くりぃーむソ~ダ

気まぐれな日記だよ。

よもよも

2023-12-29 06:24:46 | Weblog

やれほれ。

夢にまで見た? 正月休みだけど、

街中どこもかしこも正月休みだから

正直つまらなくない??

雰囲気ってかいい意味で騒々しさがないから

何もする気が起きない・・・。

気がつけば口寂しくなって

お菓子探してるしXXX

またぞろ体重が増えると後が辛いから、

必死でカロリー計算して抑えようと思うけど、

普段以上に耐えなきゃならんから、

厳しいわ・・・。

これがあるから、長い休みはキツいんだよなぁ。。

はぁ。

早く仕事復帰したい??

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王様の扉(128)

2023-12-29 00:00:00 | 「王様の扉」

 朝焼けが、血のような色に赤く海を染め始めた頃、船長の不安が現実となって、目の前に現れた。
 鯨の巨体が、船からそれほど遠くない海で、宙に躍り上がった。
 なにも知らないジローは、大きな鯨の躯体が宙に躍り出る様子を見て、その迫力に思わず見入っていた。
 しかし、鯨が宙に舞ったそのすぐ後、静かに休んでいた鯨達が一斉に暴れだし、ほとんど波のなかった海が、にわかに嵐に見舞われたような大波を立て始めた。
 逃げまどう鯨達を目の当たりにしたジローの耳に、操舵室に戻った船長が、船団中に伝える緊急の指示が聞こえてきた。

「サメだ。海に出られるやつは銛を持って行け。コイツはでかいぞ」

 寝静まっていた船団が、船長の言葉が終わらないうちからめまぐるしく動き始め、伝令の声が波のように船団に伝わっていくと、甲板からも船の船員達が次々に海に踊り出していった。
 ジローは甲板から身を乗り出し、海に飛びこんでいった船員達を見ると、海に沈んだとたん、自分のパートナーのイルカに乗って海上に浮かんできた船員達は、それぞれ長い銛を手に、逃げてくる鯨の間を縫って、サメの姿を探していた。
 
「……」

 と、どこからか悲鳴のような叫び声が聞こえた。船の操舵室から指示を出している船長が、拡声器を使って大きな声を上げた。

「サメが出たぞ、気をつけろ――」

 甲板に残った船員達が指差す方を見ると、先ほど海上に舞い上がった鯨と同じか、それ以上に大きな躯体が、銛を手にした船員達がイルカに乗って駆けている海のただ中で、彼らをあざ笑うかのように高く躍り上がった。

「――なんだ、ありゃ」

 と言ったのは、船の行方だった。
 海上に姿を見せたのは、サメではなかった。ジローが見る限り、ワニの頭をしたシャチのような生き物だった。
「あれは、この海によくいるのか」と、ジローは船の行方に訊いた。
「――」と、船の行方は首を振った。「ここまで生きてきて、はじめて見たヤツだ。あれは、化け物だぜ。鯨が食われる前に、この海を離れなやきゃならねぇ」
 大きな波しぶきを上げて海に落ちた怪物は、姿を探す船員達には目もくれず、海に潜って行方をくらますと、ジローの目の前で再び海上に躍り上がってきた。

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王様の扉(127)

2023-12-29 00:00:00 | 「王様の扉」

 自分の耳が変になったのか、不審に思ったジローがラジオを耳にあてがうと、

“私達の声が、届かない場所はまだまだあります。
 私達の声が聞こえない人達も、たくさんいるんです。
 放送がたとえ聞こえていたとしても、言葉だとはわからず、雑音に聞こえてしまう人だっているんです。
 でも、この放送が聞こえる人は、自信を持ってください。
 私達は、あなたの味方です――”

 ジローには言葉に聞こえても、船長達には、これが風の音にしか聞こえないらしかった。
 試しに、青い光のほか、ほかの船員達にも聞かせてみたが、船長と同じく、やはり風の音しか聞こえない、とラジオを持ち歩く姿を笑われてしまった。
 いつまで、この船に乗っていなければならないんだろうか――と、結わえた糸を確かめても、糸は船の進行方向に向かって、ピンと張り詰めたまま、緩むことがなかった。
 糸が指し示す場所に、扉はあるはずだった。自分が行くべき場所も、そこにあるはずだった。糸が示すその先に向かうしか、ジローにはほかに選べる道などなかっ。

“私の声が聞こえるあなたは、気をつけて。
 青騎士が、あなたを狙っているの。海の底深く、近づいてくる鯨達の歌を聞きながら、今か今かと、牙を研いでいます。
 私の声が聞こえるあなたは、気をつけて――”

 はっとして目を覚ますと、ラジオから奇妙な放送が聞こえていた。
 みんながまだ寝静まっている夜。ベッドから体を起こしたジローは、青騎士が自分を狙っている、と耳にした言葉をつぶやいて、首を傾げた。
 だとするとやはり、ここはドリーブランドのはずだった。
 しかし、船に乗っている誰に聞いても、ドリーブランドという名前を、古いおとぎ話の中に出てくる国、という以外、知っている者はいなかった。
 結わえた糸は、手で探るとピンと張ったまま、相変わらず船の進行方向に延びていた。
 もう少しで、船の仲間達が起き始めるはずだった。
 いつになく早く目を覚ましたジローは、みんなを起こさないようにベッドからそっと降り、甲板に向かった。
 と、船長が一人、水平線の彼方を見ながら、渋い顔をして立っていた。

「どうかしましたか」

 と、ジローが静かに声をかけると、顔の半分をひげで覆った船長は言った。
「――おまえも気がついたのか。鯨達の様子が変なんだ。こんなに波のない海もめずらしいというのに、なにかを恐れているというか、いつもならご機嫌に奏でている歌が、ぶくぶくと泡を吹くだけに変わっているんだ」

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