている。

10アール当たり6俵が限度だが、少しでも安全で美味しいお米を届けたいという思いで。

さらに、通年人を雇わず、家族で米作りから出荷までを行っているという。

そんな内山さんのお米が、道の駅 季の里天栄に並んでいて買うことが出来た。

  

徒歩だったので、3合450gの小さなサイズがあって本当に良かった。^^

 

 

今回の旅で思った事は、バスが走っていて良かったという事。

駅から役場まで、行きも帰りも乗客は私一人だったが、34分620円。

このバスが無ければ、今回私がこの場所に行くことは叶わなかったと思う。

 

バスを待つ間に、役場隣の文化の森の図書館で、暑さを凌いで休ませていただいた。

「歩くんですか?」と道の駅までの方角を玄関先で教えてくれた事務員の方、感謝。

    

   

今回は早く帰れる予定だったが、新白河からくる電車が僅か15分遅れたために

繋がるはずの電車に間に合わず、福島駅で3時間近くの待ち時間となってしまった。

新幹線を利用するまでもなく、仙台回りも考えたがじっと福島駅で待つことにした。

ハプニング、これもまた旅なり。

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神奈川県 7/47

2023年09月17日 | 18きっぷで行く『日本製』

18きっぷで会いに行く『日本製』第7弾は、神奈川県鎌倉市。

JR横須賀線、鎌倉駅から徒歩9分、鎌倉彫の老舗「博古堂」さんを訪ねた。

 

日帰りで東京より先に行くことは不可能かと思っていたが、春に東京に行った時

宇都宮から出ている”湘南新宿ライン”で神奈川県の逗子まで行けることを知った。

快速もあり、更にグリーン車(別料金)まで付いている、有り難い電車である。

 

 

博古堂さんは、鶴岡八幡宮へ続く桜並木若宮大路の突き当り、三の鳥居脇にある。

仏像作りから鎌倉彫へと移行し、1900年からこの土地に店舗を構えたという。

 

博古堂の鎌倉彫は、北海道産の桂の木を十分に乾燥させて使用しているため、

とても軽量かつその素直な木目は、彫刻をするのに大変適しているのだという。

 

 

食器や茶器や蝋燭立て手鏡などの小物、お盆やお皿硯箱など、作品は様々。

表面は漆仕立てされているが、使うごとに味わいが深くなって行くという。

”飾る”より”使う”博古堂さんの商品は、色々な所に工夫が施されている。

 

  

 

作業場の見学はさせて頂けなかったが、一つひとつ手作りされている職人さん。

刀も博古堂さん独特の砥ぎ方があるという事で、修業はそこから始まるという。

伝統を守り繋いでゆくことの大変さ、それゆえの商品のお値段なのかと思う。

 

   

 

日帰りは出来るものの、流石にローカル線だけでは無理で、最終の福島発

米沢行きの電車に間に合うように、宇都宮から福島間は新幹線を使った。

  

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山形県 6/47

2023年09月14日 | 18きっぷで行く『日本製』

18きっぷで会いに行く『日本製』 第6弾は、山形県西置賜郡小国町。

JR米坂線(代行バス)小国駅から徒歩30分、米沢牛の畜産農家を訪ねた。

米沢を出るときは晴天だったのに、途中から雨が降り始め、強い雨の中歩いた。

しかし、畜産農家の遠藤さん宅に着くと、今までの雨が急に止み青空になった。

玄関前にはネコさんが数匹、急な訪問にも関わらず、遠藤さん親子が対応して下さった。

   

 

神戸、松坂、近江と並んで4大和牛の一つに数えられる米沢牛。

米沢牛というブランドは、厳格な条件を全てクリアして初めて名乗ることが出来る。

置賜地方に居住し、「米沢牛銘柄推進協議会」が認定した生産者であること、

登録された牛舎で、18か月以上継続して飼育されていること、

生後32か月以上であるというのも条件の一つという。

 

 

畜産農家には、仔牛を購入して飼育し主に食肉として出荷する「肥育農家」と

母牛を肥育し交配させて産ませた仔牛を販売する「繁殖農家」があるが、

震災以降仔牛の値段が上がっており、遠藤家ではその両方を行っているという。

 

 

多い時で月に14~15頭の仔牛産まれる、出産だけでも大仕事だ。

 

他所の地域で産まれた子牛でも、置賜地方で規定の年月育てば米沢牛と呼ばれるが

「そうではなくここで生まれ育った米沢牛を生産したい」というのが息子さんの夢。

 

 

牛の良し悪しの差は、各農家で違う餌の調合の差でもあるという。

遠藤家ではくず米を煮たものに蒸した大豆と麦、トウモロコシも加え、

穀類は消化を助けるために一晩かけて煮る、こういう餌を食べて育った牛は、

脂の美味さに明確な差が出るから、手間がかかっても餌を変えるつもりはないと。

 

そんな米沢牛は何処で買えるのか聞いてみたが、山形の方とのこと。

「体温で溶けるような融点の低い脂で、口飽きせずにいくらでも食べられる肉」

遠藤畜産が理想とする肉を、一度でいいから食べる機会が訪れる事を願う。

 

小国は車でも行ける距離でもあるし、去年の豪雨で米坂線の今泉―坂町間は

代行バスが出ている状況の中、敢えて18きっぷに拘り出かけてみた。

 

三浦春馬氏も「いい人で良かった」と初対面の感想を書かれているが、

本当に優しい人柄のお二人で、私も雨の中歩いて行った甲斐があった。

   

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宮城県 5/47

2023年04月12日 | 18きっぷで行く『日本製』

18きっぷで会いに行く『日本製』第5弾は、宮城県気仙沼市。

JR気仙沼線(BRTバス代行) 南気仙沼駅から徒歩13分、(株)カネダイさんを訪ねた。





東日本大震災で気仙沼は、津波とその後の火災で壊滅的な被害を受けたという。

気仙沼湾と西側を流れる大川に挟まれた地にあった15の事業所全部が流されたカネダイ。

もう気仙沼は終わったな、事業も畳まないといけないなと個人的には思ったと専務の佐藤氏。

 

 

しかし、3/14に幹部が集まり今後の話し合いをし、社員5名を東京の取引先に出向させ

3/21には内陸部に小さな事務所を借りて、そこを集合場所にしてがれきの片づけをしたり

社員に給料を払うために、自社の天井裏から電線を取って中の銅線を売ったりしたという。

 

そのうちパソコンをかき集めて少しづつ仕事もできるようになり、年末には

新しく、オリジナルブランドの「かに物語」を始められるようになったそうだ。

 

 

気仙沼は21年連続カツオの水揚げ日本一だったが、震災から3か月後の6月末には

みんなの頑張りで、実際カツオの水揚げを行うことが出来てしまったという。

 

震災後、日本一が途切れるんじゃないかと言われていたが、いまだ日本一をキープ中。

 

取材時はまだ被災建物や仮設住宅、更地、建設中の道路建物などがあったようだが

今は大きな立派な、水産会社や倉庫や多くの会社の建物が建つエリアとなっている。

 

 

気仙沼湾の方にてくてく歩いて行くと、「海の市」の建物がある。

その中に、カネダイさんが震災後立ち上げた「かに物語」の直営店があった。

 

優しい店員さんに色々お薦めを聴いて、自宅に送る準備をし、駅までの地図も戴いた。

さあ、JR大船渡線の気仙沼駅まで歩くぞ、30分強位の筈、間に合うぞと出発。

途中、変な近道をして居場所が不確かなので、道行くお姉さんに早めに聴く。

そんなこんなして、ようやく、時間ぎりぎりで気仙沼駅に到着したのだった。

 

   

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秋田県 4/47

2023年04月10日 | 18きっぷで行く『日本製』

18きっぷで会いに行く『日本製』 第4弾は秋田県。

JR羽越本線 秋田駅から歩いて23分、歴史の古い酒蔵、新政酒造さん。

 

新政酒造さんは、「生酛(きもと)造り」を行っている1852年創業の酒蔵。

「生酛(きもと)造り」とは、添加物を一切入れず天然の乳酸菌だけで造り

新政酒造さんは、その蔵元の日本酒が全て生酛純米づくりなのだという。


 

約90年前に新政酒造の蔵から「きょうかい6号酵母」が発見され、

それ以来極寒の東北の地でも日本酒造りが出来るようになったという。

 

8代目当主の佐藤祐輔氏は、東大出身で2007年に32歳で蔵に

戻る前は、ジャーナリストをしていたという異色の経歴の持ち主。

 

明治時代中盤には、手間も時間もかかる生酛造りは殆ど行われなくなって行く。

老舗の新政も時代の流れに逆らえずにいたが、佐藤氏が蔵を継ぐや、生酛の作り方を

徹底的に勉強し直し7年の歳月をかけ全量生酛造りに移行することに成功したという。

 

 

仕込みには、メンテナンスや温度管理がしやすいステンレスやホーローのタンクを

使う酒蔵が多いが、新政では佐藤氏の代になり木桶を取り入れ始めているという。

 

しかしその木桶も、日本で唯一製造しているメーカーが2020年で製造中止を発表。

が、佐藤氏は言う。

「自分たちで木桶を作れるように、木桶の会社に蔵の人間を修行に行かせている」

「生酛もしかり、日本酒のロマンはそういうこだわりからしか生まれないと思う」

 

   

 

新政酒造さんのように、一般の見学は出来ない所もあって、生酛造りの

お酒を買えるお店を調べてあったのだが、雨の秋田では道に迷い

時間のロスもあり、電車時間にぎりぎりでお酒は買えなかった。

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群馬県 3/47

2023年04月06日 | 18きっぷで行く『日本製』

18きっぷで会いに行く『日本製』第三弾は、群馬県の高崎だるまを訪ねた。

JR信越本線 群馬八幡駅から歩いて10分、高崎だるまの老舗「大門屋」さん。

願い事や目標を込めて片方の目玉を描き入れ、願い事がかなうともう一つの目を点睛する。

全国生産の8割を誇る群馬県の高崎だるまは、「選挙だるま」も殆どが高崎産という。

 

今、各地で選挙が行われていて、実際お店にも大きなだるまを買いに数人来られていた。

店内に入り、真っ先に目に入るこのだるまさん達に圧倒される。

 

絵付け体験が出来たらと思って伺ったが、午前と午後と予約制で40分位で出来るらしい。

が、私は予約も入れてなかったし、電車時間との兼ね合いで残念ながら諦めることにした。

 

高崎だるまは、眉毛が鶴、髭が亀の形になっていて、鶴亀の長寿の動物がいて

とても縁起の良いお顔をしているのが高崎だるまの一番の特徴だそう。

 

高崎だるまは200年前に作られ始めたという。

群馬県ふるさと伝統工芸士であり、大門屋の社長中田氏は言う。

200年続いただるま屋はないが、100年先も高崎だるまは続いていると。

それは、自分たちが技術を伝えているからで、若い世代もそれに続いていると。

 

私は絵付け体験はできなかったが、願いが叶うように金のだるまを買ってきた。

    

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栃木県 2/47

2023年04月05日 | 18きっぷで行く『日本製』

18きっぷで会いに行く『日本製』の第二弾は、栃木県の足利学校を訪ねた。

JR両毛線 足利駅から歩いて5分の所にある足利学校、日本最古の学校。

 

学校といえば足利学校の事だったそうで、門には「學校」の2文字が。

カリキュラムの無い、学びたい人誰でもが無料で学べる学校だったと。

孔子の教えが主で、論語に代表される今でいう道徳のようなもの。

 

受付をすると入学許可証と学生証が貰える。

また見学者用に漢字テストも用意されていた。

4月から11月の毎週日曜日には、論語の素読体験も行われているそうだ。

私は、”子曰く”で始まる論語抄を買ってきた。100円也。

 

この景色、どこかで見た記憶無い?映画『銀魂2』はここで撮影されている。
 


「宥座の器(ゆうざのき)」は孔子の「中庸の徳」という教えを説くための道具。
空の状態で壺は傾いているが、適度に水を入れると水平を保ち入れ過ぎるとこぼれる。

欲張ると全部無くす、何事も、過ぎたるは及ばざるがごとし。

 

 

2mを超す大男だったという孔子像が建っていた。

卒業証書は無く、自分が納得したら卒業となる。自学自習の学校。

    

私は次の発車時間までの1時間で、歩いて行き、見学し、歩いて帰って来れた。

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東京都 1/47

2023年04月04日 | 18きっぷで行く『日本製』

18きっぷで会いに行く『日本製』の第一回目は、東京都。

JR山手線 有楽町駅から歩いて30分の「つくだに丸久」さんを訪ねた。

 

隅田川に架かる「佃大橋」から見えるのは、中央大橋の向こうに東京スカイツリーだよね?


赤い鳥居の右側の白い大きめの建物、屋上に「丸久」の看板が見えた。

 

「つくだに丸久」さんは、安政6年(1859年)創業、現在15代目。

佃島は、徳川家康公が江戸幕府を開いたときに、大阪市西淀川区佃にあった

住吉神社の神主と漁師達を呼び寄せて住まわせたのが始まりと言われている。

 

家康公が大好物だったしらすを獲るようにという命を受けて、しらすを献上し

献上できないようなあみや小魚などを甘辛く煮て自分たちで食べていたが

次第に魚が獲れなくなり、漁師から佃煮を売る商売に変わって行ったという。

 

私は6種類の佃煮を買ってきたが、味が濃くて白いご飯や🍙には最高。

どこかの県の帰りに寄ったり、また佃煮を買いに行きたいなと思った。

    

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