くりぃーむソ~ダ

気まぐれな日記だよ。

よもよも

2023-12-06 06:17:03 | Weblog

やれほれ。

昨日なんチャラ雨降って道路てかてかXXX

天然のでこぼこアイススケートリンクみたいだった。。

車ものろのろでしか走れなかったらしくって

遅刻してる人もちらほら。

で、朝のニュース見たら週末から大荒れで

とうとう根雪になるってさ・・・。

最悪。

来る物が来たって感じだけど

シャワー上がりでタオル1枚でうたた寝しちゃって

朝からまたぞろ喉が痛い。。

慌てて漢方薬飲んだけど、

直っちゃぶり返しの繰り返しってば、

調子悪くって苦しい。。

はぁ。春が待ち遠しい・・・。

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王様の扉(82)

2023-12-06 00:00:00 | 「王様の扉」

 目的地を目の当たりにしていても、砂漠の砂は前に進もうとする足にまとわりつき、気持ちを後戻りさせようとした。
 ここまで走ってこられた体力が、嘘のようにずんずんとすり減っていくのがわかった。何度膝に手をついても、ため息を漏らしても、心臓が止まりそうなほど激しい息をついても、巨木は青い空に大きく枝葉を伸ばしたまま、近づいてこようともしなかった。
 まるで、遙か遠くの山を手に取るような近さに見ていながら、実際は近づけないほど距離が離れているのと同じだった。
 後ろから追いかけて来る青騎士も、例外ではなかった。砂の上を滑るように走る馬を失った青騎士は、マコトが取り上げようとしても動かせなかった大剣を軽々と手にしつつも、重い鎧を纏った足はマコト以上に深々と砂に取られ、マコトとの距離を離されたまま、こちらも追いつけずにいた。

「――まて、おまえはオレだ」

 と、格子の面繋を下ろした兜の奥から、マコトとそっくり同じ声が言った。
「ちぇっ。オレはオレだけだ――」と、マコトは振り返らず、ただ大きな声で叫んだ。「影になんか知り合いはいない。さっさと消え失せろ」

「それは、オレのセリフだ。憎らしい幻め……」

 マコトはびくりとして、急に頭を下げた。と、それまでマコトの首があった所を、目にも捉えられないほどの早さで、大剣の切っ先が水平に宙を薙いでいった。
「――おまえ、いつのまに」と、砂の上で仰向けになっているマコトは言った。
「おまえはここで終わりだ」と、砂に手こずっていた青騎士とは明らかに違う、力強さに満ちあふれた青騎士が言った。
 マコトは砂を巻き上げながら斜面を転がり、青騎士の大剣が次々に繰り出されるのをかろうじて避けていた。
 よく見ると、青騎士の鎧が、ときおり赤い色を浮かび上がらせていた。
「――」と、マコトの脳裏によぎったのは、サオリを追ってきたまだらな色の青騎士だった。

「――聞いてるか、エス。緊急のリクエストだ。リリの新曲を頼む」

 と、立ちあがったマコトの手には、ラジオが握られていた。
 砂の混じった風に遮られ、エスがなにを言っていたのかは聞こえなかったが、耳にするいろいろな音が、楽譜をたどって規則的な旋律を奏でているような、そんな錯覚を起こすほど、心を奪われる歌が聞こえてきた。
 歌が聞こえ始めると、マコトを追う青騎士の足が、ぴたりと止まった。
 ラジオを手にしたまま、耳を塞いでいたマコトは、歯を食いしばって青騎士に近づくと、後ろから兜に抱きつき、頭からすっぽりと兜を脱がせてしまった。

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王様の扉(81)

2023-12-06 00:00:00 | 「王様の扉」

 軽々と馬にまたがった青騎士は、必死で逃げていくマコトに向かって、馬を走らせた。
 砂漠を走っているとは思えないほど、滑るように走る馬に揺られて、青騎士の鎧がガシャン、ガシャンと、ひどく大きな音を立てていた。
 みるみるうちにマコトとの距離が縮まっていき、追いついた青騎士は、頭上高く大剣を振り上げた。
「やっと実感できたぜ。オレの影がここにいる」と、息も絶え絶えになったマコトは、走りながら、大剣を振り上げる青騎士を見上げて言った。

 ブルルンンン――

 と、振りおろされた大剣を間一髪でかわしたマコトは、バランスを失い、小高い砂丘をゴロゴロと転がり落ちた。
 巻き上げられた砂に邪魔され、思わずマコトを見失った青騎士は、大剣を構えたままうろうろと戸惑っていた。すると、砂の中からひょっこりとマコトが顔を出した。

「見つけたぜ、砂漠の樹王」

 と、いつからそこにあったのか、砂漠に大きな影を落としている巨木が、砂丘の間に見えていた。
「競争だ――。切れるもんなら、切ってみやがれ」と、馬首を巡らせてマコトを探している青騎士の隙を突き、マコトが勢いよく走り出した。
 しかし、言葉の勢いに反して、明らかに体力の落ちたマコトに気がついた青騎士は、あわてることなく、悠々と馬を巡らせると、砂を蹴立てて馬を走らせた。
 競争にならないほど、圧倒的な速さでマコトに追いついた青騎士だったが、急な砂山の斜面をわざと選んで駆けのぼったマコトは、急ブレーキが掛かったような馬を振り返ると、馬上で手綱を操作している青騎士に向かって、体を投げ出すように飛びかかった。
 斜面の高低差を利用して抱きつかれた青騎士は、背中からもんどりを打って馬から転げ落ちた。
「どっか行っちまえ」と、素早く起き上がったマコトは、握りしめた砂を馬に引っかけ、手を振って追い払った。
 不意に主を失った馬は混乱し、マコトに追い立てられるまま、砂漠のどこかに向かって、逃げるように走り去っていった。
 重い鎧に手こずり、立ちあがれずにいる青騎士を目の端に捉えながら、マコトは落ちている大剣を拾い上げようとした。しかし、見た目からは想像もできないほどの重さに、拾うのをあきらめざるを得なかった。
「――くそっ。最後は体力勝負かよ」と、マコトは地団駄を踏むように言うと、遠くに見える巨木に向かって、走り出した。

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