くりぃーむソ~ダ

気まぐれな日記だよ。

よもよも

2024-01-01 06:43:59 | Weblog

やれやれ。

大晦日は文庫本読みながら

初めて赤白最初っから最後まで見た・・・。

とはいいつつ、

裏番組が軒並みバラエティばっかで、

小説読むのにうざったかったからなんだけどね。。

午前中から神社にお参りに行きたかったけど

朝早くから降った雪が夕方まで止まなかったから、

外出は早々に諦めて、

読書三昧だった。。

仕事始まったら仕事関係のマニュアルやら通知以外

まずほとんど読めないから、

この時期にまとめ読みしとく感じだよなぁ。。

今日はこの時間からもう天気よさげだから、

さっさとお参りしてまた読書三昧だわ。。

ふぅ。

雑煮食べなきゃ。。

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王様の扉(134)

2024-01-01 00:00:00 | 「王様の扉」

 どうして、建物の中に籠もったまま、誰も外に出てこないのだろうか。グレイにはまるで見当もつかなかった。
「――」と、こちらを見る気配を察知して、グレイはさっと振り向いた。
 しかし、人の姿はなかった。だが、グレイから隠れることも、またできなかった。
 驚かせないよう、人影が見えた建物の隅に駆け寄ると、わずかな屈伸でぴょんと屋根に飛び上がった。
 音もなく屋根の上に降りたグレイは、探るように頭を巡らせ、人影の行方を探った。
 感覚が導くまま、グレイはふわりと飛ぶように屋根の上を駆け、動いている人影に音もなく近づいていった。

 バタン――。

 と、乾いたドアの閉まる音が聞こえた場所で、グレイは伝っていた屋根から飛び降りた。
 街の、入り組んだ中小路を抜けた先にある、小さな窓の物置のような小屋だった。

 ――とんとん、ととん。

 グレイは軽くノックをすると、ドアの向こうの気配に注意を払った。
 なにも、反応はなかった。しかしグレイは、中にいるはずの人物が早鐘のように打つ心臓の鼓動と、悲鳴をかみ殺すほどの動揺をひしひしと捉えていた。

「すみません。ぼくは、グレイ。よその街から来た者です」

 と、グレイは声をひそめて言った。「人を捜してるんです。心当たりがないか、聞いてもらえませんか」
 グレイは、「お願いします」と、ドアに向かって祈るように頭を下げた。
 何度か繰り返し話しかけると、中からドアが開いた。

「――どうか、しましたか」

 と、笑顔を浮かべた女性が、姿を見せた。
 どこかで、見覚えのある顔だったが、グレイには思い出せなかった。
「ありがとうございます」と、グレイはお礼を言った。「人を捜してるんです。心当たりはないか、聞いてくれませんか」
「いいですけど――」と、女の人は言った。「きみ、一人で来たの」
 と、グレイはうなずいた。
「ぼく、一人です」
 グレイが言うと、女の人はいぶかしげに外に顔を出し、確かめるように左右の様子をうかがった。

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王様の扉(133)【12章】

2024-01-01 00:00:00 | 「王様の扉」

         12 未来の成る木

 ――バタン。

 ドアの閉まる音に驚き、グレイははっとして顔を上げた。
「ここって?」
 どこにいるのか、わからなかった。くらり――と、軽いめまいを覚えた。
 夢うつつのように感じながらも、ドアを開けて中に入ったところまでは、しっかりと覚えていた。
 だが、一歩踏み出したとたん、くらりと目まいがしたと思うと、真っ暗な光のない空間に包まれてしまった。

「ここは、どこなんだろう」

 建物が並ぶ、街だった。
 後ろにある建物の陰に下がると、グレイは周りの様子を確かめた。
 グレイにとっては、馬に引かれた馬車も、ハットを被った背広の紳士も、ドレスを着た女性も、見慣れた景色だった。
 しかしそれは、どこかおぼろげな記憶の中の光景だった。
 目の前の街には、人がいなかった。
 記憶が曖昧で、どうして自分が懐かしさを覚えるのか、その理由についてはまったくわからなかった。
 しばらく、家の軒下で壁にもたれかかったまま、静まり返った街の様子を眺めていた。

「扉の魔女を、探さなきゃ――」

 と、手首にはまったブレスレットと、腰に結わえられている細い糸を見つけて、グレイはやっと自分の目的を思い出した。ズボンのポケットにしまったラジオも、壊れてはいないようだった。
 ただ、やって来たはずの扉が、どこにも見あたらなかった。結わえられている糸は、しかし切れてはいなかった。細い糸の先は空気の色に溶けこみ、どこに繋がっているのか、いくら目を細めても、糸の行方まで見極めることはできなかった。
 魔女は、この街にいるんだろうか――と、グレイは手にした糸を離すと、歩き始めた。
 地面が剥き出しになった道には、いつ頃できた轍なのか、浅く残った車輪の跡が、縦横に走っていた。商店の看板を掲げた建物の窓には、細かな砂が息を吹きかけても飛び散らないほど、びっしりとこびりついていた。
 ときおり吹く乾燥した風が、息苦しさを覚えるほど砂を巻き上げ、どこかの壊れかけた看板をねぶって、カリカリと耳障りな音を上げていた。
 ふらりと通りを進んだグレイは、感じていた。
 見た目は誰もいない街だったが、それは見えないだけで、建物のあちらこちらから、人の気配が漂ってきていた。

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