花紅柳緑~院長のブログ

京都府京田辺市、谷村医院の院長です。 日常診療を通じて感じたこと、四季折々の健康情報、趣味の活動を御報告いたします。

藤袴にほふ│花信

2024-10-13 | アート・文化


  ふぢばかまをよめる
主しらぬ香こそにほへれ 秋の野に誰ぬぎかけし藤袴ぞも
   古今和歌集・巻第四 秋上   素性法師

  蘭をよめる
ふぢばかま主はたれともしら露の こぼれてにほふ野辺の秋風
   新古今和歌集・巻第四 秋歌上   公猷法師




亢龍悔い有り

2024-10-12 | 日記・エッセイ


豊臣秀吉が、織田信長や徳川家康等、継嗣の若様育ちの武将と決定的に異なるのは、下積時代の生活環境である。碌な装備もないままに酷暑、極寒下の野営や夜駆けもあったろう。”ブラック企業“で長年にわたり心身を酷使した生活習慣が、生来蒲柳の質でなかろうと、後年、他者に先んじ腎虚を発症する要因となったことは想像に難くない。亢龍悔い有り。位人臣を極める頃に躰が容赦なく衰え潰える不安と恐怖。晩期の無慙な闇堕ちには、其の身から失われる性命への渇仰と、いまや躍りて淵に在るわかうどに向けた遺恨が、一筋の黯い底流として流れてはいなかったか。
南無阿弥陀仏。合掌。

群馬県六合村の秋草│花信

2024-10-04 | アート・文化

ホトトギス(杜鵑草)、フジバカマ(藤袴、紫紅と白)、ハゴロモフジバカマ(羽衣藤袴)、ショウジョウソウ(猩生草)、ダリア(天竺牡丹)、シュウメイギク(秋明菊)、コスモス(秋桜)

秋の野を分けゆく露にうつりつつ わが衣手は花の香ぞする
   新古今和歌集・巻第四 秋歌上   凡河内躬恒