くりぃーむソ~ダ

気まぐれな日記だよ。

よもよも

2023-12-08 06:26:41 | Weblog

やれほれ。

街場じゃもうとっくにマスクなんかしちゃいないってのにさ、

昨日子供に風邪ウツされたって職員がいて

蓋開けて見たら新型ウィルスだったってXXX

事務所の机も近くだったから、

同じように周りにいた人間はプチパニック・・・。

笑っちゃいけないんだろうけど、

もはや笑うしか無いでしょ??

取り扱いに従って

来週の火曜からしか仕事に復帰させられないって

有給も給料も吹っ飛ぶぞ。。

ここんところマスクして歩いてたからいいけど、

そろそろかなって時にこれだもん。

って、

これから具合悪くなるかもしれんって、

すんごく嫌な感じ・・・。

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王様の扉(86)

2023-12-08 00:00:00 | 「王様の扉」


「覚悟はいいのか」

 と、マコトは機械陀に言った。「地上に上がれば、おまえのその仏頂面も、成し遂げようとしてきた目標も、見失っちまうかもしれないぞ」
「知らないことを恐れていては、心など、とうてい持つことは叶わないはずです」と、機械陀は言った。「この世界の理のその先まで、私は行ってみたいのです」
「あっ、そう」と、マコトは困ったように言った。「そんだけ流暢に希望を話せりゃ、もう立派な心を持ってると思うがね」
 と、聞いていた樹王が、それまで以上に大きな声で笑った。
「じゃあな。今度来る時は、物知りのあんたが、驚くようなみやげ話を持ってきてやるよ」と、マコトは言うと、砂漠に向かって歩き始めた。
「――これまで、ありがとうございました」言うと、機械陀もマコトの後を追いかけて歩き始めた。

「ホッホッホッ……くれぐれも気をつけてな」

 樹王の姿は、やがて砂が描いた地平線の向こうに隠れ、すっかり見えなくなってしまった。
「どこに向かっているのですか……」と、静かな足取りの機械陀は言った。
「うるさいってぇの」と、前を歩くマコトは、息も絶え絶えだった。「行けばわかるんだよ」
「――ですが、人であるあなたは、もう命の火が消えかかっているようです」と、機械陀は静かに言った。
「ちぇ――」と、マコトは燦々と降り注ぐ陽光の下、どっかりと腰を下ろした。「扉が開くのを待ってるんだ」
「トビラ、とは――」と、立ち止まった機械陀は言った。「どういった物でしょうか」
「おまえのその寄せ集めのがらくたは、中身が入ってないのかよ」と、マコトは憎々しげに言った。「簡単に言えば、こっちとそっちを繋いでいるもんだよ。おまえの持っている葉っぱが鍵で、その鍵で開く出入り口を、オレ達は探してるのさ」
「お言葉ですが」と、機械陀は言った。「あなたはただ、無目的に歩き続けているようにしか、見えません」
「大木さんは思わせぶりなことしか言わなかったが、オレはおそらく実体のない存在なんだ。それに対して、おまえは意志のない存在なんだよ。葉っぱをおまえにしか渡さなかったのは、実体のあるおまえにしか、扉の鍵は開けられないからだ。だが、意志のないおまえでは、扉を見つけることはできない。だから大木さんは、おれ達二人で行かせたのさ」
「では、私が――」と、機械陀はマコトの前に膝を突くと、背中を見せて言った。「あなたを負ぶって歩きましょう」
「――」と、マコトはため息をついて言った。「違うってぇの。歩けばいいってもんじゃないんだ。扉があるのは場所じゃない。ここなんだ」と、マコトは自分の胸を指差した。

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王様の扉(85)

2023-12-08 00:00:00 | 「王様の扉」

「ホッホッホッ……」と、樹王は高らかな笑い声を上げた。「おまえさんも根っからの人間だのう……。機械の鎖を断ち切り……魂を養っている者にとって、夢や幻を思い描くことは……どれほどの難しさか。人には……想像できぬだろうよ」
「オレの知ったことか」と、マコトは舌打ちをして言った。「機械が夢を見るのか、なんてことに興味はないね。こっちは現実にどっぷりと浸かって、夢も希望も枯れ果てちまってるんだからな」
「ホッホッホッ……。そうだったなぁ。前に来た時は、あきらめて魔獣に魂を食わせたんだものな……」と、樹王は懐かしそうに言った。
「――まどろっこしい。大昔の話なんか、聞きたくないぜ」と、マコトは言った。「樹王の葉を分けてくれりゃいいんだ」
「ホッホッホッ……私の葉なら……もうキカイダが……持っておる」と、樹王は言った。
 はっとした機械陀は、身につけた布の下から、小さな葉っぱを一枚取り出した。
「なんで、おまえが持ってるんだ」と、マコトは機械陀の手元をのぞきこんだ。
「――樹王殿」と、機械陀は不思議そうな顔で言った。「私が頂いた葉っぱで、地上の世界に行けるのでしょうか」
 と、樹王は笑いながら、大きくまばたきをした。
「その葉を持っていれば……地上の世界に行くことができるだろう」と、樹王は言った。「しかし……その葉を持っていても……地上に行くことはできない。心を持たなければ……葉は、やはりただの葉でしかない」
「――」と、機械陀は手にした葉をまじまじと見ていた。

「なんだか、オレにもわかってきたぜ」

 と、マコトは言った。
「急に消えてしまう腕といい、オレの体だけ別の場所にある、とあんたが言ったのは、ここにいるオレは、実体じゃないってことだよな」
「――」と、樹王はもったいぶるように、ザワザワと梢を揺らした。
「くそっ」と、マコトは地団駄を踏んで言った。「早く地上に戻らなきゃ、その事実にあいつらが気がついたら、青騎士に切られなくてもこの砂漠に落ちちまう」
 と、マコトは機械陀に言った。
「おまえがその気なら、地上に戻るのを手伝って貰うぜ――それにしても、相変わらず意地の悪い大木だな」と、マコトは樹王を向くと、つまらなさそうに言った。「ここに来る直前の記憶を失ってると知っていて、茶化しやがっただろ。まだ薄ぼんやりとだがな、記憶が戻って来たよ。右腕と、それだけじゃないかもしれないな……。大怪我をしていたような気もする」
「それだけ思い出せるのは……たいしたもんだのう。ワシも……実体のない意志が魂を包んで……人のように振る舞うのを……はじめて見たよ」と、樹王は笑い声を上げて言った。「そんなこと、おまえさんに言った所で……信用なんて、しなかっただろうよ」
「――けっ」と、マコトは言って口を尖らせた。「人の腹の中まで、見透かされてるような気がしてきたぜ」

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