『人間の運命』(セルゲイ・ボンダルチュク監督、1959年)を観た。
戦後最初の春、幼いワニューシカを連れたソコロフ・アンドリューシャは、暗い過去に思いを馳せる。
ウォロネシで1900年に生まれたソコロフは、内戦で赤軍に入ったが1922年の時には農夫として働いていた。
そのため、この年の飢饉では助かったが1年後に故郷に戻ってみると、親兄弟ともに亡くなっていた。
天蓋独り身になったソコロフは、その後見初めたイリーナと結婚し、一男二女の子持ちとなって幸せな日々を過ごす。
だが、ソコロフが家庭を持って17年、突然戦争が始まった・・・
ソコロフにとっては、長男のトーリカが新進数学者として選ばれたりして、幸せの絶頂時期のドイツ軍による侵攻。
ソコロフも徴兵され、前線に駆り出される。
第二次世界大戦。
敵弾に負傷したソコロフはドイツ軍の捕虜となり、一度は脱走を図るが、その後の2年間、あちこちの収容所に送られあらゆる場所で働かされる。
最後に送られた第14収容所、過酷な労働のグチを言ったソコロフは、密告によりミュラー所長に呼び出されて射殺を言い渡される。
だが、最後の酒を勧められたソコロフの勇敢な態度を見たミュラー所長は、処刑を取りやめる。
そして、ソコロフはその後、陸軍少佐の運転手となり、隙を見て前線を突破してソヴィエト軍に戻る。
功績で休暇を貰ったソコロフが故郷へ帰ってみると、自宅は廃墟の跡だった。
妻も二人の娘も亡くなっていて、残る長男は軍に志願したと聞かされる。
生きる目的を失ったソコロフは、再び前線に戻り、その後、息子が大尉になったとの消息を知るが、その息子も戦死する。
失意のままのソコロフに終戦が来る。
戦後、車の運転手になったソコロフは、偶然、孤児のワニューシカと出会いトラックに乗せる。
哀れな姿のワニューシカを見て、思わず父親だと名乗るソコロフ。
喜び飛びつくワニューシカ。
ソコロフはその笑顔を見て、ワニューシカとともに生きていくことを決意する。
戦争とは何か。
否応なしに、それに巻き込まれる人々にとって、人生のすべてが崩壊されるということはどのようなことなのか。
重い主題を、ソコロフという一個人を通して、普遍的なテーマに昇華していく。
そして、その先にある、絶望の末から芽生える希望の芽をみる。
ボンダルチュクが監督をしながら、主演する。
渾身の優れた作品である。
そう言えば、この年のソヴィエト映画には『誓いの休暇』(グレゴリー・チュフライ監督)もあった。
体制に関係なく優れた作品は、どのような国からも生まれると痛感する一作品であった。
戦後最初の春、幼いワニューシカを連れたソコロフ・アンドリューシャは、暗い過去に思いを馳せる。
ウォロネシで1900年に生まれたソコロフは、内戦で赤軍に入ったが1922年の時には農夫として働いていた。
そのため、この年の飢饉では助かったが1年後に故郷に戻ってみると、親兄弟ともに亡くなっていた。
天蓋独り身になったソコロフは、その後見初めたイリーナと結婚し、一男二女の子持ちとなって幸せな日々を過ごす。
だが、ソコロフが家庭を持って17年、突然戦争が始まった・・・
ソコロフにとっては、長男のトーリカが新進数学者として選ばれたりして、幸せの絶頂時期のドイツ軍による侵攻。
ソコロフも徴兵され、前線に駆り出される。
第二次世界大戦。
敵弾に負傷したソコロフはドイツ軍の捕虜となり、一度は脱走を図るが、その後の2年間、あちこちの収容所に送られあらゆる場所で働かされる。
最後に送られた第14収容所、過酷な労働のグチを言ったソコロフは、密告によりミュラー所長に呼び出されて射殺を言い渡される。
だが、最後の酒を勧められたソコロフの勇敢な態度を見たミュラー所長は、処刑を取りやめる。
そして、ソコロフはその後、陸軍少佐の運転手となり、隙を見て前線を突破してソヴィエト軍に戻る。
功績で休暇を貰ったソコロフが故郷へ帰ってみると、自宅は廃墟の跡だった。
妻も二人の娘も亡くなっていて、残る長男は軍に志願したと聞かされる。
生きる目的を失ったソコロフは、再び前線に戻り、その後、息子が大尉になったとの消息を知るが、その息子も戦死する。
失意のままのソコロフに終戦が来る。
戦後、車の運転手になったソコロフは、偶然、孤児のワニューシカと出会いトラックに乗せる。
哀れな姿のワニューシカを見て、思わず父親だと名乗るソコロフ。
喜び飛びつくワニューシカ。
ソコロフはその笑顔を見て、ワニューシカとともに生きていくことを決意する。
戦争とは何か。
否応なしに、それに巻き込まれる人々にとって、人生のすべてが崩壊されるということはどのようなことなのか。
重い主題を、ソコロフという一個人を通して、普遍的なテーマに昇華していく。
そして、その先にある、絶望の末から芽生える希望の芽をみる。
ボンダルチュクが監督をしながら、主演する。
渾身の優れた作品である。
そう言えば、この年のソヴィエト映画には『誓いの休暇』(グレゴリー・チュフライ監督)もあった。
体制に関係なく優れた作品は、どのような国からも生まれると痛感する一作品であった。