やれほれ。
昨日買い物から帰ってきて
昼ちょい過ぎだったら
前の日に降った雪が3センチくらい積もってただけなんだよ。
なのにさ、人が家ん中でぬくぬくしてる間にさ、
どうなってんだよ??
もうあと何日も(イメージだけだけど)経たないうちに
正月で休めるってのに、
まだどっかで夢の残像が残ってるうちに
マイナスの気温の中で顔真っ赤にして
雪かきしてるって、我ながらかわいそうすぎる・・・。
はぁ。
さっさと支度して仕事行こうっとXXX
やれほれ。
昨日買い物から帰ってきて
昼ちょい過ぎだったら
前の日に降った雪が3センチくらい積もってただけなんだよ。
なのにさ、人が家ん中でぬくぬくしてる間にさ、
どうなってんだよ??
もうあと何日も(イメージだけだけど)経たないうちに
正月で休めるってのに、
まだどっかで夢の残像が残ってるうちに
マイナスの気温の中で顔真っ赤にして
雪かきしてるって、我ながらかわいそうすぎる・・・。
はぁ。
さっさと支度して仕事行こうっとXXX
「それも、少なからずあり得ると思います」と、機械陀は言った。「けれど、この扉が繰り返しているのは、自分の間違いを正そうとする、責任感を持った強い言葉です」
「言葉を聞く限りじゃ、そこまでは読み取れないけどな」と、マコトは首を傾げた。
「私にはわかります」と、機械陀は言った。「ここにはいらっしゃいませんが、女性がいるはずです」
「はい」と、又三郎が言うのと、「女の子ならな」と、ジローが言うのとは一緒だった。
二人を振り返った機械陀は、小さくうなずくと言った。
「この扉は、間違って連れてきてしまった。と、言っています。万が一にも起こらないはずの事故があって、その子をここに連れてきてしまった。だから彼女を、元の場所に戻さなきゃいけない。早く帰らなければ、命の火が消えてしまう――」
「女性ってきっと、サオリだと思うよ」と、グレイは言った。「あの子しか、考えられないもの」と、肩に止まっているアオも、「そうだ」というように、大きく羽ばたいた。
「女性という所が気になるが、扉が言っているのは、おれも沙織のことだ思う」と、ジローは言った。
「まだらな色の青騎士は、確かにサオリを狙っていたけどな」と、マコトは考えるように言った。
「大臣はもうすぐここに来ると思いますが、サオリ殿も呼びに行かせましょう」と、又三郎は言うと、城の兵士の一人に言って、サオリも呼んできてくれるように頼んだ。
「――ちょっと待てよ」と、マコトは頭を掻き掻き言った。「命の火が消えるって、どういうことなんだ。今ここにいるジロー達には、自分達が肉体を持たない、心とか精神とか、そんな物でできている存在だって、言ったばかりだぞ。青騎士との戦いに勝って、死の砂漠からなんとか戻ってきたものの、このままこの場所に居続けていたら、どこかにある自分達の肉体が、命を落とすって意味に聞こえるぞ」
と、機械陀は言った。
「乱暴な言い方ですが、マコトさんの言ったとおりです」
「冗談じゃないぜ」と、マコトは大きく頭を掻いて言った。
「死の砂漠に落ちようが落ちまいが、早く自分達の帰る場所に戻らなければ、どっちみち命を失うってことか――」と、ジローは機械陀に言った。
「そういう理解で、間違いありません」と、機械陀は言った。「扉はここにあります。ですから、みなさんで、早く元の場所に戻ってください」
「――」と、誰も答える者はいなかった。
「バラバラになった扉じゃ、誰もその奥には通っていけないぞ」と、マコトは言うと、機械陀は驚いたような顔をして、気まずそうに口を閉じた。
「どれどれ、王様の扉が戻って来たのか……」
と、パフル大臣が城壁の小さな出入り口をくぐって、こちらに向かってきた。
「――大臣さん。待って」と、急ぎ足の大臣に遅れないように、サオリが大臣の後を追いかけるようにやって来た。
「――みなさん」と、そばにいた又三郎は言った。「これを見てください」
と、マコトと睨み合っていたジロー達は、又三郎の呼びかけに顔を上げると、指を差している場所に目を向けた。
「それって、マコト達が出てきた、青騎士の残骸じゃないの」と、グレイは前に出てきて言った。
「――あまり近づかない方がいいかもしれません。グレイ殿」と、又三郎は手を伸ばして言った。「妙な色の青騎士は、私が見ている間に、みるみるうちに地面に溶けていきました。しかし、溶けずに残った物があったのです」
「それは、木片じゃないか?」と、ジローは、グレイの後ろから顔をのぞかせて言った。
「どうだろう?」と、グレイは肩に乗ったアオを見上げて言ったが、アオは黙ったまま、なにも答えなかった。
「木片。ですね――」と、機械陀は言った。「だろうな」と、マコトは機械陀が言い終わる前に言った。
「それはきっと木片だ」と、マコトは言った。「で、オレはまだ見たことはないが、そこに落ちているのは、王様の城から消えた扉だろうよ」
「えっ――」と、又三郎は言った。「マジリックと共にいなくなった扉が、どうしてここに。しかも、あなた達が飛び出してきた青騎士の中から出てきたのは、どういうことでしょう」
と、又三郎は、城の兵士達の一人に、大臣を呼んでくるよう指示をした。
「さぁな」と、マコトは首を振った。「だが、マジリックは王様の扉と一緒ではないことが、これではっきりしたわけだ」
「それで、すぐに戻ってこられないって訳か」と、いつの間に来たのか、ガッチがあごに手をあて、感心したように言った。
「いつ来たんですか、ガッチ殿」と、又三郎は驚いて言った。
「さっき兵士の一人が大臣を呼びに来ただろ」と、ガッチは言った。「おれ様は耳がいいんだぜ」
「たった今、兵士に言ったばかりなのに、早すぎませんか?」と、又三郎は首を傾げて言った。
「――もしかすると」と、バラバラになった王様の扉に目をやりながら、機械陀は言った。「皆さんには聞こえていないかもしれませんが、この扉は何度も繰り返しています」
「たいへんだ。はやく、はやくたすけなきゃ。たいへんだ。はやく、はやく」……。
「聞こえるんですか」と、又三郎は驚いて言った。「お城にある王様の“夢の扉”も、同じ事を繰り返し言っているんです」
「その意味がわかるかい?」と、ガッチは機械陀に訊いた。
「――」と、機械陀は黙ってうなずいた。「どうやらこの扉は、自分の間違いを正そうとしているようです」
「おいおい。間違いって、なんだよ」と、マコトはあきれたように言った。「二人で死の砂漠から抜け出してきて、その出口がたまたま、オレと戦っていた青騎士だったって、そういうことじゃないのかよ」